ドラマ特区「愛人転生 ―サレ妻は死んだ後に復讐する―」インタビューより、主演の香音

香音&千賀健永、“おまうる”に端を発する誇張演技が加速しゲシュタルト崩壊「なんかもう今どこか分からない(笑)」<愛人転生>

2024.09.02 18:00
ドラマ特区「愛人転生 ―サレ妻は死んだ後に復讐する―」インタビューより、主演の香音

香音と千賀健永(Kis-My-Ft2)がW主演を務めるドラマ特区「愛人転生 ―サレ妻は死んだ後に復讐する―」(毎週木曜深夜0:59-1:29ほか、MBSほか)が、9月5日(木)よりスタートする。同ドラマは、原作・池田聖子、漫画・久嘉めいらによる同名漫画を基に、夫と義両親に虐げられていた“サレ妻”が愛人に転生し、愛人の体で夫を着実に破滅へと導いていく、爽快な復讐劇。

このたびWEBザテレビジョンでは、“ゲス夫”の真山悠太を演じる千賀と、悠太の愛人・三井瑠奈と転生後の真山千里の2つの人格を演じ分ける香音にインタビューを実施。それぞれの役柄についてや互いの魅力、転生するとしたら何になりたいかなどを聞いた。

千賀健永、“おまうる”きっかけのオファーに「役づくりは特にしていない」

――まずは、それぞれの役柄についてお聞かせください。

香音:私は三井瑠奈という女の子を演じさせていただいています。悠太の愛人として、いわゆるギャラ飲みで生計を立てているような女の子なのですが、それよりも千里の中身をメインで演じることが多いので、復讐心や、自分(千里)と瑠奈を比べて沸き起こる感情などを意識しながら演じています。

千賀:悠太は「マヤマフーズ」という企業の御曹司で、裕福な家庭で育ったというのもあって欠けている部分が多く、早くに結婚して愛人もいながら、たくさんの人を傷つけて生きているキャラクターです。

――演じる上での難しさや、役づくりについてお聞かせください。

千賀:役づくりは特にしていないんです。というのも、僕の“おまうる”(「キスマイ超BUSAIKU!?」[2017-2023年、フジテレビ系]の企画内で、千賀が騒ぐ子供を諭すときに発言した「お前さ、うるさいんだよ」というセリフの略称)を見てオファーしてくださったので、あれで行けばいいのかなと思って、あれ1本で現場に行ったんです。結果、それでは駄目なんだと分かって、そこからはかなり大変な毎日を過ごしています(笑)。

現場に入る前には、世界観が近い韓国ドラマ「ペントハウス」を見ました。「愛人転生―」は、日本のドラマにあまりないような壮大な展開があって、そういった突然変わる展開を受け入れなくてはいけない部分もあったりするので、韓国ドラマを見て、表情の作り方とかを少し参考にさせてもらいました。

香音:私は、元々この原作漫画を読んでいたので、原作を参考に、瑠奈の中に入った千里の変化は、今も漫画をチェックして見比べながら演じています。悠太の前での千里はすごく弱い立場だったのですが、転生してからは爆発した状態で瑠奈に憑依しているので、どれくらいブチギレられるか、頑張らなきゃなと思っています。

――転生前の真山千里役を小島藤子さんが演じています。小島さんの演じる千里像もあると思いますが、その辺りはどのように意識していますか?

香音:藤子さんがいらっしゃる日に一緒にシーンを撮ることが多いので、最初に藤子さんのお芝居を見て、「あ、千里ってこの心情なんだ」と理解することもあって。放送には流れないけれど、演技としては一緒に一連でやっていることも多いので、その分すごくやりやすいです。

藤子さんと一緒に「このときってさ、悠太を恨んではいるけど一応好きじゃん?」「元々愛はあったわけじゃん?」など、いろいろと話しながら、入れ替わる瞬間や、まだ千里に成りたてほやほやの瑠奈としてのお芝居は、藤子さんに教えてもらうことが多いのですごくありがたいです。

役に共感する部分も…「私もするなら、そういう復讐をするタイプ(笑)」

――それぞれのキャラクターに共感できることや、ご自身との共通点があればお聞かせください。

千賀:大体共感できますけどね、僕は。サイコパスとかって思考が分からないから共感できないと思うんですけど、悠太のことを“最低”と思う時点で、少しはその心理を分かっているんだと思います。

世の中には、やっては駄目なこととか、ルールや常識、法律とかがあるじゃないですか。そういうものを取っ払っているのが悠太なんですよ。みんなルールを守って生きているけど、欲に忠実に生きたら悠太みたいになり得るから、どこか共感できるところがあるのだと思います。

香音:瑠奈や千里の生き方には、私としてはあまり共感する部分はないのですが、悠太に対する復讐とか“やり返し精神”には、私にも共感できるものがあるなと思いました。この物語の復讐の仕方は、思い付きで突発的にするような簡単なものじゃなくて、憎しみのこもったものじゃないですか。

内側から湧き出たものをちゃんと計画を練って実行しているので、それが逆に淡々としていて、復讐の仕方としてすごく綺麗だなと思っていて。私もするなら、そういう復讐をするタイプだろうなと思います(笑)。

千賀健永の渾身の“おまうる”に監督が一言

――監督やプロデューサーからの要望で印象に残っていることがあれば教えてください。

千賀:撮影2日目に、それこそ「お前さ、うるさいんだよ」というセリフがあったんですよ。これは僕のオリジナルでいくのか、ドラマ仕様でいくのかが分からなくて、監督に「これ、僕の感じでいきますか?」と聞いたら、みんながいる状態で「1回やってください」と言われて。

なので、白目を剥いて一連の流れを全部やって。そしたら、監督が一言、「別のパターンで行きましょう」って(笑)。すごく恥ずかしい思いをしました(笑)。

香音:(笑)。でも、どのバージョンが使われているのか楽しみですよね!

千賀:そう(笑)。なので、監督の意見を混ぜたいい感じの新しいバージョンが生まれています。

香音:私は、今は瑠奈の中に憑依したての千里を演じることが多くて、まだちょっと覚醒し切れていない状態を演じているのですが、正直難しい部分が多いです。

気持ち的にはおどおどしているけどすごく自信満々な見た目でいるとか、見た目と気持ちが真逆なことが多くて、それに戸惑っている千里の中身を、一瞬のお芝居で見せなくてはいけないので、監督と一緒に試行錯誤しながらやっています。

――千賀さんは、どこまで狂気性を出すか、リアルとのバランスが難しそうですね。

千賀:リアリティーで言うと、大げさな芝居をし過ぎてゲシュタルト崩壊が起こっています。激しくしたらそっちのゲシュタルト崩壊が起こって、やりすぎたと思って弱くしたら、弱くした方のゲシュタルト崩壊が起こって、結局、なんかもう今どこか分からないです(笑)。

香音:おかしいんです、動きが(笑)。見てもらったら分かると思うんですけど、監督も分からなくなっちゃって、みんなで「もっといってみようか、もっといってみようか」とやりすぎて、通常に戻れなくなっています。

千賀:“あれ、これって結局どういう感じだったっけ?”みたいな。だから、たまにふと我に返ったときにすごく恥ずかしい気持ちになるんですよ。香音ちゃんは俺の誇張した演技を受けている側じゃないですか。だから、やっているときはいいけど、ふと正気に戻ったときに“これ、よく耐えられてるな”って思っちゃって(笑)。

香音:私ももう崩壊しているので分からないんですよ、そのやばさが。素で見るともしかしたらやばいかもしれないですね。みんな崩壊しています(笑)。

――ところで、香音さんは“おまうる”をご存知だったのでしょうか?

香音:はい。それこそ「キスブサ(キスマイ超BUSAIKU!?)」に出演させていただいたことがあって、“おまうる”回を期待してすごく楽しみにしていたのですが、全然関係のない回で結構ショックだったのを覚えています(笑)。でも、本物の千賀さんが“おまうる”を目の前で見せてくれたので大満足です。

「キスブサ」のショートドラマの演技って、リアルに皆さんが考えたものじゃないですか。だから、千賀さんのリアルってこうなんだとは思っていたのですが、“おまうる”を見たらもうピッタリだなと思いました(笑)。

――撮影が始まって1週間ほど(※取材時点)とのことですが、既にチームワークも抜群ですね。

千賀:友達みたいな感じだよね。

香音:そうですね。キャストみんなで頑張ってますよね、一緒に。

千賀:うん、頑張ってる(笑)。結構パンパンに撮影のスケジュールが組まれているのと、順撮りじゃないから気持ちのつながりみたいなものが大変だったりもするけど、監督さんとも話し合いながら、ここでのコミュニケーションも取りながら、頑張っています。

香音、千賀健永の怪演を絶賛「どれだけバリエーションがあるのだろう」

――互いに俳優として尊敬する部分や魅力に感じている部分を教えてください。

香音:悠太は普通には存在しないようなクズ男なのですが、普段すごく優しい千賀さんが、おかしくなったんじゃないかというぐらい狂気的な演技をされていて。

一番最初のテストでもマックスレベルにひどい夫なのに、監督に「もっと」と言われれば、その倍以上で返しているところに、どれだけバリエーションがあるのだろうとびっくりしました。監督の要望に全部応えていて、私には思い付かない引き出しがいっぱい出てくるのですごいなと思います。

千賀:香音ちゃんはお芝居の経験が豊富だから、すごくナチュラルに瑠奈を演じているし、すごくやりやすいです。演技の先輩として僕も勉強させてもらっています。

――撮影現場での印象的なエピソードがあればお聞かせください。

香音:千賀さんがおやつをずっと食べています。いつもおいしそうなものを食べていて、現場のスタッフさんや私たちにも「これおいしいよ」と言って、見たことのないお菓子をいっぱいくれる(笑)。

千賀:香音ちゃんが見たことないだけだよ(笑)。湧き出てきますね、ポケットから。それこそ取材現場に置いてあるおいしいお菓子をピックアップして目星を付けて、それを買って行って、みんなに「どうぞどうぞ」「このグミおいしいよ」と配っています。

――もしお二人が転生するとしたら、来世は何に転生したいですか?

千賀:人間で、性別も男がいいです。前回はマサイ族という話をしたんですけど、今回はイギリスの王子。パレードとかが楽しそうです。

香音:それいいな、私もプリンセスがいい!「プリティ・プリンセス」という映画があるので、そのプリンセスになりたい。…なんか小学生みたいなこと言ってません?もっとまともな転生にしましょうよ。

千賀:いやいや違う、俺はまともなのよ(笑)。あと、俺がまだ喋ってるのに横入りするのやめてもらえる(笑)?(仕切り直して)イギリスの王子ですね。日本は正装が和装だけど、イギリスの王子は蝶ネクタイとかしてちょっとおしゃれな感じで、あれがすごくすてきです。あと、サッカー観戦とかもしたいですね。

香音:決まりました、宇宙飛行士にします。昨日、宇宙食を食べたんですよ。めちゃめちゃおいしくて、宇宙でもやっていけそうだなと思ったので(笑)。あと、高いところが好きなんです。宇宙だったら一番高いかなって。

千賀:宇宙食って何を食べたの?

香音:乾燥いちご。

千賀:乾燥いちごって普通にあるよね?

香音:ないの!

千賀:あるの(笑)!でも、宇宙でも食べるんだね、乾燥いちご。

――最後に、見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。

千賀:転生と不倫が一緒になったドラマは過去にもないし、その中でさらに復讐をしていくというのもなかなかないと思います。僕が優位になっていくときもあるし、瑠奈(千里)が優位になって復讐できるときもあるし、そういった攻防がある中、最終的にどういう結末を迎えるのかというところを楽しみにしていただけたらいいなと思います。

香音:本当に今までにない物語だと思います。普通、復讐って水面下で本人にバレないようにやることだと思うのですが、「愛人転生―」は、面と向かって当事者たちが復讐していくので、いつ地雷を踏むか分からない、いつ爆発するか分からないという状況をハラハラしながら見ていただけるかなと思います。

でも、復讐だけの重い話ではなくて、くすっと笑える部分があったり、キュンとするシーンもあって、本当にいろいろな内容がすごくぎゅっと盛り込まれていると思うので、あらゆる世代の方々に楽しんでいただけると思います。

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