「GBI 特別捜査官 ウィル・トレント」は、ディズニープラスのスターで全話独占配信中

“魅力的な嫌われ者”の主人公がインパクト大 “つらい過去”もキャラに深みを与える<GBI 特別捜査官 ウィル・トレント>

2023.07.11 08:10
「GBI 特別捜査官 ウィル・トレント」は、ディズニープラスのスターで全話独占配信中

プエルトリコ出身の俳優ラモン・ロドリゲスが主演を務めるクライムドラマ「GBI 特別捜査官 ウィル・トレント」が、7月5日より配信開始した。同ドラマは、人気推理作家カリン・スローターによるベストセラー・シリーズが原作。過酷な里親制度の中で青春時代を過ごしたジョージア州捜査局(GBI)の特別捜査官ウィル・トレント(ロドリゲス)が、自分のようなつらい思いをする人を出さないために、独自の視点とスキルを駆使しながらさまざまな難事件を解決する、という物語だ。今回、幅広いエンタメに精通するフリージャーナリスト・原田和典氏が本作を鑑賞。独自の視点で見どころを紹介する。(以下、第1話のネタバレを含みます)

人気推理作家カリン・スローターのベストセラーシリーズが原作

「カリン・スローターによるベストセラーシリーズが原作のクライムドラマ」「主人公はジョージア州捜査局(GBI)の特別捜査官ウィル・トレント」「ウィルを演じる俳優はラモン・ロドリゲス」それだけで「おお、そうか、分かった! 全部知ってるし、ずっと長い間ファンとして親しんできたよ」という人は、それほど多くいるわけではないと思う。逆に「なじみがない」「それ何のドラマ?」という皆さんのほうが多いのではないだろうか。私にしても、思いっきり後者寄りである。

なにしろ物語の舞台がジョージア(シュクメルリで有名なヨーロッパの国ではなく、アメリカ南部の州)であるところが渋い。確かに春夏秋冬、ニューヨークやロサンゼルスばかりが撮影スポットである必要などないのだが、大都会のオシャレ性や歩調の速さとは異なるアメリカを画面越しに間接的に体験できる機会はそれほどあるわけではない。私にはそこが非常に興味深かった。原作者のスローターはジョージア州生まれのジョージア州育ち。この陰影に富む物語を描き出すには、「ジョージアの土壌でなければならなかった」に違いない。

FBIではなくGBIの特別捜査官

しかも、主人公のウィルはジョージア州捜査局(GBI)の特別捜査官である。FBI(=連邦捜査局)であれば、その名は世界をビビらせるほど浸透しているに違いないのだが、GBIの名をここで初めて知ったのは私だけではないはずだ。ドラマを見ているうちに、GBIとは何か、少しずつ分かってくる。「GBIとはこういうものなり」といきなり事細かに説明し、アピールするのではなくて、小出しにしていく。押しつけがましさのなさが、爽やかだ。

今でこそ独自の視点とスキルを駆使しながらさまざまな難事件を解決していくウィルだが、子どもの頃は相当に辛苦の日々だったようだ。過酷な里親制度の中で育ち、「いじめ」という言葉以上の暴力を受けてしまう。その傷跡を体に残しながらも、心は誇りを忘れず真っすぐに、知識を積み重ねて、大人になり、「自分のようなつらい思いをする人を出さないために」と特別捜査官になった。

あまりの切れ者であるせいか、警視庁とのコンビネーションは決して良好とはいえない…むしろ“嫌われ者”だが、逆に言えば、なあなあにならない(できない)彼の性格、言い換えれば孤高ぶりが、複雑な事件の解決に一役も二役も買っているところもあって、物語の進行と共に、ウィルのあまりにも独特な発想や行動にも強い印象を受けることだろう。また、ウィルは“ディスレクシア(読字障害)”である。これも物語の進行上、忘れてはならない要素だ。

ウィルを演じるロドリゲスはニューヨーク大学卒業後に俳優を始め、「トランスフォーマー リベンジ」「世界侵略:ロサンゼルス決戦」などの映画に登場。「Marvel アイアン・フィスト」をはじめとするテレビドラマでも売れっ子の地位を獲得してきた。俳優としてますます脂の乗ってきた彼と、個性的で魅力的なウィル役の相性は絶妙だ。

「GBI特別捜査官 ウィル・トレント」は、全13話がディズニープラスのスターで配信中。1話ずつじっくり見るか、何話も続けて一気にのめりこむか。どちらにしても、このストーリーは心に深く刻まれるはずだ。

◆文=原田和典

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