中山秀征 撮影/西邑泰和

中山秀征 56歳、僕を救ってくれた上岡龍太郎さん、志村けんさんの言葉「いつまでもバカでいろ」

2024.06.14 06:03
提供:ENTAME next

海千山千の芸能界を肩ひじ張らないスタンスでサバイブしてきた中山秀征(56)。共演者の魅力を最大限に引き出す力は以前から定評があったが、最新の書籍『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』(新潮社)が発売前に重版がかかるなど、その哲学と戦略に改めて注目が集まっている。そこで本人を直撃したところ、テレビでもおなじみの淀みないトークを目の前で展開。これまでの半生からテレビの未来図まで縦横無尽に語ってくれた。(全4回の4回目)

ありがたいことに「中山秀征が関わると長寿番組になる」って言われることがあるんです。それはなぜなのか自分なりに分析してみると、やっぱり僕自身が変化しているからだと思うんです。マンネリにならないように気をつけています。結局、“変わらない=古くなる”ということですから。

でも難しいのは、番組のカラーが極端に変わったらダメだということ。黒髪の子が急に茶髪になったら、観ている人もついてこれないので。そこは騙し騙しというか、変化していると気づかれないように変化していく必要がある。

僕も今では56歳になって、若い人から「バブルの時代はどんな感じだったんですか?」とか聞かれることもあるんです。彼らが昔話みたいに過去のことを知りたいなら、自分なりの体験談を話すことはできますよ。

僕らだって先輩方に「石原裕次郎ってどんな方だったんですか?」「当時の日活は誰が出入りしていたんですか?」と興味津々で聞いていましたし。だけど、自分から「俺らの時代はこうだった」とか絶対に言いたくない。だって今の時代は当時と違うんだから。当時は可能だったけど、今は無理ということだってたくさんありますし。

さらに今は上の立場の人が「あれやれ」「これやれ」ってストレートに言うのも難しいえ時代でしょう。そうすると、問われてくるのは自分自身なんですよ。

例えば、大谷翔平選手を見てください。大谷選手は自分の頭で考えて、人生を切り拓いてきましたよね。『巨人の星』の星飛雄馬のように、父・星一徹にスパルタで鍛えられて、あそこまで到達したわけではない。つまり今の若者は星飛雄馬じゃなくて、大谷翔平にならなくちゃいけないということ。これは本当に難しくて厳しい話なんだと僕は思っています。つまり、才能が必要なうえに、自分で努力もしなくちゃいけない。誰かが1000本ノックで鍛えてくれないわけで、確実にシビアな時代になっているのではないでしょうか。

人生を山登りに例えるなら、僕だってできることなら最短距離で頂上まで登りたいです。でも、登れなかった。でも遠回りしても自分なりの努力を重ねていたら、思いがけないことに最短で登った人とは違う景色を見ることができて、そこでの経験が活きてくることが多かったんです。

この山登りの考え方は上岡龍太郎さんに教わりましたね。「つらいと思うのは登っているときだ。楽だと感じているのは下ってるときだ」って。だから自分でつらいなと感じるときは、「よし! 苦しいってことは今の俺は確実に成長しているぞ」と鼓舞するんです。

振り返ってみると、僕は先輩方の言葉に救われてきましたね。志村けんさんの「いつまでもバカでいろ」という言葉もそう。「年齢を重ねると、みんなどんどん偉く・賢く見せようとする。本当は賢くても、あの人はバカだなあと思われることが大事なんだ」って繰り返していました。それはすごく印象に残っています。

「昔はよかった」なんて言う気はまったくないけど、バブル時代のテレビは浮かれていましたよね。収録が終わると全員で飲みに行って、結局はそこでも仕事の話をすることになって。実際、決定権のある人が飲みの席にはいましたし。今はプロデューサーだって自分1人の意見ですべてを決められない。『DAISUKI!』のネタにしたって、「今、新しく住むところを探しているんだよね」みたいな会話から「物件探しで1本作れないかな」と広がっていったわけですから。飲み屋での会話が、そのまま番組になった時代。

一方で世の中は確実に進化していて、たとえば画質もよくなっているし、映像技術も上がっているし、タレントのポテンシャルだって確実に高くなっている。もちろん今はコンプライアンスの問題がありますが、それでもやれる内容はいくらでもあります。

YouTubeに押されているという意見もあるけど、テレビにしかできないことはきっとたくさんある。スポーツニュースだって、生放送の情報番組だってそう。一時期に比べて制作費が減ったとはいえ、ある程度の予算をかけて番組を作れるわけですから。

テレビがYouTubeを変に意識する必要はないと僕は思っているんです。また野球でのたとえになってしまいますが、YouTubeのコンテンツ作りというのは、荒れた河原で一生懸命にプレーする野球。一方、テレビは今のところまだ、人工芝やオーロラビジョンが整備されたドーム球場だといえる。一番いいグラウンドでやるんだから、せっかくなら最高のプレーを見せていきたいよね。

テレビの可能性ということから考えると、今後、生放送はもっと増えていくと思います。スポーツ番組も増えるでしょう。あとはしっかりショーアップされた音楽バラエティがあればいいなと思う。歌があって、トークがあって、コントがあって、そのすべてがプロじゃないとできないレベルで展開される番組。華やかな一流のエンターテインメント・ショー。

これは絶対にテレビでやりたいと思っているので、今、僕は1年に1回ペースで実際にショーを行っているんですよ。これをテレビで実現させるのが当面の目標ですね。テレビタレントとしての自分の夢と言ってもいいかもしれません。

関連リンク

関連記事

  1. SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業
    SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業
    ENTAME next
  2. 美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】
    美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】
    ENTAME next
  3. 10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」
    10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」
    ENTAME next
  4. 中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」
    中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」
    ENTAME next
  5. 桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開
    桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開
    ENTAME next
  6. 似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」
    似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」
    ENTAME next

「ニュース」カテゴリーの最新記事

  1. 竹内涼真、両親・妹弟との家族ショット公開「みんなそっくり」「カッコよすぎ」驚きの反響
    竹内涼真、両親・妹弟との家族ショット公開「みんなそっくり」「カッコよすぎ」驚きの反響
    モデルプレス
  2. King & Prince永瀬廉、なにわ男子・西畑大吾の自宅訪問 “滞在時間30分未満”の過ごし方明かす「いい夜でした」
    King & Prince永瀬廉、なにわ男子・西畑大吾の自宅訪問 “滞在時間30分未満”の過ごし方明かす「いい夜でした」
    モデルプレス
  3. 桃月なしこが『週刊少年チャンピオン』12度目の登場「これからも15回、20回と表紙を飾っていきたい」
    桃月なしこが『週刊少年チャンピオン』12度目の登場「これからも15回、20回と表紙を飾っていきたい」
    ENTAME next
  4. 辻希美&杉浦太陽の長女・希空、母親 顔負けのアイドルショット披露に大反響
    辻希美&杉浦太陽の長女・希空、母親 顔負けのアイドルショット披露に大反響
    ENTAME next
  5. 堂本剛、松本潤、亀梨和也、山田涼介が主人公を演じた推理ドラマ「金田一少年の事件簿」シリーズがTVerで無料配信開始
    堂本剛、松本潤、亀梨和也、山田涼介が主人公を演じた推理ドラマ「金田一少年の事件簿」シリーズがTVerで無料配信開始
    WEBザテレビジョン
  6. 小栗旬・蒼井優出演のNetflixシリーズ「ガス人間」 群馬県桐生市での撮影のボランティアエキストラ募集
    小栗旬・蒼井優出演のNetflixシリーズ「ガス人間」 群馬県桐生市での撮影のボランティアエキストラ募集
    Deview
  7. 辻希美と杉浦太陽の長女・希空、インスタでまずフォローしたのは… 「最初なのかわいい」
    辻希美と杉浦太陽の長女・希空、インスタでまずフォローしたのは… 「最初なのかわいい」
    Sirabee
  8. 乃木坂46久保史緒里、星野源の“年末年始スケジュール”に驚き 紅白・ANN出演の多忙ぶり「それ聞いたら頑張れる」
    乃木坂46久保史緒里、星野源の“年末年始スケジュール”に驚き 紅白・ANN出演の多忙ぶり「それ聞いたら頑張れる」
    モデルプレス
  9. 角田夏実らアスリートがランウェイデビュー 「柔道家らしい歩き方になってしまったかな」
    角田夏実らアスリートがランウェイデビュー 「柔道家らしい歩き方になってしまったかな」
    WEBザテレビジョン

あなたにおすすめの記事