山崎育三郎“薬師丸”、岡田将生“歩”に「アナタは所詮ナース」とプライドを傷つける一言<ザ・トラベルナース>
岡田将生と中井貴一が“クセ強ナース”を演じる痛快医療ヒューマンドラマ「ザ・トラベルナース」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)の第7話が12月5日に放送され、院長・薬師丸(山崎育三郎)の過去と関係する人物が登場。次回からの波乱を予感させた。(以下、ネタバレを含みます)
クセ強敏腕看護師コンビが医療現場を改革
本作は、手術の際に医師を補助し一定の医療行為を実施できる「NP(=ナース・プラクティショナー)」の那須田歩(岡田将生)と謎多きスーパーナースの九鬼静(中井貴一)のクセ強看護師コンビが、“患者ファースト”の精神で医療現場を改革していく物語のシーズン2。
トラベルナース(人手不足の病院や施設にて期間限定で働くフリーランスの看護師)である彼らの今シーズンの勤務先は、基幹病院である「西東京総合病院」。同病院では、新院長・薬師丸が働き方改革を中心とした組織変革に次々と着手。現場の状況より自分の理想を優先して強引に改革を進める薬師丸に、静と歩は闘いを挑んでいく。
歩の救命処置が原因で患者が骨折
歩は通勤途中で呼吸困難に陥っていた少女・七叶(佐藤恋和)に遭遇。救急車の到着を待てないほど一刻を争う重篤な症状だと判断した彼は、その場で適切な処置を施して彼女の命を救った。
だが、その処置が原因で七叶の肋骨が折れた事が発覚。七叶は最近注目されている“天才卓球少女”で、完治が大切な試合に間に合わないと知った母・美里(松岡依都美)は「娘の卓球人生がかかってるんですよ!?」と、ヒステリックに医師や歩にくってかかった。
処置が原因で七叶が骨折した事が広まったら厄介だと考えた院長の薬師丸は、歩に、この件は口外しないように、そして美里をこれ以上刺激しないためにも接触しないようにと言い渡した。
薬師丸は、西東京総合病院を災害拠点病院にする事を強く望んでおり、その指定を受けられるように政治家・灰原(大和田伸也)に力添えを頼んでいた。灰原に「口利きをする自分のメンツもあるから、正式に決まるまではトラブルは避けるように」と釘を刺されており、薬師丸はより慎重になっていた。
だが、歩は七叶の病室で会った美里に責められて口論に。彼女の怒りはエスカレートして「病院と歩を訴える!」と言い出してしまった。
「アナタは、所詮ナースです」
トラブルになってしまった事をとがめる薬師丸に、歩は「最善の処置をした、間違った事はしていない」と主張。だが薬師丸は「医師と同じ事ができると思われては困る」と、NPの資格を持つ歩に失礼な一言を。「命がかかってるのに、医師もナースも関係無い!」と激高する歩に、薬師丸は「アナタは所詮ナースです」と見下すような発言をした上に「タスクシェアを推奨した事で勘違いさせてしまったようだ」と嫌味まで言って歩のプライドを傷つけた。そして訴訟となれば、マスコミが嗅ぎつけて病院に来るかもしれない、と、歩に謹慎を言い渡した。
この処分に納得がいかない歩を「院長は歩を守ろうとしているのだ」と、薬師丸に心酔している塔子(寺島しのぶ)はなだめながらも、薬師丸の忠告を聞かずに事態を悪化させた事をなじりもした。二言目には「院長、院長」と信者のように言う塔子には、ナースたちもうんざり。静も塔子に「お言葉ですが、患者とどう接するかは院長ではなく我々が決めるべき。病院の問題、院長の責任…クソくらえ!です」と意見した。
薬師丸は七叶の病室を訪れ、今回の事を詫びた。そして、美里の怒りを鎮めるために、他院の有名アスリートを何人も診ている医師の資料を渡すのだった。だが、本心で「申し訳ない」と思っているわけではない。「誠意を見せておいてマイナスは無い」と静に語ったように、リスク回避の一環なのだ。
そんな薬師丸の思惑に気付いている静は「歩をクビにする事は勧めない」と、先回りしてけん制。「命を預かる仕事に責任が生ずるのは当然」と答えた薬師丸に、静は「では院長も、外科医として常に命の責任を取ってこられたという事ですね」と尋ね、薬師丸の表情がこわばった。薬師丸は、不測の事態で患者を死なせた過去があるようだ…。尋ねた事に他意は無いと言った静だったが、何かを知っている様子だった。
一難去って、また一難…
歩が七叶の応急処置を行った際に手伝ってくれた通りすがりの看護師・めぐみ(若村麻由美)が「歩があの場で処置しなければ七叶は助からなかった」と美里に説明して、美里は訴える事をやめ、歩に感謝とこれまでの態度を謝罪した。
トラブルを回避して、薬師丸もひと安心。彼は歩に先日の発言を詫びたが、歩は水に流せないようで無言を貫いた。そんな歩の態度を気にも留めず「自分が目指す改革の為には、まだまだ2人の力が必要」と、歩と静に契約延長を持ちかける薬師丸。返事をする前に静は「院長の“改革”とは、病院のためか、患者のためか?」と問いかけた。
「当然、病院の改革は全て患者に還元される」と薬師丸は答えたが、静は含み笑いをしながら「そうでしょうか?」と言い、2人の間に緊迫した空気が流れた。その時、院長室に塔子が緊張した面持ちで入ってきた。一緒にやって来たのは看護師のめぐみ。めぐみは約1年前までこの病院に勤務していたのだが、彼女を見た途端、薬師丸は脳裏に忘れたい過去がよみがえり表情がこわばった。
めぐみは緊張する薬師丸に院長就任の祝いの言葉を述べ、「あのひどい状況から本当に病院を立て直された」と彼の手腕をたたえた。めぐみは薬師丸の“過去”に関係があるようだ。彼女は、塔子にも「ここに残れて良かった。警察に連れていかれたって聞いたときはどうしようかと…」と語りかけ、塔子の表情をさらに堅くさせた。塔子が警察に?過去に一体何があったのだろうか…。
めぐみは、かなり進行したすい臓がんを患っており、薬師丸に執刀を頼みにやって来たのだった。まばたきもせず、挑むような目で薬師丸を見据えるめぐみ…。彼女の思惑は何なのだろう。占い好きの看護師寮の寮母・たま子(池谷のぶえ)が、めぐみの素性が分からない時に似顔絵を見て「私たちに不吉なものを運んできそうなイヤなオーラを感じる」と言っていたが、その直感は当たったようだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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