2児の母・加藤ローサ、子へ受け継ぐ“スマホのない時代”「色んなことに思いを馳せるのよ」
女優の星野真里と加藤ローサがW主演するドラマ『きみの継ぐ香りは』(TOKYO MX)が毎週金曜よる9時25分より放送中。小川まるに氏による同名コミックを実写ドラマ化する本作は、“香り”によって親子2世代で紡がれていく、初恋と家族愛の物語。星野が演じるのは、複雑な恋心と向き合っていくシングルマザーの主人公・桜。加藤は、桜の大学時代の初恋相手・萌音を演じる。オファー時には役どころへの難しさも感じていたという加藤に、作品への理解を深めていった過程や実生活での子どもとの向き合い方について語ってもらった。
――本作は加藤さんにとって14年ぶりの主演ドラマということですが、オファー時の心境を聞かせていただけますか。
加藤 最初にお話をいただいた時には、台本もまだ完結していないし、文字だけでストーリーを読んでもなかなかイメージが湧かなかったんです。久しぶりのドラマだということもあるし、「自分には演じ切れないんじゃないかな」と感じていました。だけど、原作を読ませていただいたらそのモヤモヤが晴れて、相手役が星野さんだということを聞いたら、さらにクリアになった。桜を誰が演じるかによって響き方も違ってくると思っていたんですが、星野さんならぴったりだなと思いました。
――加藤さんにとって、「自分には演じ切れないんじゃないか」と感じた今回の役の難しさとはどんなところだったのでしょうか。
加藤 想像してみてください。学生時代に仲良くしていた大好きな友達の桜が、自分に特別な恋愛感情を抱いていることに薄々気付いていながらも、萌音は桜と友達関係を続けているんです。自分の結婚を機に疎遠になり、再会した時、友達には未婚の状態で子どもがいる。そこへ「これからはママ友としてよろしくね」と彼女のそばにいようとする、萌音の気持ちを理解するのが難しかったんです。どんな顔をして、どういう温度でセリフを言えばいいのか、全然思い浮かばなくて。
――桜の置かれている状況を想像すると、それと対峙する萌音の心情を演じるのが難しい、と。
加藤 そうです。だからそこは監督と話しながら進めていきました。文字だけで読んだときと撮影で実際に桜を目の前にしたときでは、感じ方が変わりました。
――娘がいる母親役という立ち位置はいかがでしたか。実際の加藤さんには息子さんがいらっしゃいますよね。
加藤 高校生の娘がいて、スイーツが大好きな親子という設定なんですが、パンケーキを食べてキャッキャしたりして“友達親子”みたいな感じがして、すごく楽しかったです。これから私の息子たちともそういうことがあるのかもしれないけど、娘の相談に乗るようなシーンも私の中では新鮮で、楽しかった。夫役の池田良さんもすごく楽しい方なので、3人のシーンは面白かったですね。
――本作では母から娘へ“香り”が受け継がれていますが、加藤さんが自分の子どもに受け継ぎたいものは何かありますか。
加藤 物とかではないんですけど、親戚のこととか、母のこと、私の幼少期のことなどをよくしゃべるようにしています。時代は変わっていくので「こういう時代があったんだよ」と。私自身も、おじいちゃんが話してくれて「そんな時代があったんだ」と感じたことを鮮明に覚えているんです。今の子どもたちにはゲームもスマホもあって、すぐWi-Fiを探すんですよね。私の頃にはなかったものの話をすると、「何やってたの?超暇じゃない?」なんて言われたりして(笑)。「色んなことに思いを馳せるのよ」と伝えています。
――ものが多い時代だから時間を潰すことは簡単だけど、じっと考える時間も必要ですよね。
加藤 今は、それがなかなかできないんですよ。1、2分のちょっとした隙間でも、心がスマホの中に入ってしまっているんじゃないかと思うくらいで、会話とかもなくて怖い。もちろんそういう家庭ばかりではないと思うけど、中学生でもほとんどがスマホを持ってますから。私は何もしないで考え事をする時間とか、人を見て想像する時間が結構好きなんです。「この人はどういう人なのかな」と考えたり、「前にお世話になったあの人元気かな」と思い出したり。そうやって自分の中で世界が広がるということを、子どもたちにも伝えていきたいと思っています。
『きみの継ぐ香りは』毎週金曜よる9時25分より放送中(TOKYO MX)出演:星野真里 加藤ローサ 今井柊斗 滝澤エリカ 朝日奈まお 池田良 武田航平 / 原日出子配信情報:民放公式テレビ配信サービス「TVer」にて2週間無料見逃し配信HP:https://s.mxtv.jp/drama/kimitsugu/X:@kimitsugu_mxInstagram:@mx_dramaniaTikTok:@mx_dramania
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