「上田晋也アートスペシャル バンクシーから読み解く“分断の世界 2023”」収録後の上田にインタビューを実施

上田晋也、アートと“表現”への思い「変えたくない部分に関しては、ずっと言い続けてやろうと思っています」<上田晋也アートスペシャル>

2023.12.13 06:00
「上田晋也アートスペシャル バンクシーから読み解く“分断の世界 2023”」収録後の上田にインタビューを実施

上田晋也、内田也哉子、いとうせいこう、立岩陽一郎、鈴木沓子らが出演する「上田晋也アートスペシャル バンクシーから読み解く“分断の世界 2023”」(夜8:54-11:24、BSテレ東)が12月30日(土)に放送される。WEBザテレビジョンでは、収録を終えた上田に取材を実施。収録の感想や“表現へのこだわり”などについて話を聞いた。

「僕も考えなきゃいけないなと、反省の2時間半」

――まずは、収録を終えた率直な感想を教えてください。

改めて「バンクシーは深いな」と思いました。番組冒頭でも言っているのですが、あまり軽々しく好きとは言えない、“好き”だけでは終わらせてはいけないと勝手に思っているので。

毎回バンクシー作品に突きつけられているような感じがして、今回はそれをより深く感じましたし、僕も考えなきゃいけないなと、反省の2時間半でした。

ひょっとしたら視聴者の皆さんも…この年の瀬になんで反省させられなきゃいけないと思うかもしれませんが(笑)、大事なことですからね。

――収録を経て、バンクシーというアーティストに対しての印象の変化は感じましたか?

ある程度本を読んだり映像作品を見たりしていて、バンクシーのことをまるで知らなかったわけではないので、印象の変化はありませんでした。

ただ、鈴木さんやジャーナリストの立岩さんの意見を聞くことで、「なるほど、そういう視点もあるんだ」という、一歩奥深さみたいなものは感じましたね。

作品の中で一番好きなのは「窓にぶら下がる男の絵」

――上田さんの中で、バンクシーの作品の中で「すごい」と感じたものはありますか?

今は“花束を投げる”作品(「Love is in the Air」)がやはり一番すごいと感じますし、ウクライナに描かれた絵は、一番考えるべき作品なんだろうなと思います。

能天気に見ていいのであれば、窓にぶら下がる男の絵が一番好きですけどね。あそこまでの修羅場はなかなかないだろうけど、あれに掠っているような経験は、ある程度の男の人はあるでしょうからね(笑)。そういう意味では、能天気に「分かる分かる」となります。

――バンクシー作品というと「議論を呼ぶ」狙いがあるという話がありますが、上田さんなりの“話し合いたいけど喧嘩はしたくない”時の議論を呼ぶための方法はありますか?

議論することがそもそもないですね。

もちろん、議論することは良いと思います。紛争や火薬に頼らなければね。議論してもいいけれど、自分の意見や哲学が必ずしも正しいわけではなく、相手の意見も受け入れましょうね、と教える教育を今後してくれないかなと思っています。

テレビへの思いを明かす「表現の幅がまたどんどん広がっていけばいいな」

――バンクシーの表現の中で「人を傷つける・傷つけない」といった“線引き”の話がありましたが、上田さんはお笑いやトークで表現をしている中で、意識していることはありますか?

あくまで僕の考え方ですが、ツッコミって「哲学の押し付け」みたいなところがあるんですよね。「馬鹿やろう」「間違えてる」と、完全にこっちの意見でツッコむわけですから。

さっき言ったように、本当は相手を受け入れなくてはいけないんだけど、僕の仕事って完全否定をするところがあるわけですよ。そうなると、今のご時世だと特に「あんな押し付けがましい」「パワハラだ」となってしまう。

ただ、「あなたが言うな」では面白くないし、「君が言うな」ではウケない。「お前が言うな」じゃないとダメだから、便宜上“お前”と言っているだけで、見下していないのにな…でも今はこういうことも言いにくいもんな…と感じることはあります。

ルッキズムに関しても、本心から「おかしな格好をしてる」と思って言ってるわけではないけれど、相手が「イジってください」と格好で伝えてきているから絶対イジらなきゃ、というようなことが多々あるわけです。

ツッコミの人間には特に生きづらい世の中にはなってきたかな。そのツッコミの手法を変えろ、ということかもしれませんが…。ただ、変えたくない部分に関しては、ずっと言い続けてやろうと思っています。続けていればそのうち「あいつはああいう口の聞き方だし仕方ないわ」と受け入れてくれないかなと。方々から怒られたら謝りますが。

――それでもやはりテレビで表現していきたいのは変わらないですか?

そうですね。僕、テレビ好きなのでね。テレビに出たくてこの業界に来たみたいなところがあるので。僕ができることは微々たることですが、テレビでの表現の幅がまたどんどん広がっていけばいいなと思っています。

“問題”を我が事に考えるきっかけの一つになれば

――もし第二弾があるなら、現地で取材をしてみたいですか?

いいですね、それ! バンクシーの絵をいろいろと訪ねて行って、鈴木さんに解説をしてもらいつつ。やはり本で見るのと現地で見るのとでは感じ方の違いも出てきそうですね。そうだな…2週間はかけて行きましょう!

――最後に、番組の見どころとメッセージをお願いします。

「バンクシーは名前だけしか知らない」「シュレッダーにかけられたのは知っているけれど」くらいの方はもちろん、バンクシーにとても興味を持っている方にも幅広く見てもらえる番組だと思います。

「そんな意味が隠されていたとは思わなかった」という作品にも「実はこういう意味があるのでは?」と賢人の方々が解説してくれているので、“問題”を我が事として考えるきっかけの一つになればいいかなと思っています。

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