超大盛りラーメン店で愛好家たちによるマナーバトルが勃発?スープの"秘密"に気付いた青年の話に「めっちゃ面白かった」「普通に飯テロだった」の声【作者インタビュー】
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、裏サンデー(小学館)で連載されている『遥かなるマナーバトル』より、ラーメン店でのマナーバトルが意外な展開を迎える『某ラーメン店に出没するマナー警察と戦う話』をピックアップ。
作者のたむらゲンさんが10月11日にXで同作を投稿。そのツイートには1.1万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、たむらゲンさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
頑固で無口…ひとり歩きするイメージと独自マナーの裏にあったラーメン店主の本心とは
ある日、人気店"ラーメン四郎"を訪れた求道と真那は、マナーにうるさい常連客に出会った。
常連たちは、マナーをことごとく破る求道に対してマナーバトルを申し込む。
「ニンニクアブラヤサイマシマシカラカラで」と呪文のように注文する常連たちに倣い、真那と求道も同じように注文すると、野菜・肉・麺・背脂すべてが大盛りのラーメンが運ばれてきた。
四郎では人数分の麺をまとめて茹でることから、同じタイミングで茹で上がったラーメンを他の客よりも遅く食べ終えることはマナー違反とされていた。
順調に食べ進めていると思われたが、全体のペース配分を間違えたことで満腹になり、求道の胃は限界を迎えていた。
朦朧とする中で求道は、あることに気付く。
「鮎の煮干し…?」
スープに鮎の煮干しが使われていることに唯一、気が付いた求道は、私語厳禁の掟を破ってラーメンの素晴らしさを店主に伝えた。
マナーを犯した求道の負けは確実かと思われたが…求道の気付きに対し店主は、「…ふふ。客と会話したのなんていつぶりだ。」と涙を流したのだった。
店主曰く、もとは端麗醤油ラーメンの店だったが、空腹の学生客のために野菜と背脂マシマシのラーメンを出したところ、口コミが過剰に広がり、超大盛の店として有名になったらしい。
さらに店主の意に反して誰かが私語禁止の張り紙を貼り、マナーまでもがひとり歩きしていったという。
「ラーメンが好きだった。客の笑顔が好きだった。…それなのに、どうにも心は虚しかった」
脱力しかける店主に、常連客たちはラーメンに対する各々の思いを語り始めたのだった。
実際に作品を読んだ読者からは、「めっちゃ面白かった」「マナーを正すよりもその本質を捉えたほうがいいよね」「普通に飯テロだった」といった声が上がっていた。
「マナーという言葉に敏感になってみると面白い」作者が語る創作の背景
――『遥かなるマナーバトル』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
担当編集とマナー講師を題材にした作品が面白いんじゃないかと打ち合わせしており、それならばマナー講師を戦わせたらいいという話になったので、このような形になりました。最新話になるにつれ、色々と飛躍してきてるのでよろしくお願いします。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
さらっと読めるようなコマ割りを心がけています。見て欲しいポイントというより、この漫画を読んだことによって日常にある「マナー」という言葉に敏感になってみると面白いと思います。かなりの場所でいろいろな意味で「マナー」という言葉は使われています。実際にマナー違反の指摘をしてみてもいいかもしれませんね。
内容で拘っている点として、マナーというものは、社会に必要なもので一概に否定すべきものではないと考えているので、色々な視点から描けるように心がけています。
バトル漫画が好きなので、色々なバトル漫画の要素を自分なりに噛み砕いて取り入れています。ギャグとしても、真面目な話としても面白いものを作りたいと思っています。
――本作は、独特なセリフの言い回しや言葉遣いも見どころのひとつです。特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
1話で「戦いの世界で涙を流すのはマナー違反だ」と言ってるのがいいと思います。自らを苦しめたマナーを、自分を奮わせる武器にしているところがいいですね。非常に構成力がある作家だと感じます。41話〜の『謝罪マナー』には、涙を流すキャラがたくさん出てくるので、1話を踏まえて読むのもいいかもしれません。他にも結構フリとか、布石、対比とかが散りばめられていて非常に好ましい作品ですね。
あと、もう一つ。15話『新幹線マナー』の「礼儀新幹線出発進行」です。なんかあんまり礼儀とつける意味がない言葉だし、わざわざ出発進行っていう必要もないのにでかい文字で入ってるのが面白いと思います。
――本作には個性豊かなキャラクターが多く登場しますが、日ごろ漫画を描くうえで、作品やキャラクターのアイデアはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。
Xと他の漫画と、世間への不平不満から着想を得ています。あと、担当とか友達が言ったアイデアとかも節操なくとりいれています。この漫画は足し算の発想でできている。
――たむらゲンさんの今後の展望や目標をお教えください。
アニメ化かドラマ化すると、同窓会とかドヤ顔でいけるのでだれかお願いします。ドラマ化する際は、主人公は学生じゃなくて会社員がいいんじゃないかなと思っており、ざっくりとした改変案も考えてあるので、ご連絡ください。アニメは、ニンジャスレイヤーとか鷹の爪団が好きなのでああいうのでもいいです。もちろんキルラキルくらい動いても嬉しいです。一周回ってロトスコープにしてもいいんじゃないかな。
3巻以降が電子のみになってしまってるので、なんかこうどうにか紙にできるくらい売れるといいですよね。売れたら紙になるのかどうかとか知らんけど。
――たむらゲンさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも読んでくれてありがとうございます。先日は4巻発売フェスという、ファンアート等を募集する催しに参加してくれたのもとても嬉しかったです。まじめに感想等のためにやっているので、助かります。
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