

佐野晶哉は「“斬新”な差し入れで現場を一気にまとめてくださった」比屋根Pが語るキャストの魅力&作品へのこだわり<離婚後夜>

佐野晶哉が主演を務めるドラマ「離婚後夜」(毎週土曜深夜2:30-3:00ほか、テレビ朝日ほか/ABCテレビは毎週日曜深夜0:10-0:40)が、12月14日(土)で最終回を迎える。今回WEBザテレビジョンでは、同作を手掛ける比屋根り子プロデューサーにインタビューを実施。キャストの魅力や裏側、こだわりを語ってもらった。
大切にしていたのは“日常のシーンに甘いせりふをどう落とし込むか”
ーー人気WEBTOON作品を実写化するにあたり、こだわった点を教えてください。
「離婚後夜」という人気ある漫画を原作としてお借りしながら、ドラマでは伊織の目線で描くということが難しくはあったのですが、ドラマ化するからこそ見える伊織の気持ちや目線を大切にして作っていこうという話で進めていきました。
監督・脚本・プロデューサーチームで原作をしっかりと読み、「ここのシーンは残したい」「このせりふはきっと原作ファンの方が大事にしている部分だと思う」と丁寧に作りました。ただ、原作では香帆の目線で聞いているというのがベースにあるので、ドラマ化にあたっては、伊織の気持ちやそのせりふに至るまでの経緯を重視しました。
ーー今回、監督が3名参加していらっしゃいますが、その点を監督と詰めていった形ですか?
大前提として「ファンタジーにはしたくない」という思いが3人の監督に共通してあったんですよね。ただ、作品全体がリアリティーかと言われると、全てをリアルにすると暗くなりすぎてしまうので、原作にある甘いせりふも入れた上で“リアルじゃないものをいかに現実的に見せるか”をとても大切にしていました。日常のシーンに甘いせりふをどう落とし込むかは、皆さん共通して試行錯誤していたように思います。
ーー感情の揺れが丁寧に描かれていると思いますが、それは狙い通りということでしょうか?
監督3人より、初めてドラマを撮るにあたり、空気感や間を大切にしたいというお話は元々聞いていました。なので、そこに特徴があるかと思います。「せりふは言っていないけれど、せりふ以外から伝わる張り詰めた感じや重い空気などを受け取ってほしい」とこだわっておられたので、そこはプロデューサーとしてちゃんと残そうと考えていました。間によって、登場人物の感情を丁寧に描けているのではないかと思います。
佐野晶哉の魅力は「いるだけでその場が優しい空気になる」
ーー主演を務める佐野さんのキャスティングの決め手はどういったところだったのでしょうか?
きっかけの一つが、佐野さんが所属するAぇ! groupが、一流舞台演出家&脚本家とコラボし“本気の舞台”に取り組む「THE GREATEST SHOW-NEN」というバラエティー番組に私がスタッフとして関わっていたことです。そこで佐野さんの演技を見て、泣き芝居や感情の揺れなど、とてもすてきな演技をされる方だなと思い、当時から「いつか一緒にドラマをやりたい」という気持ちがありました。
私が今回ドラマ班へ異動しプロデューサーデビューをするにあたり、佐野さんを主演にお迎えしたいと思い、ご縁が重なってご一緒できることになりました。
ーー比屋根Pから見て、佐野さんと伊織で重なる部分などはありましたか?
みんなが大事にしていたキーワードが“子犬感”で、キュンとするせりふをかわいく言ってくれたらいいよねという思いがありました。
佐野さんは誰に対しても目を見てお話してくださる方なので、真っ直ぐでピュアな目で言葉を伝えるという面では、伊織と似ているのかなと思います。
ーードラマを見ていると、原作では描かれない部分を佐野さんが演技で補完している印象があります。
正直なところ、原作を読んでいるだけでは、伊織のバックグラウンドが分からない部分もあって…。
伊織が父親と会社で話すシーンがクランクインだったのですが、そこで佐野さんが伊織を想像してきて見せたお芝居で「伊織ってこういう人間なんだな」というのが見えてきたんですよね。佐野さんが演じていくことで、監督やスタッフの中での伊織像がどんどん構築されていったんじゃないかなと感じています。
目線や行動の動線、その一つひとつを佐野さんが考えてきてくださっていて「そうそう、これ伊織っぽい!」と現場で盛り上がりながら作っていきました。
ーー座長としての佐野さんの魅力はどんなところでしょうか?
佐野さんがすごいなと思ったのは、座長感を出しているわけではなく、毎日元気に笑顔でいるだけでその場が優しい空気になること。
「みんなで楽しく現場を作っていこうね」という気持ちがその場に居るだけであふれていて、そこにみんながついていっている雰囲気でした。
スタッフの名前も覚えていらしたし、些細な日常会話を皆さんとしてくださっていて、そのおかげで距離が縮まって楽しい現場になっていたのだと思います。
あとは、最初の佐野さんからの差し入れが印象に残っています。弊社の現場では“エコ”に取り組んでいて「水筒を持ってきてね」と伝えていたのですが、そもそも水筒を持っていない人も多くて…。すると、佐野さんが美味しい飲み物が入ったタンブラーを差し入れしてくださったんです。思い出にもなるし、エコになるし、すてきなアイデアだな、佐野さんすごいなと思いました。
それが撮影3日目くらいで、まだみんな探り探りな雰囲気だったのですが、そこを一気にまとめてくださった感じがしました。
「“こんなことまでしていたんだ”という細かいところまで演技を」
ーーヒロイン・香帆を演じる久保田紗友さんのキャスティングのこだわりも教えてください。
香帆は「私って地味だし」というせりふにもあるように、最初は“地味さ”が強調される役です。その地味さや暗さを演技でちゃんと伝えられて、かつ伊織との出会いで自分を取り戻していく過程を、段階を踏んで表現できる方が良いなと思っていました。
香帆は本当に難しい役ですし、その変化を話し合いながら作っていける方がいいなと思い、その点も久保田さんに伝えた上で快く引き受けてくださいました。
撮影後の編集作業中に「こんなことまでしていたんだ!」と気づくような細かいところまで演技されていて、本当に今回お願いしてよかったと思いましたし、久保田さんにしかできない香帆をお見せできているのではないかと思っています。
ーー香帆のモラハラ夫・真也役の長谷川慎さんについてはいかがでしょう?
最初にキャスティングをしたときには、本当にモラハラの演技ができるのかな?と思ったほど、普段は天然で優しい雰囲気なんですよ。
ただ、現場に入ると本当に顔つきが変わるんです。みんなが「怖い…」と感じるくらい真也のモードに入っていて、すごい役者さんだと感じました。
原作でも、香帆が伊織と真也の間で揺れる姿が描かれているのですが、視聴者の方がちゃんとその気持ちの揺れ動きについていけるような方にしたいなという思いがありました。佐野さんは子犬系というか、かわいらしいビジュアルなので、そことはまた違うかっこいい系、かつスーツ似合うことを決め手にキャスティングを考えていきました。
真也って、一番人間的だと思うんですよね。後半にかけて彼の弱みが段々と見えてきたかと思いますが、長谷川さんはその部分をとても大切に演じてくださいました。
序盤のキーワードが最終話の大切なシーンに登場
ーー最後に、最終回の注目ポイントを教えてください。
第9話の最後が「香帆さん、俺を選んでください。俺はあなたのためなら全てを捨ててもいい」という強いせりふでした。そこから最終話が始まるのですが、「俺を選んでください」と言った後の伊織の行動と表情、香帆が本当に伊織を選ぶのかという部分に注目して見ていただきたいです。
そして、序盤で香帆が語った「コーヒーの花って白いんですよ」という印象的なせりふを思い起こすシーンが最終話で描かれます。伊織と香帆、そして真也が重ねてきた時間を感じていただきながら、最終話を最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。
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