最高月収180万円も週刊誌報道でCM打ち切り…5年続いた「月収4万円生活」 テレビから消えた一発屋ジョイマン、現在の月収を初告白

最高月収180万円も週刊誌報道でCM打ち切り…5年続いた「月収4万円生活」 テレビから消えた一発屋ジョイマン、現在の月収を初告白

2024.06.29 11:30
提供:ABEMA TIMES

 耳に残るリズムと独特な言葉遊びがクセになる“脱力系ラップ”のネタで大ブレイクした、お笑いコンビ・ジョイマン。2007年、結成4年目で「ショートネタ」ブームに乗り、テレビ番組に引っ張りだことなった彼らだが、ブレイクの賞味期限はわずか1年。出演した番組で爪痕を残せず、すぐに「一発屋芸人」のレッテルを貼られた。そのまま再浮上することなく、テレビで見る機会が減ったジョイマン。そんな彼らが芸を披露する場所としてたどり着いたのが「営業」だった。

【映像】ジョイマンの現在の月収

 2023年には、なんと112本の営業に出演。およそ6000人の芸人が所属する吉本興業の中でトップを誇っている。

 ABEMAエンタメでは、再ブレイクしたジョイマンの営業に密着。営業と向き合う彼らの姿、再起のきっかけとなった「逆境」について、さらに、現在の収入をメディア初告白。かつて「一発屋」と呼ばれた芸人が返り咲いた逆転人生に迫る。

最高月収180万円も週刊誌報道でCMも打ち切り…5年続いた「月収4万円生活」

 中学校の同級生だった2人は、2004年にコンビ結成。2007年末に出演した「ぐるぐるナインティナイン おもしろ荘」を皮切りに、『エンタの神様』や『爆笑レッドカーペット』などのネタ番組で大ブレイクした。

池谷「地方行って帰ってきて夜ネタ番組の収録行ってたりとか、そのまま夜中はエンタの神様のネタ作りでね」

高木「朝までみたいな」

池谷「会議室にずっといるみたいな。で、次にまた営業行くみたいな繰り返しが1年ぐらい続いていましたね。全然1年間休みなかったですね。忙しかったんですけど、楽しくはあったんです。なんかやりながら充実もあったし」

――ブレイク時はどれくらい稼いでましたか?

高木「最高月収180万」

 しかし、そのブレイクは長くは続かなかった。

池谷「2008年の顔はジョイマンみたいな雰囲気だったんですけど、2009年から1発屋ジョイマンってなってきて、どんどん仕事が減っていく様を2人で耐えながら。ネタ番組いっても『新ネタありませんか?』に切り替わる。でも作れるわけない。その一回一回の仕事でいっぱいいっぱいなんで。僕らがやるネタの熱量も多分下がってたと思うんですよね。もう1つ1つのバラエティ番組で、必ずオープニングにネタやるんですよ。ちょっと出演者の名前入れてくださいとか、もうそれだけで結構作業っていっぱいいっぱいなんで、オープニングネタやってワーって盛り上がって、収録何もしゃべらず終わるみたいな。それはまあ仕事減りますよね。そこまで考えてないですから」

高木「トークできないっていうのもありますし」

 さらに追い打ちをかけたのが、高木の週刊誌報道。2009年に、女性とホテルに出入りしているところを報じられると、予定していたCMの仕事が打ち切りに。人気も急激に落下したという。

池谷「高木は一時期ちょっとドッキリも入っていたんですよ、ロンハーとかで。だからそこで何かうまいこと行くんかなとは思っていたんですけど」

高木「女性系で、なんかいろいろ暴露みたいで、すごい遊んでるみたいな感じに一時期なったんですよね」

池谷「なったね。それで週刊誌に載ったしな」

高木「やっぱり元々キモ可愛いだったのが、本当にキモキモいになって」

池谷「キモの二乗ね」

高木「嫌われる感じになりましたね」

池谷「その時主戦場が無限大ホールなので、女子高生とか若い子多いので、そのキモキモが出てきたら、本当に悲鳴しか上がらないんですよ。それで僕らは傷ついてトラウマになって、もうラップネタやめようかみたいな状態の中で出ているので、テレビにもメンタルをやられています。2012年は地方営業に行くだけっていう。ルミネも月に一回あればいいぐらいみたいな。それが仕事のベースになってきました」

 やがて、テレビの出演は、ほぼ0に。ブレイクから一転、月収4万円という生活が5年ほど続いたという。

池谷「一緒に芸人をやろうって決めた時に、30歳までやろうって決めてたんですよ。30で食えないか、この先見えなかったら辞めようってなったのが、2013年だったんですけど。で、結婚して子供できるから自分から言って先がないと思ってたんで、お金もないし解散しようって言ったら、お金で解散するのは違うと。なんかお笑いとして限界とか、ネタがつまんないとかわかるけど、お金じゃないよみたいなこと言って。あ、こいつはこんなこと言うんだみたいな。結婚して子どもいるやつが、これ言っちゃっていいんだって思って。僕はここから辞めようと言うのを(やめた)。そこでなんとか乗り越えましたね。あの時、一言言ったら解散してましたよ。普通にいいよって言ったら、はいって」

高木「本当にお金で辞めるのは悔いが残るので、いつか何かきっかけが生まれるかもしれないし」

「いじってもいいんだみたいな空気になった」再ブレイのきっかけとなった「サイン会0人事件」

 苦しい生活の中でも、解散という道を選ばなかったジョイマンに転機が訪れる。

 2014年8月、東京・町田のショッピングモールでサイン会を開催するも、来場した客は0人。その哀愁漂う様子をSNSに投稿し、大きな話題を呼んだ。

池谷「2014年8月3日の、あの日のサイン会0人があって、高木がそれをXであげてくれて。世間がジョイマンを思い出して、テレビもジョイマンを思い出すみたいな状態が入って、そこから何か呼んでみようかみたいなのがありましたね」

高木「こんな状況なんだジョイマン…いじってもいいんだみたいな空気になったんですよね。それまでちょっと痛々しい感じがあったと思うんで、そこからいじられるみたいな感じになってきましたね」

 「サイン会0人」という逆境をきっかけに、世間から再認知されると、徐々に営業の仕事が増え始め、2022年には吉本興業の営業出演本数1位に。翌年も112本の営業をこなし、2年連続で首位に輝いた。

池谷「2012年ぐらいからあった少ない営業の中で、イオンとか行った時に、出番が“人気者”の前だったりするんですよ。その当時売れていた人気の若手の前に、僕らが出ていって、頑張って笑いとって。人気者よりは絶対笑い取ろうと思ったんです。最初のジョイマンが面白いって思わせようというのはやってたので。そこらへんから『営業で勝とう』って思っていた。テレビで負けても、営業では勝てればいいんだって。」

高木「でもみんなでナナナナ~をやるとか、そういう営業って本当に触れ合いが大事なんで、笑かすというより盛り上げる方が大事みたいなのもありますし、それがなんかすごく好評だったんです。老若男女できるネタみたいな」

再ブレイク後は月収100万円で安定 「僕らの戦場は営業」

 6月8日、ジョイマンは新潟県の新潟市北区文化会館にいた。

高木「今日は『ばかうけ』の会社・栗山米菓の社員さん向けの講演。ジョイマン1組で45分。ネタはちょっと1分半しか自信がないので、あと43分半ぐらいどうするかというところを今話し合いながら決めているという感じですね」

 全国各地を飛び回り、月のスケジュールの半分ほどが営業で埋まっているジョイマンには、会場を盛り上げるテクニックがあるという。

高木「『すみません、僕らみたいなもんが』って下から入るという」

池谷「お客さんが見やすくなるっていう感じがあるのかもですけども、こういうイベントは特に、全員がお笑い見たい人ではないじゃないですか。そういう人にもちゃんと下から入って、礼儀正しいんだなっていう好感を持ってもらいたいので。まあ、なんか面白そうなお客さんがいたら、その人を捕まえて一緒にやるとか、プレゼント芸っていうのがあるんですけど。高木の胸毛をあげるんですけど、意外とこれも好評なんですよね。あと、今回は色紙を用意してもらってたんで、それを書いて…」

高木「15〜20枚ぐらいあったんで、全部ラップ添えているんですけども、全部違うラップを添えて。ジャンケン大会をやって渡すという時もあるんですけど、どのラップがいいか選んでもらったり」

 実際、この日の営業でも、ネタ見せから客いじり、じゃんけん大会からのプレゼントなど、テクニックを駆使して会場を盛り上げた。

 ジョイマンを呼んだ担当者にステージの感想を聞くと「想像以上に良かった。うちの社員って結構真面目なところがあって、面白かったり楽しかったりしても感情を表に出さないというか、体を動かさないんですけど、今日は最初からずっとジョイマンさんのネタに引っ張られて、みんなすごい笑ってましたし、ジョイササイズもみんなやってましたから。この人たちがそこをやるんだというぐらい衝撃的で。やっぱりジョイマンさんの力だなということをすごく感じました。本当にありがたかったです」と感激していた。

 この日の営業も成功に収めたジョイマン。再ブレイク以降、気になる現在の月収を初告白した。

池谷「昔よりは最高月収が上がったっていうのを超えたと言いましたけど。そうですね、どのくらい?」

高木「でも平均(月収)100万円ぐらいはいただいています。ありがたいですね」

池谷「平均は上がっています。ブレイク時の時に最高月収180万って言いましたけど、そこから別に100が続いているわけじゃないので、本当に70とか60とかの給料だったので、今の方が本当に貰えているっていう感じですかね。100が続いているのも怖いですけどね。いつこれがなくなるんだろうっていう不安があるので」

 浮き沈みがありながら、芸人を続けて20年以上。ジョイマンにとって逆転のきっかけとなった「営業」とは?

池谷「僕らの戦場はそこです」

高木「どっちかっていうと、営業をずっとやっていきたいなって思います」

池谷「2人でどうにかする空間を楽しむ。テレビだと企画の中でこうしてくださいみたいなのがあるじゃないですか。それが営業にはないので。15分好きにやってくださいっていう、僕らがどうするか。なので、自分たちに向いてるのかなと最近は思います」

(『ABEMA NEWS』より)

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