

「誰も傷つけないものを作りたい」田渕草人Pが明かす、ドラマ『つづ井さん』制作秘話 原作者とキャスト陣の密な交流も

藤間爽子が主演を務める「つづ井さん」(毎週木曜深夜0:59-1:29、読売テレビほか)が現在放送中。筋金入りの「オタク女子」つづ井さんと、“前世からの友達”が繰り広げる、なんでもない推し活ライフを綴った、累計90万部突破の人気エッセイコミックが原作だ。
この度、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める田渕草人氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。
視聴者に「独特な面白さを伝えたい」
――完成した映像を見た、率直な感想をお聞かせください
正直、これ大丈夫かな?って、心配はしていましたね。ある意味、親切ではないドラマというか「つづ井さん」独自の世界観を全面的に押し出したので、丁寧に説明したりとかは極力しなかったんですよね。とにかく楽しく、好きを詰め込んで作ったので、原作ファンがどう思うか気にしてはいました。ただキャストも、つづ井さんご本人も、すごく制作側の意図に賛同してくださったので、ご本人が「祭りだ!」っておっしゃってくれたように、とにかくこの独特な面白さを絶対に伝えたいなという思いでした。
――「つづ井さん」を制作されたきっかけと、理由を教えてください
最近の深夜ドラマって、復讐だったり、不倫だったり、そういう毛色の作品が多いじゃないですか。もちろん過激なものもいいとは思うんですけど、僕はやっぱり楽しいものを作りたい思いが強く、他の作品とはちょっと違うことをやりたいなみたいなのもあって。とにかく本当に原作が面白いし、誰も傷つけないし、自分たちの日常をめちゃめちゃ楽しんでいる前世からの友たちが本当に魅力的で、その全てが実話であるところにやられましたね。こんな大人が実際にいるって、めっちゃ幸せやなっていうのをすごく感じたから、絶対ドラマにしたいなって思いました。
実写化では「陽の表現を大切に」
――世間が推し活ブームの中で、意識された部分はありますか?
作るときに意識したのは“みんな違ってみんないい”かな。実際に原作でも「違うのもいいし、同じのもいいよね」みたいなことをつづ井さんがおっしゃっていて。ドラマの中でも「分かんないことを、分かんないって言ってくれる友達は最高」っていうせりふがあるんですけど、そんな風に個性や自由を大切にできたらいいなと思っていました。
――原作を実写ドラマ化するにあたり、大変だったこと、苦労したことがあれば教えて下さい
漫画が割と無表情で描かれていることが多いので、それをどれぐらいキャストが表現するかっていう点は悩みました。シュールな世界観だから、淡々とシュールに表現するっていうやり方もあるけれど、やっぱりキャラクター同士の営みを楽しんでいるんだっていうことを表現したくて。だから、はっちゃけるところははっちゃけるし、騒ぐところもあったり、映像化する醍醐味として、“陽の表現”を大切にする方向に舵を切りました。
あとは、キャストたちが仲良くなりすぎて、撮影を収束させるのにめっちゃ苦労しましたね。変顔とか本気ダンスとかホーミー対決とか、ほんまにいらんことばっかしていました(笑)。「ひと夏の思い出できたね!マジ青春じゃん!」みたいな感じで。でもみんな本気で楽しんでくれていたのはドラマにかなり出てると思います!
藤間さんは「幅も器も広い」
――初主演を務める藤間さんの起用理由を教えてください
真面目な方で言うと、つづ井さんって色んなものを幅広く、丸く認めて受け入れて。それを自分の中でしっかり消化して楽しんでいるのが、素敵な人だと思ったんですよね。その中で、藤間さんは日本の伝統舞踊の家元でありながらも、自分で劇団とかも入っていたりして。ドラマも舞台もやっているし、結構幅が広い人だから、器の広さみたいなところで何でもやってみて、楽しんでくれそうだなっていう期待感がありました。
あとは、真面目な役が多い印象なんですけど、めちゃくちゃ柔らかい人で。明るくて楽しい人だから、こういうコメディーをやったら、おもろそうやなっていうのでご相談させていただきました。
真剣にふざけるドラマにしたいと思っていたので、一見この役を引き受けなさそうな人にやってほしくて。なので藤間流の家元にこんなことやらせていいんかな?って思うシーンもいっぱいあるんですけど、全力でやりきってくれて感謝しています。
――座長である藤間さんは撮影現場ではどういった印象でしょうか?
最初は結構緊張されていたんですけど、原作が親友5人組の話だから、やっぱりクランクインのタイミングからギクシャクはしてほしくなくて。仲の良さが一番大事なドラマだったので、藤間さんがクランクイン前に「ご飯にみんなで行きませんか?」って提案してくれたんです。それきっかけに緊張感もほどけたようで、最初は真面目だったのが、今ではふざけられるくらい馴染んでいます(笑)。だから現場では誰よりも楽しんでくれたし、それにみんな引っ張られて笑いの絶えない現場になったので、すごく助けられたなって感じですね。めちゃくちゃ良い座長やったと思います。
仲が良すぎて「現場が楽屋のような空間」
――撮影中の印象的なエピソードはありますか?
1話に、みんなで腹筋とか相撲とかをとるシーンがあったんですけど、普段みんな運動していないらしく「腹筋きつすぎる」ってなって、最終的には何回もそのシーンを撮るから、腹筋が一回もできなくなっちゃったんですよね。だから女性の助監督さんが寝そべって、背中を後ろから映らないところで必死に支えながら腹筋のシーンをやっていた裏話があります。ずっと家にいたのに、めっちゃ筋肉痛になる現場でしたね(笑)。
あとは、BL本を部屋にいっぱい置いていて、撮影の合間にみんなが読みすぎてBLに詳しくなっていました。本当にキャスト同士が仲良くなりすぎたので、みんな楽屋に帰らなかったんですよね。セットとかも変えたかったけど、みんなだらだら寝転がって、漫画読んだりしていて。「そろそろいい?」みたいな感じでした(笑)。
――腹筋のシーンや、推しへの思いを表現するダンスなど、アドリブが多い現場なのでしょうか?
アドリブとか、フリーのシーンは多いですね。推しへの思いを込めたダンスも曲は決めていましたが、振り付けは、「はい踊ってください」って感じで任せていました。元乃木坂46のキャプテンと、日本舞踊の家元が踊るっていう、贅沢なシーンですよね(笑)。あれは僕もすごくお気に入りのシーンで、必要以上に長く踊ってくれるし、持てる全てをぶつけてくれて、ちょっと感動したり、ゲラゲラ笑ったりしながらやっていました。
原作者・つづ井さんは「愛情の人」
――田渕Pの特にお気に入りのシーンはありますか?
一つは、4話のゾフ田の誕生日じゃない日にお祝いするっていう回ですね。ラストに土下座して謝るっていうシーンがあったんですけど、予定では最後4人が謝って終わりだったんです。でも、謝った後に木竜さんが怒っているところから、堪えきれずに笑っちゃって「もういいよ」って言うんです。その時の顔が、この親友たちのことをめっちゃ好きなんやなって感じがして、5人の関係性がぐっと見えた瞬間がすごく好きなシーンですね。
もう一つは、7話で推しから暑中見舞いが届くっていうエピソードがあって。あまりの驚きに興奮しすぎて壊れてしまうときのぶっ飛ばし具合がすごくて、藤間爽子のコメディー力が出ていましたね。推しからのプレゼントってどれだけすごいことなのか、うれしさが伝わるし、単純にめちゃめちゃおもろいやんって思いましたね(笑)。
――視聴者が喜びそうな裏話があれば教えてください
原作者のつづ井さんご本人は、僕らに対しても、キャストに対しても、めちゃくちゃ愛情の人です。根からのサプライズ好きというか、人が喜ぶことが好きな人で、実際に現場に何回も来てくださったり、エキストラさんの分までお菓子とかも買ってきてくれていたり。
脚本とかも、こういう方向で行きたいと思いますってお送りすると、ハートマークとかいっぱいつけて「キャラクターがかわいい!」とか、「嬉しい、続きが気になる!」みたいな反応もしてくれて、すごく盛り上げてくれる人だから、一緒に作品を作らせてもらえた感じがうれしかったですね。
―― ではファンの方が知っているつづ井さんは、本当にそのままなんですね!
本当にそのままだと思います。つづ井さんだけじゃなくて、前世からの友の皆さんも一緒に現場に来てくださったんですけど、各キャスト同士、一緒に写真を撮ったりとか、すごく仲良くなっていましたね。撮影現場を見ながら「この人の言っていること、めっちゃ分かる~」とか言っていて、いや、それあなたが書いた漫画が原作だから!って、ゾフ田さんがツッコんだりもして。とにかく楽しかったですね。
辛めな意見も「制作の糧になった」
――視聴者のSNSでの反響はどのようにとらえていますか?
「ドラマ化になります!」ってご本人が発表した時に、ちょっとトレンドに入ったんですよ。詳細とかは一切出てない段階でも、「変なことしたら承知せんぞ」とか、「恋愛要素入れんだろ」、「彼氏できてハッピー!みたいなのやめてよ」みたいな声もあって、結構辛めの意見が多かったですね。最終的に好きな方々にはどう届くのか放送前から気になっていたんですけど、思った以上に肯定的な意見を書いてくださる方が多くて安心しました。
原作では、つづ井さんは身長が高くて、肩幅が広いみたいなことを自称されているんですけど、藤間さんは身長も小さいし、肩幅が足りんな…みたいな意見もあって。でも外見的な部分じゃなくて、人間性の部分でキャスティングしていったので、そういうところを好意的に捉えてくださっている方が多かったですね。見た方が、「6人目になりたいって思えるような5人組を見せる」をテーマにやっていたりしたので、それがすごくうれしかったな。
――1.75倍速にすると、より面白いみたいな助言もあったりしましたね。
結構いいねが多かったですよね(笑)。アンチがいる方が知名度が上がるという説もありますが、やっぱり視聴者が温かいことに越したことはないし、何よりご本人がドラマのポストをリポストしてくれたり、生配信をしてくれたり。こんなに原作者の先生に喜んでもらえるなら、これはもうゴールちゃうか?というか、多分ファンの方も「ご本人が喜んでるんだったら大丈夫だ」って思ってくれたんだと思います。
「とにかく気楽に見てほしい」
――最終回に向けての見どころと、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします
9話はもうわけわからんと思います(笑)。ノンフィクションのドラマだからできることというか、本当に誰もついてこられないと思うんで、ぜひ置いていかれていってほしいなって思います。
10話からはまた通常のつづ井さんに戻るんですけど、推しとの近づかない距離がずっと縦軸として描かれているものに、大きな答えが出ます。最終回までめっちゃほっこりすると思うので、とにかく気を楽~に見てもらいたいですね。そこが一番つづ井さんのいいところだと思うので、最後まで楽しみにしていてください。
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