石川凌雅&松島勇之介、誘う先はホラーか?コメディか!? 兄弟役で魅せる「Grave Keepers」

2023.11.08 19:00
提供:2.5ジゲン!!

2.5次元舞台を中心に、いま勢いのある役者が挑む、オリジナルのダークホラーファンタジー作品「Grave Keepers」。墓守を生業とする兄弟を、石川凌雅、松島勇之介、櫻井圭登、新谷聖司が演じる。

2.5ジゲン!!では三男のアラン・グレイブを演じる石川凌雅、長男のジョージ・グレイブを演じる松島勇之介にインタビューを実施。稽古での手応えや4人芝居への意気込み、兄弟にちなんだエピソードなどを聞いた。

――まずは台本を読んでみての作品の印象を教えてください。

石川:最初は、ダークホラーファンタジーだから怖いのかな、と思っていたのですが、今のところダークホラーコメディになりつつある(笑)。

松島:課題だよね。課題。

石川:そう、そこは課題。読みながらどうなるんだろうって思っていたシーンが、このキャストで演じてみると意外と笑いの要素が多くなって、そこが新たな発見でしたね。

ただね、笑ってばっかりでも説得力がないので、恐怖でちょっと引き締めていくっていうのが課題かなって思っています。

松島:やっぱり台本を読むだけだと、自分の頭の中だけのイメージなので「ここはどういうシーンになっているんだろう?」って、“はてな”がとにかくいっぱいあったんですよ。それだけいろんな世界観が想像のなかで広がって、すごく読んでいて楽しかったです。

稽古が始まった今はそのはてなが解消されて、心の中にあったモヤモヤとかを(ジェスチャーをつけながら)“パキュンパキュン”って1個ずつ撃ち抜いているような状態ですね。

石川:(小声で)パキュンパキュン…。

――コメディな部分もあるとのことですが、ホラーが苦手な人でも楽しめるでしょうか?

石川:大丈夫だと思います!

松島:僕は、これは(脚本・演出の)川名さんの名言だと思っているんですけど…。

石川:お、なになに?

松島:「ホラーとコメディは紙一重」っていう。

石川:あ~! 本当にね。やってみると、それがすごいわかるよね。

松島:ハッとしなかった? たしかにそうかもって。

石川:した、した! ホラー映画とかも、効果音とかBGM変わるだけでめちゃめちゃコメディになるじゃん。

松島:確かにそうだね。

石川:しかもそれって、演出家さんだからこその視点だなってすごく思って。

松島:そうだね。演じている側はなかなか気づけない部分。

石川:そうそう。だから僕もその言葉は、すごい心に残っていますね。

松島:ホラーが苦手な人にも観にきてほしいんですけど、とはいえ、ホラーで仕上げたい。だから微妙な調整をしていって、なんとか皆さんにはちょっと“ひやっ”とした感覚をお届けできたらなとは思いますね。

――どんなお話なのか、ますます気になってきました。実際に稽古が始まって、これから本番に向けて楽しみなことを教えてください。

石川:(オリバー役の)櫻井圭登くんがアドリブをかましてくるみたいな話を聞いたので、それが楽しみですね。まあその話は勇之介発信なんですけど。

松島:圭登くんとの共演は今回で3回目ですけど、過去2回とも舞台上でアドリブを入れてきて。稽古をやっていて今回も「あ、この人ここで何か入れるな」って思うところがあったんですよ。それを楽しみにしてるんだ?

石川:してる、してる。あと勇之介とは、共演はあるんですけど、2人での掛け合いってあんまり今までなかったので、それもとっても楽しみです。

松島:僕は、4人でお芝居すること、作品を作ることですかね。みんなで横一線というか、誰かが突っ走ることもなく、足並みそろえて1個ずつクリアしているような感覚があって。それを積み重ねていったらどうなるのかっていう想像ができないんですよ、いい意味で。

だから、初日を迎える頃にはどうなっているんだろうっていうのが、楽しみですね。

――4人でのお芝居というのは、普段の作品とは感覚が違うのでしょうか。

松島:そうですね。基本同じ人と会話をするわけで、そのなかでの芝居の切り替えはすごく難しいなと、今日の稽古でも感じましたね。他の作品だったら1回ほかのシーンを挟むんだろうなっていうところも、4人で続いていくので。そういうのをどう自分のなかに落とし込むのか、難しいけど、でも…楽しいですね。

石川:4人だと単純に出てはけてっていうのではなく、セットの転換も自分たちでやるので、全評価を受けるというか全責任が自分たちにあるというか。そういう意味では、とっても緊張感がありますね。だからこそ、やりがいがあるなと感じています。

松島:あと、空気がピーンと張り詰めたシーンとかは、4人それぞれがすごくエネルギーを発して、その場を埋めようとするんですよ。4人しかいないから。そういう時の緊張感というか、息を飲む感覚は、なかなかほかの作品では味わえないものがあるんじゃないのかなって思います。

――役づくりについてお伺いします。現段階で、ご自身が演じる役をどう捉え、どう演じたいと考えていますか。

松島:僕は自分の中にある“いいお兄ちゃん”像をとにかく抜いていってます。僕も3兄弟の末っ子で兄が2人いるんですけど、長男はジョージとは正反対なんですよ。僕がお兄ちゃんを演じようと思うと、やっぱり自分のお兄ちゃんをまずはイメージするじゃないですか。だからそれをどんどん減らす作業をしていますね。

というのも、ジョージは堅物なんですよ。弟たちから見ても、たぶんお客さんから見ても「なんだよ」ってなると思うんですよね。

石川:堅物で石頭だもんね。

松島:そうそうそう。

石川:目の上のたんこぶだし。

松島:めちゃくちゃ言うじゃん! お兄ちゃんまったく信頼されてないじゃん。

石川:うん。

松島:うんって言うなよ!

石川:(スルーして)僕はですね…。

松島:嘘でしょ。

一同:(笑)

――では改めて、石川さんお願いします。

石川:アランはできごとの渦中にいることが多くて、気が滅入っちゃうようなシーンもあるのですが、その度に「どうしたら現状を打破できるか」と常に前向きに考えている役です。

セリフの言い方1つでそのニュアンスって変わってくるので、細かいところも全部あらって、悲観的にならないように。太陽みたいな存在であれたらなって考えながら向き合っていますね。

――演じる役とご自身の似ている、または違う部分を教えてください。

石川:アランは柔軟性があるんですよね。そこは羨ましいな。あと、僕から見たアランは、とっても優しくて慈悲深いんですよね。そういうところは「自分もそうなれたらな」ってリスペクトしています。

自分に似ているなと思うところだと…常に明るくいたいなっていうところですかね。でも、近いところよりもリスペクトするところの方が多いです。

松島:近いところは仕切りたがりなとこですね、僕もMCとかするのが好きなので。この4人でラジオをやります、MC誰ですか? ってなったら絶対ジョージでしょ!

石川:あなたですね。絶対ジョージです。

松島:だと思うんです。そういうところが似ているかなって。

石川:しかもジョージの好きなお便りしか読まないでしょ、絶対。曲も全部自分の好みで選びそう。

松島:確かに(笑)。違うところは、ジョージって折れないんですよ。自分が間違っていても周りを巻き込んで、それを正解にしちゃうというか。僕だったら周りを巻き込まないで1人でやるし、反対されたら「そっか、じゃあ仕方ないね」って言っちゃうので。

石川:めっちゃ折れるんだ。

松島:そう。ジョージって頑固だけど、(僕は)頑固ではないじゃん?

石川:勇之介は頑固ではないね。

松島:自分の考えはあるのに、それが通らないとすぐ折れちゃうところがあるから、僕も頑固さがもうちょっとあった方がいいのかなって思う時があるんですよ。

石川:でもそれって協調性があるってことじゃない?

松島:そうなのかな。うん、でもちょっと折れないジョージにどこか憧れはありますね。

――石川さんからみた松島さんのお兄さんっぽいところ、松島さんからみた石川さんの弟っぽいところはどんなところですか。

松島:年齢は凌雅くんが1個上なんですけど…めちゃくちゃ寂しがり屋なんですよ。

石川:あ、そうなんだ。

松島:いや、あなたが。

石川:あ、俺が!?

松島:この前も稽古後にご飯に行こうって誘ってくれたんですけど、僕は次の予定があって行けなくて。別件行ってしばらくしたら、ご飯行こうって連絡がまた来るんですよ。末っ子気質だよね。

石川:俺? え~そんなことないよ。

松島:結構甘えん坊で寂しがり屋で、弟っぽいなって思っています。

石川:勇之介は身の回りの管理をちゃんとしていて、なんというかマジで自立してる。

松島:(笑)。

石川:生命力というか、ハングリー精神というか。撮れ高ならぬ“魅せ高”にこだわって動く瞬間を結構見てきて、そんな先輩顔負けな周りを巻き込んでいく力に、年上感を感じるというか。盛り上がるポイントを作ろうと行動してくれる姿に、すごいなと思わされますね。

――オリバーは5人兄弟ですが、実際に憧れていた兄弟構成などはありますか?

石川:お兄ちゃんが欲しかったです。僕1人っ子なんで、昔ずっと寂しかった。

松島:やっぱり寂しがり屋だ。

石川:自分より背が高くて、自分より足が速くて、自分より勉強ができて、っていうお兄ちゃんが欲しかった。

松島:いや、それ結構しんどいよ。

石川:でも自分の方がちょっとかっこいい、みたいな。なんか1つでも勝ってるところはほしい(笑)。

松島:なるほどね。僕は兄の影響で芸能界を志したぐらい、兄がかっこよくて。小学校からの大親友には「遺伝子のいいところを全部上の2人に取られた」って言われるくらい(笑)。背は自分が1番高いんだけど、お兄ちゃんのほうがかっこいいし、とか兄弟はいろいろあるのよ…。

石川:じゃあちょっと兄弟はやめておきます(笑)。

松島:いや、でもいいよ、兄弟。自分が末っ子だから、弟が欲しかったですね。ずっと兄に「かわいいなお前は」って思春期でも言われていたので。年の離れた弟がいたらめちゃくちゃかわいがると思います。

石川:どうしよう、僕かわいがられちゃう。

松島:いやいや年上やろ。

一同:(笑)

――お2人のやり取りでますます作品が楽しみになりました! では最後にファンへのメッセージをお願いします。

石川:ダークホラーファンタジーと謳ってはいますが、変に気負わないで来ていただきたいですし、きっと観終わってからも考察や想像をたくさんしていただけるような気がしています。「怖かったらどうしよう、夢に出てきたらどうしよう」なんていう、恐怖を抱いてる方も、劇場に来てもらえたら僕らがそんな気持ちは“パキュンパキュン”ってしちゃうんで。

松島:おお、気に入ってるやん。僕のやつ。

石川:(笑)。なので、ご安心ください。

松島:この物語はいろんなことが起こります。怖いこともあれば、笑っちゃうようなこともあれば、裏切られるようなことも…いろんなことがあるので、「うわ、演劇観たわ~」って感じられると思うんですよ。

皆さんを物語に誘えるように努めますので、皆さんは物語にのめり込んで、色々考えて、推理してもらって、全身で演劇を楽しんでいただけたらなと思います。

***

お互いの言葉に頷き合いながら、自然と会話が広がっていく様子に、兄弟役への期待が膨らむ時間となった。澄ました表情で石川がとぼけて、松島がはつらつとした声でツッコむ、そんな掛け合いを想像しながら、4人の芝居で東京・Theater Mixaの空間が埋まる11月を楽しみにしてほしい。

取材・文:双海しお/撮影:梁瀬玉実/ヘアメイク:北崎実莉/スタイリスト:MASAYA(PLY)
衣装:Taiga Igari、その他スタイリスト私物

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