弥生(有村架純)が水季(古川琴音)からの手紙を読み、ひとつの決断をする

目黒蓮“夏”との決断で、有村架純“弥生”が紡いだ過去の言葉が巡る脚本の妙<海のはじまり>

2024.09.03 11:40
弥生(有村架純)が水季(古川琴音)からの手紙を読み、ひとつの決断をする

Snow Man・目黒蓮が主演を務める月9ドラマ「海のはじまり」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第9話が9月2日に放送された。3年という時間を恋人として過ごした夏(目黒)と弥生(有村架純)。2人の決断が描かれ、タイトルが世界トレンド1位になる反響を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます)

2022年のドラマ「silent」チームが再集結して描く親子の物語

同ドラマは、目黒が出演し、社会現象とも呼ばれた2022年10月期のドラマ「silent」(フジテレビ系)の脚本・生方美久氏、風間太樹監督、村瀬健プロデューサーが集結して制作。“親子の愛”をテーマに、今の時代だからこそ伝えたい人と人との間に生まれる愛と、家族の物語を描く完全オリジナル作品だ。

印刷会社に勤務し、大学のときに別れた恋人の死をきっかけに自分の娘の存在を知る主人公・月岡夏を目黒、夏と付き合って3年になる化粧品メーカー勤務の百瀬弥生を有村架純、夏の娘・海を泉谷星奈、夏の大学時代の恋人で病のために亡くなった南雲水季を古川琴音、水季が働いていた図書館の同僚・津野晴明を池松壮亮、水季の母・朱音を大竹しのぶが演じる。

弥生と水季の見事な伏線回収

8月26日に放送された特別編「恋のおしまい」のラストは、付き合う寸前の夏と弥生の電話のやりとりだった。そして第9話は、2人の出会いから始まり、3年の月日を経て思いがけない海の登場があっての決断がじっくりと描かれた。

弥生にその決断をさせたのは、水季からの「夏くんの恋人へ」という宛名の手紙だった。なぜ海を生む決意をしたのかについて「珍しく他人の言葉に影響され、自分が幸せだと思える道を選ぶことにしました」と書いた水季。

その言葉とは第6話で描かれていた、偶然にも同じ病院で人工妊娠中絶をした弥生が書きとめたものだ。水季はその言葉を、まさか弥生自身に送ることになるとは思わなかっただろうし、弥生も自分の元に帰ってくるとは思わなかっただろう。でも、本当の運命ともいえる出合いだった。ドラマ的には、見事な伏線回収だ。

「他人に優しくなり過ぎず、物わかりのいい人間を演じず、ちょっとズルをしてでも自分で決めてください。どちらを選択しても、それはあなたの幸せのためです。海と夏くんの幸せと同じくらい、あなたの幸せを願っています」。

「海と夏くんの幸せと同じくらい」を追加して、水季が思いを込めて願った弥生の幸せ。弥生の決断は、夏との別れだった。

夏と弥生の別れ、「ドラマ史に残る」名シーン

夏にその決断を伝えた弥生。夏と海といることは、最初は居心地が良かったというが、次第に水季の存在を感じるようになって、つらくなっていった。第3話にあった「外野」と感じる疎外感が生まれたのだ。

約4分に及んだ弥生の涙ながらの告白。最後の「やっぱり私は月岡くんと2人でいたかった」という本音が胸に迫った。

「海ちゃんのお母さんにはならない」という弥生の選択に対し、「3人が無理なら、どちらか選ばなきゃいけないなら…海ちゃんを選ぶ」という夏の選択は少し残酷にも思えた。ただ、弥生はその言葉を聞いて、「良かった」と力なくだがほほ笑んだ。共に自分の幸せを選んだのだ。

別れを切り出されても“今日”のうちはまだ恋人。夏は弥生と手をつなぎ、駅までの道を歩いた。久しぶりの海と水季のことが出てこない、2人だけの何でもない会話。駅についても別れがたい時は“今日”が終わっても続いた。「終電があるうちは“今日”だよね」との弥生の言葉が切なかった。

容赦なく訪れる別れのとき。夏は駅のホームで、弥生は電車の中で、号泣した。そのバックで流れたback numberの主題歌「新しい恋人達に」の「誰の人生だ」と繰り返される歌詞が響いた。

「もらい泣きした」「号泣」「涙が止まらない」と視聴者の声が相次いだ夏と弥生の別れ。「この1話を切り取ってもドラマ史に残る1話だったと思いました」「ドラマ史に深く深く刻まれたな」という投稿もあり、タイトルが世界トレンド1位に、そして共感やエールの言葉がつづられて「弥生さん」もTOP5圏内にランクインする大反響となった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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