ドラマフィル「スメルズ ライク グリーン スピリット」製作発表会見に(左から)藤本洸大、荒木飛羽、曽野舜太、阿部顕嵐が登壇した

荒木飛羽&曽野舜太&藤本洸大&阿部顕嵐、泊まり込みでの撮影を懐古「僕たちのひと夏をぎゅっとして、精一杯作り上げた」<SLGS>

2024.09.12 20:00
ドラマフィル「スメルズ ライク グリーン スピリット」製作発表会見に(左から)藤本洸大、荒木飛羽、曽野舜太、阿部顕嵐が登壇した

9月19日(木)よりスタートする荒木飛羽主演のドラマフィル「スメルズ ライク グリーン スピリット」(毎週木曜深夜1:29-1:59ほか、MBSほか※FODにて見放題独占配信)の制作発表会見が、9月12日に都内にて行われ、荒木の他、曽野舜太、藤本洸大、阿部顕嵐、澤田育子監督が登壇。撮影秘話や見どころを語った。

平成の閉鎖的なド田舎を舞台にした、少年たちのひと夏の青春物語

2011~2012年に「コミックBe」(ふゅーじょんぷろだくと)で連載された永井三郎の同名漫画を、連載終了から10年以上の時を経て実写ドラマ化する同作。自分のアイデンティティーに目覚めた主人公と、彼を取り巻く少年らが織り成すひと夏の淡い青春物語で、田舎特有の閉鎖的な社会の中で、“自分に正直に生きられる世界”を探す少年たちの姿を描く。

“髪が長い”という理由で同級生からいじめられている主人公・三島フトシ役を荒木、“本当の自分”を隠して学校生活を送っている桐野マコト役を曽野、バスケ部でクラスのムードメーカー夢野太郎役を藤本、どこか訳ありな様子もうかがえる都会から転任してきた社会科教師・柳田役を阿部が演じる。

澤田育子監督が堂々宣言「完璧だなと思っています」

会見冒頭、阿部は「まだ暑さが残っている中で、この熱いドラマを皆さんに見ていただけるのはすごくうれしいなと思っています」とコメント。荒木も「夏休みが終わったばかりなので、夏の学生感を味わっていただけたらなと思っています」と呼び掛けた。

曽野は「ワクワクしています。早く皆さんに見てもらいたいという気持ちでいっぱいで。僕らも見させていただいたんですけど、もう本当にみんなにいち早く届けたい」とはやる気持ちを抑えきれない様子。

藤本は「僕は地上波のドラマが初めてなので、すごく緊張している部分もありつつ、皆さんにどう思っていただけるんだろうという不安もありつつ、でもワクワクもしつつという感じです」と話した。

澤田監督は「皆さんに見ていただいて初めて作品としては完成するのかなというふうに思っているんですけれども。でも正直なところ、先ほど6話までが完成しまして、私やプロデューサーやスタッフで一緒に見て、完璧だなと思っています」と手応えを明かした。

8月の猛暑の中、泊まり込みでのロケが行われた同作。撮影中の印象に残っている出来事について、荒木は「みんなが初めて会ったのが本読みのときで、みんなかしこまっているというかガチガチな感じで。でも、現場はすごく明るくてワイワイしているし、本読みのピリピリした空気じゃなくて良かったなって。川に入ったりとかして、楽しかったです」と振り返った。

曽野は、「ロケ地が山梨県で自然豊かなところでして、1回大雨で撮影がちょっと止まっちゃったときがあったんですよ。いつ晴れるんだろうなと思いながら昼ご飯を食べていて、 ちょっとずつ天気が良くなっていたんです。それで、窓からよく見てみたら、虹が僕らのロケ地の麓からわーってかかっていて、かつそれが二重だったんですよ!二重の虹って見たことあります!?ないですよね!?それぐらいレアな、超ハッピーな幸せな出来事がありまして、このドラマも大成功するんちゃうん?と思いました」と興奮気味に語る。

さらに、澤田監督が「そのダブルの虹のときは、慌ててカメラを回して本編で使ってます」と告白すると、「そうなんですか!?すごい!」と大喜び。荒木や阿部も「めちゃくちゃきれいだった」「みんなで写真撮った」と当時を思い返し盛り上がっていた。

また、阿部が「飛羽と一緒に、結構序盤の方に、プロデューサーさんと温泉に行きましたね」と話すと、荒木も「サウナやばかったですよね。足元から出る…」と楽し気。

阿部は「そう。椅子が熱くて座れなかったという思い出があります(笑)」と続き、「あと、撮影現場の近くの蕎麦屋さんがおいしくて、3日間連続で行ったという、すごくどうでもいい情報をここに置いておきます(笑)」と笑顔を見せた。

阿部顕嵐が絶賛「あのシーンがこの作品のキーになっている」

見どころについて、荒木は「三島と桐野の2人での屋上のシーンがすごく多かったんですけど、原作を読んでいても、三島がすごく幸せそうだったりとか、悩みだったりとか、いろいろな感情が出てくるのがすてきだなと思っていて。演じたときも、三島と桐野の屋上のシーンが一番自分的にも楽しくて、三島的にもいろいろな感情があったので、そこがすごく見どころなんじゃないかなと思います」とアピール。

曽野は「エネルギッシュな青年たちが、自分と大切な人を天秤にかけながら、狭いコミュニティーの田舎で必死に一生懸命もがいて生きていく様子。その強さだったり美しさというのが見どころなのかなと思います」と語った。

藤本は「僕は今回夢野くんを演じるにあたって、感情を全て表情に出そうというのを意識したので、セリフがないところとかフォーカスが当たっていないところでも面白い顔をしているので、ぜひ見ていただけたら」と呼び掛けた。

阿部は「さっき飛羽が言った、(三島と)桐野との屋上のシーンは2人とも笑顔がすてきで。柳田は三島と2人でのシーンが結構多いんですけど、そのシーンでは見られないような笑顔をしていたから、すごく魅力的だなって。あのシーンがこの作品のキーになっている」と荒木と曽野の演技を絶賛した。

「今回この作品で“子供に成長”できた」

同作への出演を経て新しく発見したこと・成長できたところを問われると、荒木は「やっぱり三島と桐野の屋上のシーンなんですけど、三島と桐野の間でしか生まれない感情がすごく多いと思っていて。そこの感情がこの現場で新しく発見できたことだなと思っていて、それは大事に今後も生かしていきたいなと思っています」と語る。

曽野も「普通じゃ感じられない喜びだったりね。あそこの屋上でしか、僕・桐野としても感情をさらけ出せないという。ありのままでいられる場所があの屋上だったので、それで喜びを分かち合えたのは特別だったよね」と同調。荒木は「三島と桐野だけの特別ですよね」とかみ締めた。

続けて曽野は、「桐野は、内面は女の子の心で、男の子に好意を持つ男の子なんですけど、僕自身男の子に対してラブな気持ちを持ったことがあるのかなと、役を作るときに考えていたんです。僕はM!LKというグループで活動しているんですけど、メンバーが大好きで。その“好き”って本当にラブに近いもので、こういう気持ちを延長線上に持っていったときに、桐野が男の子が好きという気持ちと被ってくるのかなとか思ったりして。改めて愛について考えることができました」と真っすぐに語る。

さらに、藤本も「僕の身近な人にもトランスジェンダーの方がいたりとかで、そういう性的指向とかジェンダーの問題について、どう捉えたらいいのかなというのをずっと考えていたときがあって。この作品と出会ってから、本当にそんなことは考えなくていいというか、認めるとか認めないとかの問題じゃなくて、皆さんが日々感じている悩みと同じで、何の特別感もない、普通の1つの悩みというか個性であって、特別に何かをしてあげることはしなくていいのかなと、最後に腑に落ちました」と真剣な表情で語った。

阿部は「普通に生きていたら大人になっちゃうと思うんですけど、今回この作品で“子供に成長”できたなと思いました。やっぱり視野が狭まっちゃうので、みんなと一緒にいたらさらに広げてくれるなって」と若い世代との交流で新たな気付きがあった様子。

「僕たちのひと夏をぎゅっとして、精一杯作り上げた作品」

最後に、監督は「それぞれいろいろな愛情があるということに思いを巡らす、それだけでもいいかなというふうに私は思っているんですけれども。インティマシーの方にも入っていただき、原作をリスペクトしながらみんなで大事に作ってきた作品ですので、ぜひお楽しみいただけたらなと思います」とコメント。

阿部は「誰もが持っている人間愛というものがこの作品のテーマの1つでもあると思うので、そこに注目していただきたいというのと、見た後にまた自分で考え直していただけたらうれしいなと思います。あとは、1人1人の心の変化に注目してこの作品を見ていただけたら楽しんでもらえるんじゃないかなと思うので、ぜひ気軽に見ていただけるとうれしいです」と語る。

藤本は「9月から放送ということで、夏休みにこういうことがあったんだなというのを想像しながら見ていただけたらうれしいのと、あとは本当にどこを切り取っても青春を感じる作品だと思うので、真正面から青春を浴びてください」とアピールした。

曽野は「この作品は、この夏に僕らが全力でぶつかって汗水流しながら作り上げた作品ですので、ぜひ楽しみに待っていただけたらなと思います」と意気込み、荒木が「本当に僕たちのひと夏をぎゅっとして、精一杯作り上げた作品なので、いろいろな思いがこもっていると思うので、いろいろな方の心のよりどころになればなと思っています。ぜひご覧ください」と呼び掛け、会見は終了した。

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