年間700杯ラーメンを食べる男、ラーメン官僚に聞く麺人生「自分を変えたのは環七ラーメンブーム」
格差・貧困問題に取り組み、メディアで積極的に発言をしている作家・雨宮処凛が、バンドやアイドルなどを愛でたり応援したりする“推し活”について深堀りするコラムシリーズ第7回。今回のテーマは、ラーメン界にも推し活があるのか? そこで、年間700杯ラーメンを食べ続ける、日本全国のラーメン店の発掘と紹介をライフワークにしている、かずあっきぃ(通称、ラーメン官僚)氏に登場してもらい、あまりに奥深いラーメンの世界について語ってもらった。(前中後編の前編)文・雨宮処凛
あなたは知っているだろうか? 96年、ラーメン界で「明治維新のようなこと」が起きていたということを。
「この年は青葉、くじら軒、武蔵がオープンした年です。95年以前と96年以降は、地球上でいう恐竜時代とそれ以降くらいの違いがあります」
目の前でそう力説するのは、「ラーメン官僚」として有名な、かずあっきぃ氏。
年間700杯ラーメンを食べ続け、現在は通算2万500杯に達した人である。ラーメン以外はほぼ食べない生活を始めたのは2007年。Xのアカウントには、「ライフワークは日本全国のラーメン店の発掘と紹介」の文字が踊る。
ということで、これまでアイドルやプロレス、V系など人を「推す」ことについて取り上げてきたこの連載で今回取り上げるのは、ラーメン。
この世界も奥深いものがある。
なんとなく、私が30年以上にわたって推し続けているヴィジュアル系の世界とも近い匂いを感じる。共通するのは、ファンが濃い、独自のしきたり・呪文のようなコールがある、部外者には謎のルールがあり、それを破ると古参の怒りを買う、等々。このようなことにより、新規参入のハードルが高いところも似ているではないか。
ちなみに北海道生まれの私は味噌ラーメンが大好き。「東京で食べられる美味しい味噌ラーメン教えてもらお☆」くらいの軽い気持ちで始まった取材は、「絶対に辿り着けないゴールに向かって走り続けるアスリート」による鋭い分析と予言に満ちたような内容となった。
現在51歳のラーメン官僚が「ラーメンデビュー」したのは87年、中学2年生の頃。以降、高校生、予備校生とちょくちょく食べていたが、「この頃はただのラーメン好きですね」と振り返る。
そんなラーメン官僚の人生を変えたのは「環七ラーメンブーム」だった。「なんでんかんでん」や「土佐っ子」が有名で、環七に渋滞が起きるほど流行った時代。大学生となり、上京したラーメン官僚は年に100回ほど行っていたというからなかなかのものだ。
環七ラーメンだけでは飽き足らず、雑誌のラーメン特集に載っていた店を制覇する「食べ歩き」を始めるようになるまでに時間はかからなかった。そうして2000年代はじめ、ラーメン界に文明開化が起きる。インターネットの登場だ。「達人」たちが全国のラーメンを食べ歩き、星をつけていく「超ラーメンナビ」というサイトをガラケーで見つつ、ラーメン官僚は全国のラーメン店を巡るようになったという。
「2007年から、日常食がほぼラーメンになりました」
この頃から年700杯を食べる生活になり、今年で17年。今も週に14杯というノルマを決めて食べている。そうすると月60杯、それを一年間続けると720杯。なぜこの数字なのか。
「ラーメン店って、東京だけでも1ヶ月で60店舗くらいできるんです。だから年700のペースで食べていてもギリギリなんです」
この言葉からもわかるように、ラーメン官僚は全国の美味しいラーメン店を制覇したいという野望の持ち主。自身を「コレクター」と自称する。
「ラーメン推しの人って、コレクターとリピーターの2タイプいるんです。私は全国で食べたことない味、行ったことのない店をとにかく減らしたい。要はカードゲームでカード集めをしていく感覚です」
平日は仕事なので、地方には土日や夏休みなどを利用して「遠征」する。が、ラーメン店はどんどんできていくから「旅」は終わらない。ネバーエンディングラーメンストーリーだ。
対して、「リピーター」とは?
「一店舗の場合もありますけど、大抵は五店舗ぐらいのお気に入りの店に毎日通うタイプです。新たな人種として、直系の(ラーメン)二郎しか食べない人もいます」
二郎についてはのちに詳しく聞くが、ラーメン好きはカップラーメンやインスタントラーメン好きなどとはまた別なのだろうか?
「あれはまた別の種目です。食べ終わった袋やカップをコレクションする人もいますし、お取り寄せラーメンや冷凍ラーメンが好きな人もいて、それぞれまったく別。鉄道でも撮り鉄や乗り鉄があるようなものです」
そんなラーメン官僚、毎日ラーメンを食べているわけだが健康状態はというと。
「まったく問題ないです。健康診断の数値も大丈夫です。もたれるようなラーメンを食べたくない時は、あっさりした淡麗系にするとかしています。ラーメン以外のものを食べたいと思うのは、病気の時です(笑)。めっちゃ弱ると、うどんが食べたくなります」
どこまで行っても麺類なのだ。
関連記事
-
SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業ENTAME next
-
美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】ENTAME next
-
10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」ENTAME next
-
中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」ENTAME next
-
桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開ENTAME next
-
似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」ENTAME next
「ニュース」カテゴリーの最新記事
-
2児の母・加藤ローサ、子へ受け継ぐ“スマホのない時代”「色んなことに思いを馳せるのよ」ENTAME next
-
篠原冴美、マイクロビキニで圧巻のむちむち美スタイル披露!!WWS channel
-
リリー・フランキー、斎藤工『ペンション・恋は桃色season3』の魅力を伝える! <FOD SHOWCASE 2024>WWS channel
-
FANTASTICS・八木勇征インタビュー命と向き合い続けた4日間で新境地…「最期の授業」UniReelで配信スタート!WWS channel
-
岡田将生“歩”も声を荒げて叱責 森田望智“柚子”が天才外科医の秘密を盗撮&動画投稿で大炎上<ザ・トラベルナース>WEBザテレビジョン
-
福田浩之P、『オクトー Season2』は「身近に感じてもらえるドラマ」を意識 新たに加わったキャストについても言及WEBザテレビジョン
-
「FF」と「Wiz」への愛情を感じる… 8bitレトロな雰囲気のダンジョンRPG『Crescent Tower』の魅力を紹介Sirabee
-
<無能の鷹 最終回>TALON営業部、突然の閉鎖が決定…菜々緒“鷹野”にはヘッドハンティング話が浮上「私のヘッドを…何とかって」WEBザテレビジョン
-
麒麟・川島が笑いのセンスに惚れ込んだ意外な人物 「一番おもろい」「Mー1いける」Sirabee