映画『ブルーを笑えるその日まで』でW主演を果たす角心菜(C)Deview

注目の新人俳優・角心菜、青春ファンタジー映画『ブルーを笑えるその日まで』でW主演 「この映画が、誰かに寄り添って味方でいてくれる存在になれば」

2023.12.02 08:00
提供:Deview

 学校に馴染めない女の子同士が、不思議な万華鏡を通じて出会い、初めての友だちと“夢のような夏休み”を過ごす。しかしそんな夏休みも終わりに差し掛かって…。監督・武田かりん自身の中学時代の記憶をモチーフに、学校という小さな世界で感じる孤独、“あの頃の自分”に届けたい切実な想いを描き出す青春ファンタジー映画『ブルーを笑えるその日まで』。同作で主人公のアンを演じた期待の俳優・渡邉心結とともに、もう一人の主人公・アイナを瑞々しくミステリアスに演じたのが、17歳の俳優・角心菜だ。独特の存在感で難役を鮮やかに演じ切った角に、本作の出演オーディションと撮影、アイナという役柄などについて話を聞いた。

■映画『ブルーを笑えるその日まで』アイナ役/角心菜インタビュー

――この映画への出演はオーディションで決定したそうですね。

角「いつものオーディションでは、脚本の一部をいただくのですが、今回は最初から最後までの脚本を読むことが出来ましたし、オーディションの現場に監督が書いた企画書もあったので、イメージが湧きやすかったと思います。私は脚本を読んだ時からアイナをやりたくて、オーディションでも“この作品に携わりたいです”っていう想いを伝えました。オーディションの直後は、もうちょっと出来たかなと思って自信がなかったんですが、出演が決まったと聞いた時はすごく嬉しかったです」

――台本を読んだ時、角さんがアイナをやりたいと思ったのはどうしてですか?

角「アイナはアンに寄り添う、笑顔が素敵な女の子で、私も普段からよく笑うのでちょっと自分に似ているかもと思いました。一方でアンは私とは真逆の性格なので、その分アイナに惹かれました」

――実際のオーディションはどのようなものだったんですか?

角「オーディションではアイナとアン、その他のメインの役も演じました。アイナを演じた時、もうちょっと明るくやってほしいという指示があって、思っていたイメージよりも大分明るくてその時は戸惑いました。でも監督は私に合わせてちょっとアイナ像を変えていったとおっしゃっていたので、徐々にアイナと自分が近づいて行ったと思います」

――角さんはアイナという役をどのように捉えていましたか?

角「アイナは確かにたくさん笑うんですけど、心の奥に抱えていることがあって。ただ明るいだけじゃなくて、辛さを知っているからこそアンに寄り添えるという部分はすごく大事にしました。私も相談するよりされる側になることが多いですし、アイナは励ますよりも寄り添う側なので、そこも共感できて共通点があるなと思いました。アイナはアンに対して言葉で伝えるより、一緒にいたり微笑んだりすることが多いんですけど、そんなアイナにだったらアンも心を開いていけるのかなと思いました」

――役については監督ともたくさん話したそうですね。

角「クラスに馴染めずに苦しんでいる頃のアイナは、他のシーンとは印象が違って唯一暗いんです。私も直前までうまく掴めずにいたんですが、撮る前に監督の中学生の時の経験を聞かせていただきました。そのときは演じている感覚はなくて、アイナになりきっていました。そこは自分でも印象に残っているシーンです。監督とは本読みのときや、撮影が始まる直前にもたくさんお話ししましたし、話せば話すほどアイナが明確になっていきました。そのことに助けられた部分はたくさんあります」

――監督自身の想いが、アンとアイナというキャラクターに投影されているようです。

角「アイナは監督にとって“欲しかった存在”だと思うんです。アンは監督に似ているんですが、アンが求めていて、それを助けてあげる存在がアイナだという話を聞いたので、そういうアンに対して、アイナはどういう接し方をするだろうと、たくさん話して行くなかで考えました」

――アンを演じた渡邉心結さんとは一緒のシーンがたくさんあったと思うのですが、撮影中のエピソードがあれば教えてください。

角「会った時からすぐに仲良くなりました。役が決まってから撮影まで1年あったので、家でもビデオ通話でセリフを合わせたり。撮影が始まってからも、台本を読みすぎてお互いのセリフまで覚えていたので、逆でやってみたり。でもそうすることで“こういう演じ方もあるんだ”って気づけたり。これまで共演者の方と演技についてここまで相談することがなかったので、大切な存在になりました」

――渡邉さんの印象はいかがですか?

角「私は“よーい、スタート!”で切り替えられる性格じゃなくて、前もって入り込むタイプなんですけど、心結ちゃんは撮影が始まる直前までずっと明るかったのに急にアンになれるから、最初はすごくビックリしましたし、そういう切り替えの速さもすごく尊敬しています。尊敬する部分がたくさんあるし、信頼できる友達で何でも話し合える、これからもずっと、かけがえのない存在としてずっと一緒にいるんだろうなと思います」

――同世代の俳優として、今後も別の作品で共演する機会も多いかもしれません。

角「“違う作品でも一緒になれるようにお互い頑張ろうね”って、撮影中からずっと話していました。プライベートでも連絡を取り合って仲良くしていますし、今もオーディションでたまに一緒になるんです。お互い刺激をもらいながら切磋琢磨できる友達というか、いい仲間ができました」

――そうやって築いた仲の良さが画面にも写っていたと思います。

角「仲良くなったからこそ撮れなかったシーンも、この二人の距離感だからこそ撮れたシーンもたくさんありました。今回、アン役が心結ちゃんでよかったなって思いました」

――様々な想いが込められた作品ですが、どんな人に観てもらって、どんなことを感じてほしいと思いますか?

角「中学生の頃って家や学校が自分の世界の全てで、そこに居場所がなくなった子はどうしたらいんだって悩むこともあると思うんです。この映画の主人公・アンとアイナも同じ。アイナがアンを助けてくれた存在であるように、この映画がそのような悩みを抱えている方々に寄り添って、いつでも味方でいてくれる存在になればいいなって思っています。この作品を観ることで、自分の中の何かが変わるきっかけになってほしいです」

――映画のなかで、RCサクセションの曲『君が僕を知ってる』を鼻歌で歌うシーンがとても印象的でした。かなり昔の曲なので、もちろん角さんも知らなかったと思うんですが。

角「監督がこの曲を使いたいと言うので実際に曲を聴いたら、歌詞もアンとアイナみたいな、本当に『ブルーを笑えるその日まで』にぴったりという印象でした。撮影が終わってからもハマっちゃって、今でも聴いています。この曲を聴くと撮影のことを思い出しますし、私の中で大好きな1曲になりました」

――この作品を経て、ご自身の成長や変化を感じることはありますか?

角「この作品に出会う前はお芝居の経験も浅かったので、お芝居を楽しむことができなくて、不安になることのほうが多かったんです。“私で大丈夫なんだろうか?”とか、“セリフをちゃんと覚えないと”みたいにネガティブなことばっかり考えてしまって。でもこの撮影が終わってからは“お芝居が楽しい”“これからもお芝居を続けていきたい”と思えるようになりました。これまでお芝居について一人で考えることが多かったんですが、監督や共演者の方に相談できるようになりました」

――改めてこれからこの映画を観る方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。

角「この映画は様々な登場人物が出てくるんですけど、自分がどの立場で観るかによって印象が変わってくるので、ぜひ何度も観て楽しんでほしいと思います。今学生の方はもちろん、大人の方など幅広い世代に愛される作品だと思うので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいと思っています」

――角さんも今年高校生になり、CMやミュージックビデオへの出演など活動も本格化しています。今後の目標を教えてください。

角「デビューさんで事務所のオーディションを見つけて、ステッカーに所属してから本当にたくさんの作品に出演させていただきました。映画やドラマはもちろん、ミュージックビデオに出たいというのも最初のころから言っていたので、それがこの間叶いました! あとは空手の経験を活かしてアクションにも挑戦したい。あとは、これまで演じた役では笑顔が多かったり、逆に暗かったりと、感情的になる役が少ないので、感情の起伏を表現できるように、演技の幅も広げていけたらと思っています」

――ミュージックビデオでいえば、「新聞で紡ぐ希望のうた」キャンペーンで、いきものがかり『誰か』のオリジナルムービーに出演しています。

角「私もすごく好きな作品です。しかもこのムービーの監督は『ブルーを笑えるその日まで』の助監督の細沼孝之さんなんです。私は仕事をする上で、“もう一度一緒に仕事をしたい”“この子を選んでよかった”って思ってもらえることを目標に頑張っていたので、すごく嬉しかったですね」

――最後に、角さんはデビューできっかけを掴んだ読者の先輩ということで、デビューを目指して頑張っている人に向けて、向けて背中を押してあげられるようなエールをいただけますか?

角「私もデビューさんでステッカーの募集情報を見つけなかったら、今の自分はないと思うし、演技を始めることによって、今まで知らなかった自分にも出会うことができました。新しい自分を見つけるためにもいいきっかけになると思うので、応募しようか悩んでいる方も、勇気を出して自分の殻を破って挑戦してほしいです」

■角心菜(すみ・ここな)
2006年5月4日生まれ、大阪府出身。WOWOW『こころのフフフ』(2021)でドラマ初出演。その他tvk『おいしい給食season2』、『劇場版 おいしい給食 卒業』、WEB:「新聞で紡ぐ希望のうた」(新聞広告統一PRキャンペーン) いきものがかり『誰か』オリジナルムービー、CM:ニップン オーマイプレミアム「具に革新。」篇なと゛に出演。

■『ブルーを笑えるその日まで』作品情報
(2022/日本/99min/シネマスコープ/カラー/DCP)
12月8日(金)よりアップリンク吉祥寺にて劇場公開。

【キャスト】
渡邉心結、角心菜、丸本凛、成宮しずく、佐藤ひなた、夏目志乃、片岡富枝、宮原俐々帆、根本拓洋、鳥谷宏之
土屋いくみ、若林秀敏、松澤可苑、荒澤智也

【スタッフ】
脚本・監督:武田かりん
プロデューサー:田口敬太、協力プロデューサー:田中佐知彦
撮影:上野陸生/照明:稲葉俊充/美術:野中茂樹/ヘアメイク:吉田冬樹/助監督:平岡凌/制作:田丸さくら
主題歌:RCサクセション『君が僕を知ってる』(Licensed by USM JAPAN, A UNIVERSAL MUSIC COMPANY)
製作:映日果人/武田かりん/kotofilm 配給:映日果人/配給協力:SPOTTED PRODUCTIONS
協力:埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ

【あらすじ】
安藤絢子(アン)は学校には馴染めない、ひとりぼっちの中学生。薄暗い立ち入り禁止の階段が唯一の居場所だった。そんなある日、不思議な商店で魔法の万華鏡を貰う。それを覗くと立入禁止の扉が開きその先の屋上には同じ万華鏡を持った生徒、 アイナがいた。二人はすぐに仲良くなり夢のような夏休みを送るのだが、屋上には「昔飛び降り自殺した生徒の幽霊が出る」という噂があった。その幽霊がアイナなのではないかと疑念を抱きながらもお互いにとってかけがえのない存在になっていくのだが…。

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