『第十八回声優アワード 新人発掘オーディション』で事務所のスカウトを受けた20歳・中村真悠さん「『HUNTER×HUNTER』が大好き。いつかアニメで男の子を演じたい」

　『声優アワード 新人発掘オーディション』は、年度毎に印象に残る活躍をした声優を称える『声優アワード』の誕生とともに産声をあげ、今年18回目の開催。事前に行われた声優事務所による一次選考を通過した38名が最終選考に進出。同日に名だたる声優が登壇する『声優アワード受賞者発表番組』と同じステージを使い、自己PR・テキストリーディング・2人1組でのシナリオリーディング・質疑応答の審査を実施。そして、最終的に23名に参加声優事務所からスカウトの札が挙がった。

　声優事務所4社のスカウトの札が挙がった感想について聞くと「最初は実感が湧かなかった」そう。「短期大学の声優コースで学んで身につけたものもあるんですが、本番の大きなステージで大人数の前で、実力を全部出し切れたかと言えばそうではなかったので、不安でした」と振り返ったが、札が複数挙がった光景を見て「もう夢なんじゃないかなっていう気持ちでいっぱいでした」と喜びを噛みしめると同時に「この結果をいただいたからには、それに見合う声優になりたい」と思ったという。

　この日の自己PRでは、自分の名前「ま」「ゆ」が書かれた“応援うちわ”を作って、『あいうえお作文』で自分の良いところをアピール。「『ま』は“周りの人に平等に接し、優しくいられます”。『ゆ』は“ユーモアがあって、どんな状況でも楽しむことができます”とアピールしました。特技で見せれるものが無かったので、喋りだけじゃなくて何か目につくもので表現しようと思って、キラキラにしました（笑）。でもそれが誰かの印象に残ったのなら大成功だったなって思いました」と笑った。

　審査課題は「ナレーション」と「掛け合いセリフ」の2つ。ナレーションについては「私、ナレーションが苦手で、ちょっとクセがあると指摘されていたので、そこに気をつけて読みました。以前“透き通った声をしている”と言っていただいたことがあったので、この天然の声を活かして、あまり声を作らずに原稿を読みました」と、自身の心がけたことを教えてくれた。

　もうひとつの掛け合いセリフについては「相手役の子と短い時間のなかで打ち合わせをしたんですが、すごく仲良くなれました。すごくお話が上手な子でしたし、私も話すことが好きなのでコミュニケーションが上手く取れて、お互いにやりたいことを言い合えて、15分の間にいい関係が築けたので、たくさん練習して本番に臨めました。最初舞台に立った時は緊張したんですが、始まったら役に入り込めて、緊張より楽しさが勝っていました」と、手ごたえを感じたようだ。

　声優の世界を目指すようになったのは高校生の時。「小さい頃から両親の影響でアニメはよく観ていました。私が高校1年生の頃、コロナの期間に入ったんです。コロナの期間は外にも出られず、友達とも会えずにやるせない日々を送っていて、その間にアニメを集中して観て、中でも『鬼滅の刃』の竈門炭治郎役の花江夏樹さんの演技に感銘を受けました。声だけでこんなに人を感動させて、素晴らしいものを与えてくれる職業があるんだということを意識して、声優を志すようになりました」。

　そして「大学生になって、声優コースに入ってからオーディションは何度か受けているんですが、『声優アワード』のオーディションは今年初めて挑戦しました。そして最終審査まで来ることが出来て、スカウトしていただいて、すごく嬉しい気持ちでいっぱいです」と、今回の挑戦で一歩を踏み出したことを喜んだ。

　今後、どんな声優を目指すかについて「私自身がアニメから影響を受けたように、誰かの心の支えになって、誰かの明日をちょっとでも応援できるような存在になりたい。そのためにも、応援され、愛される声優を目指して頑張りたいと思います」と語った中村さん。そして「今はマルチに活躍をされている声優さんが多いので、来た仕事は全部受けたいです。話すことが大好きなので、いつかラジオで自分の番組を持ったり、歌にも挑戦したいです」と意欲を見せる。

　さらに「『HUNTER×HUNTER』が大好きで、いつかアニメで男の子の声を演じたいとずっと思っているんです」という中村さん。「少年役と言えば、ゴンとキルアの声優さんがすごく好きなので、家でマネとかしてました…全然クオリティは低いですけど（笑）。『HUNTER×HUNTER』…完結しますように！　もし新しいアニメシリーズが出来たなら、ぜひ出演したいので、そのためにも頑張ります！」と夢を語ってくれた。