キム・スヒョン“フォン”「ついに時が来た」 クライマックスへ向けて急転直下、袂を分かった義兄弟の決戦<太陽を抱く月>
キム・スヒョンが主演を務める韓流ドラマシリーズ「太陽を抱く月」(Huluにて配信中)。2012年に全20話が放送された大人気ドラマシリーズである同作は、朝鮮王朝の架空の時代に繰り広げられる宮中ラブストーリーを描いた作品だ。第19話ではイ・フォン(キム・スヒョン)とヤンミョングン(チョン・イル)が袂を分かち、2つの太陽がぶつかり合う。(以下、ネタバレを含みます)
袂を分かってしまった2つの太陽
ヤンミョングンは、自らを訪ねて来たユン・デヒョン(キム・ウンス)から提案を受けていた。宗廟祭礼(チョンミョチェリェ)の祭主の座とホ・ヨヌ(ハン・ガイン)が望みだと伝えたヤンミョングンに、ユン・デヒョンは政変が成功すればどちらも手に入ると語りかける。
しかしヤンミョングンは政変の結果イ・フォンが失脚したあとのことを指摘。ユン・デヒョンの娘でもあるユン・ボギョン(キム・ミンソ)は現在王妃という立場だが、権威を失えば「お前は王の義父ではなくなるのだぞ」とヤンミョングンが真意を問う。すると「必要であれば(娘は)いつでも増やせます」と答えたユン・デヒョンに、「肉親まで捨てる領議政(ヨンウィジョン)が信じられると思うか?」と切り出すヤンミョングン。だが互いに腹の探り合いをしながらも、結局はそれぞれの望みのために手を組むことを決めるのだった。
一方、王妃ユン・ボギョンは夜にイ・フォンに会いに行く最中、宮廷でホ・ヨヌと過ごしているイ・フォンの姿を見てしまう。怒りに震えながら踵を返したユン・ボギョンは、翌日ユン・デヒョンにそれを報告。涙を浮かべながら怒りを訴えるのだが、ユン・デヒョンは相手にもしない。
父にも夫である王にも見捨てられてしまったユン・ボギョンは、再び暗躍を始める。星宿庁の臨時都巫女(トムニョ)であったクォン氏を呼び付けると、チャン・ノギョン(チョン・ミソン)の神娘(ここではホ・ヨヌを指す)を呪うことができるかと問い質す。
すると話の中で、これまで続いてたイ・フォンを呪っていた人物がクォン氏であること、そしてそれは領議政…つまり父の指示であったことを知るユン・ボギョン。ユン・ボギョンはクォン氏に対して「殺せないなら最高の苦しみを味わわせろ」と命じるのだが、呪いの成就には“強い供え物”が必要であること、さらに純潔な女性の強い念願によっては“殺すことも可能”であると聞かされる。
ユン・ボギョンは自分自身を供げ物として、ホ・ヨヌへの呪いをかけるようクォン氏に命令。しかしチャン・ノギョンはこの夜に呪いが向けられることを察知していた。ホ・ヨヌに事情と迫る危険を伝えたチャン・ノギョンは、クォン氏によるユン・ボギョンを供げ物とした呪いに対し、自分の血と札によって対抗する。果たして強力な呪いへの対抗は成功し、呪いはクォン氏の身体を通してユン・ボギョンへ…。
彼女の犯した数々の罪を列挙して強烈な警告をおこなうチャン・ノギョン。頭に響き続ける声に、ユン・ボギョンはひたすら恐怖するのだった。
ユン・デヒョンの暴走とヤンミョングンの決意
夜、部屋にいたホ・ヨヌの兄であるホ・ヨム(ソン・ジェヒ)のもとに刺客が向けられる。怪文書から真実を知ったホ・ヨムに対し、ユン・デヒョンが先んじて始末するべく兵を向けたのだった。気配に気づいて屋敷の前に出たホ・ヨムの前に、ホ家の奴婢だったソルが現れる。持ち前の剣技で刺客に立ち向かうソルだったが、数の不利は覆せず腹を貫かれてしまう。
窮地に駆け付けたのは、キム・ジェウン(ソン・ジェリム)。瞬く間に刺客を制圧したものの、重傷を負ったソルの意識は既に薄らいでいた。ホ・ヨムへホ・ヨヌが生きていることを伝え、またホ・ヨヌを守れなかったことを詫びると、ホ・ヨムも感謝と重荷を背負わせてしまったと感謝の言葉を尽くす。
キム・ジェウンは王宮に戻り、事の次第をイ・フォンへ伝える。さらに念のためホ・ヨムとミナ王女を避難させておいたことを聞いたイ・フォンは、衝撃を顔に浮かべる。そしてそばにいたホ・ヨヌもまた、長く仕えてくれたソルの訃報に涙を流すのだった。
さらに協力者であった大王大妃(テワンテビ)・ユン氏(キム・ヨンエ)にも毒を盛って殺害したユン・デヒョン。「もう邪魔者はいないだろう」と喜ぶなか、部屋にヤンミョングンが入って来る。「決行を早めよう」という彼の言葉に従い、今後の方針が定まっていく。そしてヤンミョングンはその日のうちに決起集会を開き、本に「陽明(ヤンミョン)」と記す。
来たる講武の日に王を倒すというユン・デヒョンの作戦に乗ったヤンミョングンは、「この私を信じて意を共にする者は記名しろ。今は白紙に過ぎん。だが私が王になったら政変に協力した――功臣名簿になる」と本を決起集会に集まった者たちに差し出す。そこにユン・デヒョンをはじめとした者たちの名前がそこに記されていくのを見て、ヤンミョングンは未来に思いを馳せた不敵な笑顔を浮かべる。
「天命が革命に至ったことを知らせに来た」
翌日におこなう講武の支度を臣下たちと整えたイ・フォンは、ホ・ヨヌに支度をするように告げる。明日いっぱいは戻ってこられないため安全な場所に移っていたほうがよいと語るイ・フォン。さらに1人で宮廷に置いていくと自分が気になるとして、ホ・ヨヌに改めて避難を申し出る。イ・フォンの固い表情から何かを感じ取ったのか、ホ・ヨヌは「ご無事で」と微笑む。イ・フォンもまた、「必ず――無事に戻る」と約束を交わすのだった。
決起前最後の夜、月を見上げるヤンミョングンのもとに、キム・ジェウンがやってくる。「1つだけ聞く」と切り出したヤンミョングンは、王命かそれとも友として来たのかと問う。友として来たと答えるキム・ジェウンに、もう1つだけとヤンミョングンが言い募る。
「お前、今でも私の友か?」そう問われたキム・ジェウンは、まっすぐに目を見て「これまでもこれからも変わりません」と言い切った。するとヤンミョングンは、「では――どんな選択をしても信じてくれるよな。ずっと友だろう?」と涙を浮かべながら問う。
なぜ聞くのかと問い返されると、ヤンミョングンは「お前の返事とは関係なく、決意は変わらない」としながらも「なぜこうなったかを考えてしまう」と静かにこぼすのだった。
翌日、講武のために物々しい雰囲気に包まれる王宮。衣装を整えたイ・フォンはヤンミョングンと部下たちが待っていることをヒョンソンに伝えられる。続けて「王様、これまで――王様にお仕えできてとても光栄でした。王様の――ご無事を祈ります」とヒョンソンが微笑むと、イ・フォンは「これまでの歳月をむだにはしない」と毅然とした表情で答えた。キム・ジェウンとヒョンソンを伴い、イ・フォンは決戦の場へと向かっていく。
「ついに時が来た。すべてを元に戻す時が近づいている」と心中でこぼしながら、ユン・デヒョン、そしてヤンミョングンの謀略がうずまく場所へと向かっていくイ・フォン。そして決意をした表情を浮かべているのは、ヤンミョングンも同じだ。
歩き始めたイ・フォンたちに、ヤンミョングンたちの作戦通りに兵士が押し寄せてくる。外から押し寄せた兵士たちに囲まれながら、背中合わせで構えるイ・フォンとヤンミョングン。しかし、次の瞬間には互いに剣を抜き、その切先を向け合う。
「太陽は天にあるものだが、天は太陽を捨てた。天命が革命に至ったことを知らせに来た」と語るヤンミョングンを、イ・フォンはただじっと見つめるのだった。
2つの太陽がぶつかり合うクライマックス
ついにクライマックスへ向けて物語が大きく展開していった19話。悪が手段を選ばないようになってきたのは、まさに追い詰められている証拠だ。
何かを察知していながら、罠に飛び込んだイ・フォン。ヤンミョングンの意味深で苦しそうな表情の意味、そしてイ・フォンの作戦とは。
次回で最終回を迎える「太陽を抱く月」。Huluにて全20話が配信中だ。
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