花井美理 撮影/荻原大志

レジェンドグラドル・花井美理、撮影のたびに泣いていた少女がグラビアを21年続けられた理由

2024.05.19 06:03
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2003年のデビュー以来、147センチの小柄な体&Jカップを武器にグラビア界の最前線で活躍し続けている、花井美理。今年3月には最新イメージビデオ『Happening!』(竹書房)を発売したほか、Fantiaでの毎日投稿、Instagramでの写真がバズを起こすなど、デビュー21年目を迎えた今もその魅力で多くの人を虜にし続けている。まさに「レジェンド」と呼ぶに相応しい彼女のこれまでの軌跡は、まさに波乱万丈。最新作発売を記念し、これまでを振り返ると共に近年の活躍ぶりについて聞いた。

──2010年代に入るとグループアイドル全盛期に突入、一気にグラビア仕事の形が様変わりしました。その流れが落ち着くと次代のグラドルが続々登場。そうした中、どうやってこの世界をサバイブしていこうと思われていました?

花井 「どうやって生きていくの?」とよく聞かれましたし、実際に悩んだ時期が続きました。ただ、先のことを考えすぎても良いことはないし、心配性のくせに「私が今できることを頑張ればどうにかなるか!」と危機感が湧かなかったんです。

──若い時分であれほどの苦労を経験されたら、確かに「どうにかなるか!」精神になりますね。

花井 実際どうにかなっていますからね(笑)。何か起これば、その時々で考えればいいや!って。確かに撮影会では、若い子と一緒になりますが、私が張り合おうにも“違う存在”という感じ(笑)。

「負けないぞ!」という気持ちどころか、みんなの美意識をたくさん吸収できる場としてすごく勉強させてもらっていますし、私を好きになってくれる方に向けて、頑張ること以外は考えていませんでした。

──齢を重ねることで新たな魅力を引き出し続けている花井さんは、長くこの世界で頑張ろうと思っている方の勇気・希望になり得る、いわば“グラビアの星”的な存在なのかなと思います。

花井 ありがたいことに「美理ちゃんが今も頑張っているから、私もまだできる気がする」と言ってもらえたり、「今辞めちゃうのは勿体ないですよ」と言ってくれる後輩がいるんですよ。そうした声があるから今も頑張れているところもありますね。

──紙媒体の減少、Webメディアの発達とSNSの普及により、グラビアの形も様変わりしていく中、花井さんはInstagramにて2021年7月から、「#会社の先輩」というシリーズ投稿を始めました。いわゆる、「こんな先輩がオフィスにいたらいいな」という妄想を形にした写真ですが、この企画が生まれたキッカケは?

花井 コロナ禍に、SNSをバズらせることがこの先の仕事に繋がるのは理解しつつもSNSで成功するってどうすればいいんだろう?と悩んでいたんですよね。そんなときに知り合いの作家さんが「どうしてもやりたい企画があって、やらせてもらえないだろうか?」と「#会社の先輩」を提案してくれて。その方やSNSに詳しい仲間の提案を受け入れつつ投稿してみたら、狙い通りにバズった形になりますね。

発案者の作家さんが「男が求めているのは癒しなんだ!」と力説していたので、あえて露出は控えめ・花井美理の癒しオーラを前面に押し出した写真シリーズになっています。そのおかげか、昔から知ってくださる方だけでなく、最近知ったという方、中には海外からの反応もあって、私にとって一つのターニングポイントになりましたね。

──これまでの投稿も反応が大きい中、「#会社の先輩」シリーズは格段に注目を浴びていますよね。

花井 投稿の間隔が空くと「先輩シリーズまだですか?」と言われてしまうこともあって(笑)。すぐ飽きられちゃうんじゃないかなと思っていたのですが、もう始めて3年経つのに、いまだに楽しみに待っていてくれているのは嬉しいですね。こうしたことが突然起こるのが、この世界の面白さの一つだなと思いました。

──インスタの投稿と同様、Fantia(ファンクラブ名:「MirionLover」)での活動も活発的ですよね。なんと2021年5月の開設からほぼ毎日更新。そのモチベーションはどこから湧くのでしょう?

花井 「#会社の先輩」シリーズと流れは同じで、やはりコロナ禍に入りファンの方との交流がなくなり、色々と出るメディアも少なくなってしまって。まだ私はグラビアを続けたいと思っていたところに、後輩の女の子が「Fantiaというツールがあるので、始めてみては?」と教えてくれたんです。

Fantiaは有料プランがあるんですけど、そこに登録していただいている以上、それに見合った還元ができるように自撮りだけじゃなく1ヶ月で1冊……なんなら2冊分の写真集を読んでいるかのような、作り込んだ世界観の写真を届けたいなと思って始めました。

毎回衣装は全部自分で選んでいて、大変さはもちろんあるんですけど、「こういう風に魅せていきたい」と“自分のやりたいグラビア”を形にできているのが、毎日更新のモチベーションでしょうか。

──それだけのボリュームがあるとファンの方も大満足ですね。花井 ただ、写真を投稿する際に付けるコメントを書くのが苦手で……(笑)。毎回日々思ったことを書いているのですが、「今日も大したことが書けなくてごめんなさい!」と、書き終わるたびに反省しています(苦笑)。

もちろんファンの方は優しいので「今日も美理ちゃんが元気に生きていると、わかるだけでいい」と言ってくれる方も多いんです。活発的に活動できない時期も経て、毎日地道に発信しているものが届いて、それに喜んでいただけているのが私はすごく嬉しい。これからも頑張ります!って気持ちになるんです。

──そうした声があると、足を止められませんね。

花井 はい、私としては止めるつもりは一切なくて。次は30周年か……と考えると、その時は50歳手前。今の良いペースのまま行けたとしたら「あれ?意外にやれるかも?」って思ってしまったんです(笑)。実際に50歳を超えてもすごく美しさを保っている方がいらっしゃいますし、周りも「できるよ!大丈夫!」と上手く気持ちを乗せてくれて。自信のない人間のくせに、頑張っていこう!の気持ちが枯れる気配がないんです。

さすがにイベントに誰も来てくれなくなって、Fantiaの会員もゼロになっちゃったら、「しょうがないなあ、やめよう」となるかもしれないけど、応援してくれる方が一人でもいる限りやりつづけたいですね。

(取材・文/田口俊輔)

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