「熱血司祭」シーズン2は、11月8日(金)よりディズニープラス スターで独占配信

コメディーでもシリアスでも「演技大賞」受賞 “硬軟自在”の実力派キム・ナムギルとは? 素顔はエネルギッシュ「熱量が違う」<熱血司祭2>

2024.11.08 07:10
「熱血司祭」シーズン2は、11月8日(金)よりディズニープラス スターで独占配信

11月8日(金)に配信スタートする「熱血司祭」シーズン2で、“すぐキレる血の気の多い司祭”キム・ヘイルを演じるキム・ナムギル。「SBS演技大賞」で大賞を獲得した2019年放送のシリーズ第1弾以来5年ぶりの続編となる同作で、コミカルかつエネルギッシュな変わり者ヘイルとしてカムバックする。一方で2022年には、実話をベースに犯罪者たちとのギリギリの攻防に挑むプロファイラ役を演じた作品でも「SBS演技大賞」大賞を受賞。コメディーでもシリアスでも高い評価を得る実力派俳優キム・ナムギルを深掘りする。

ブレイクのきっかけは「善徳女王」“魅力的な悪役”

聖職者といえば慈愛に満ちて穏やかなイメージが強いが、「熱血司祭」のヘイルは白目をむいてキレまくり大暴れする“キレる司祭”。その上、対テロ特殊要員のエリートだったという異色の経歴を持っていて、悪事を働く権力者に真正面からぶつかっていく。潜入捜査もお手の物で女装も披露し、大人数の敵もやっつけてしまうアクションシーンも痛快だ。

そんな“熱血キャラ”で人気を博したナムギルは、1980年3月13日生まれの44歳。1999年に、若手俳優の登竜門ともいわれるKBSの人気ドラマ「学校」シリーズでデビュー。2006年に主演映画「後悔なんてしない」で演じた同性愛者の役柄が注目を集めた。

ターニングポイントは、2009年のドラマ「善徳女王」。朝鮮半島初の女帝の誕生を描いた同作で、ナムギルはのちの善徳女王ことトンマンに特別な愛情を抱く青年・ピダムを熱演。ピダムは「カリスマ的でミステリアスな魅力を持つ“魅力的な悪役”」と絶賛され、“ピダム中毒”に陥るファンが続出し、ナムギルは一躍スターの仲間入りを果たした。

重厚な復讐(ふくしゅう)劇でシリアスな演技を見せた30代

「善徳女王」の翌年には、復讐サスペンス「赤と黒」(2010年)でドラマ初主演。ナムギルは、巨大財閥グループ・ホン家に人生をめちゃくちゃにされ、その復讐のためだけに生きる男シム・ゴヌクを演じた。ひげを蓄えた粗野な風貌で復讐に身を捧げるゴヌク。目的を果たすため一家の令嬢の恋心を利用するなど、悪い男の挑発的でセクシーな魅力で視聴者を魅了した。

その後、兵役期間を経てソン・イェジンとの共演作「サメ~愛の黙示録~」(2013年)で3年ぶりドラマ復帰。この作品でも、復讐を果たすため地獄の無敵の強者となってよみがえり、恋人にさえ刃を突きつける冷酷なキャラクター、ハン・イスを演じ、パク・チャンホン監督に「まなざしやかすかな表情の変化だけで複合的な内面感情を表現している」と絶賛された。

「熱血司祭」との出会い 初の「演技大賞」大賞受賞

復讐物に立て続けに出演し、シリアスな演技でファンを魅了してきたナムギル。何を考えているか分からないミステリアスな雰囲気が彼の持ち味…と思いきや、そんな彼が2019年に出会ったのが「熱血司祭」のキム・ヘイルというキャラクターだ。

国家情報院出身でカトリック教会の司祭ヘイルが悪事を働く権力者たちに立ち向かう痛快アクションコメディーで、聖職者が主人公でありながら決闘シーンが毎回のように登場。ナムギル演じる“すぐキレる司祭”を中心に、キム・ソンギュン扮(ふん)するヘタレ刑事デヨン、イ・ハニ演じる出世のためなら手段を選ばない女性検事キョンソンらひとくせある面々が協力し合いながら殺人事件の捜査に乗り出す。

シリアスなテーマを扱いながらも、憤怒調節障害のあるヘイルが刑事デヨンとコミカルな小競り合いを繰り広げた本作は、最高視聴率22%を記録するヒット。年末の「SBS演技大賞」でナムギル自身が大賞を獲得したほか、作品全体で8冠という快挙。「ソウルドラマアワード2019」でも最優秀作品賞(韓流ドラマ賞部門)を獲得するなど、社会現象級の盛り上がりとなった。

明るくエネルギッシュで感情をため込まない、そんなネアカなキャラクターで大いに笑わせてくれるヘイルだが、実はかつて、とっさの判断ミスで子どもの命を奪ってしまった過去を持つ。怒りを調節できない“憤怒調節障害”はその時のトラウマだ。心の奥底にそんな葛藤を忍ばせ、ふとした瞬間にちらりとのぞかせる…そんな奥行きあるキャラクターをナムギルが確かな演技力で作り上げている。

クライムサスペンスでも「演技大賞」大賞獲得

一方で、3年後の2022年には本格クライムサスペンス「悪の心を読む者たち」に主演。“韓国初のプロファイラー”ソン・ハヨン役で重厚な演技を見せ、シリアスな作品との抜群の相性もあらためて証明してみせた。

“サイコパス”という言葉もまだ知られていなかった1990年代を舞台に、韓国で実際に起きた残忍な連続殺人事件をモチーフに構成された同作で、動機のない“狂気の殺人”に向き合うハヨン。凶悪犯の心理を理解しようとすればするほど彼の心は悪に蝕まれ、自分を見失っていく…。ナムギル自身、この作品の撮影中「実在の被害者の家族にとってさらなる被害や傷にならないかが心配でした」と、常に悩みながら役に向き合ったことを放送後に打ち明けている。

コミカルなテイストの「熱血司祭」とは180度様相の異なる「悪の心を読む者たち」で重厚な演技を見せたナムギルは、この作品でも「SBS演技大賞」大賞を獲得。1年を通して最も魅力的な演技を見せた主演俳優として、韓国ドラマ界に再びその名を刻んだ。

活動名を本名に「自分自身に正直な演技を」

明るいキャラクターでも、心に闇を抱えたミステリアスなキャラクターでも視聴者を魅了する実力派俳優キム・ナムギル。彼は2008年に芸名のイ・ハンから本名のキム・ナムギルに活動名を変更している。

「自分自身に正直な演技をしたかった。(本名の)“ナムギル”と呼ばれれば、俳優としてもっと率直になれるのではないかと思った」と改名の理由を語っているナムギル。実際、「善徳女王」でブレークを果たしたのは活動名を本名に変えた翌年のことだ。

そして「30歳を超えれば、自分自身が望んでいる重厚さを持つことができると思った。早く30歳になりたかった」とも。年齢を重ね、より重厚感のある演技ができるようになる日を心待ちにしていたナムギル。強烈な復讐心を体現して注目を集めた初主演作「赤と黒」は、ちょうど彼が満年齢で30歳の時の作品だ。その後、30代のラストイヤーに「熱血司祭」ヘイル役に出会い、40代に入って「悪の心を読む者たち」でさらに重厚感ある演技を披露…と、願った通りの俳優人生を歩んでいる。年齢を重ねるごとに魅力が増す俳優だ。

「熱血司祭」シーズン2まで5年…“謝罪”動画を投稿

素顔は明るくてジョーク好き。今回、5年の時を経て「熱血司祭」シーズン2が実現したことについて、SBS公式YouTubeチャンネルで“謝罪動画”も投稿。「多くの方が『熱血司祭1』を愛してくださいましたが、私がしばらく悪の心も読まなければならなかったし、他のこともあって忙し過ぎ、気付けば5年という時間が流れていました」とちゃめっ気たっぷりに“謝罪”し、話題を呼んだ。

また、共演のイ・ハニらとゲスト出演したトーク番組では、ハニが「彼は他の人たちとは全体エネルギー総量が違うんです」と証言。ナムギル自身も「本当に、両親はまだ私のテンションに苦しんでいます」と応じて共演者たちを笑わせる一幕もあった。

20代から30代、40代へと年齢や経験を重ねる中で、より深みのある演技を模索しながら俳優として大きく成長してきたナムギル。視聴者に愛された“よくキレる司祭”ヘイルとして5年ぶりに登場する「熱血司祭」シーズン2でも、さらに大きく成長した姿を見せてくれそうだ。

「熱血司祭」シーズン2は11月8日(金)スタート。毎週金・土曜に1話ずつディズニープラスのスターで独占配信される(全12話)。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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