舞台『ブルーロック』凪誠士郎役・小坂涼太郎(左)と御影玲王役・菊池修司(右)

舞台『ブルーロック』凪誠士郎役・小坂涼太郎×御影玲王役・菊池修司が語る「凪と玲王は、ふたりでひとつ」

2023.05.05 12:13
舞台『ブルーロック』凪誠士郎役・小坂涼太郎(左)と御影玲王役・菊池修司(右)

舞台『ブルーロック』が5月4日(木・祝)より開幕した。原作は「週刊少年マガジン」で連載され、史上“最もアツくイカれたサッカー漫画”として話題を集めている。日本をW杯優勝に導くストライカーを育てる“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトを舞台に、全国から集められた300人の高校生FWが生き残りを懸けて戦う物語だ。このたび、主人公たちの前に立ちはだかるライバル・チームVのメンバーである、凪誠士郎役の小坂涼太郎と御影玲王役の菊池修司にインタビューを行った。サッカー歴は浅いが桁外れのセンスを持つ凪と、凪をサッカーに誘った玲王は原作でも人気のコンビ。お互いが凪と玲王でよかったと語る彼らは、どのように役と関係性を作り上げていったのか。

お互いが凪と玲王でよかった

──舞台『ブルーロック』に出演が決まったときの気持ちを教えてください。

小坂涼太郎 めっちゃうれしかったです。僕はもともとサッカーをやっていて、原作も読んでいたのですが、読んでいるときから「凪役、やりてぇ!」と思っていて。

──おお、凪を希望されていたんですね。

小坂 はい、凪がやりたかった。だから凪役で決まったときはめっちゃうれしかったですね。しかも玲王役が修司で。それもうれしかった。

菊池修司 僕もうれしかったです。原作を読んでいて、今までのサッカーマンガにはないようなストーリーで面白いなと思っていたので。それと、僕も玲王役のお話をいただいて、すぐに凪役が誰なのかが気になって。やっぱり玲王と凪はコンビ感があるので。そこで凪が涼太郎だと知ってうれしかったですね。共演経験もあるし、人となりは知っているので、摩擦なく玲王と凪ができるなと思いました。

──お二人とも、凪役が小坂さん、玲王役が菊池さんでよかったとおっしゃいましたが、それまでのお互いの俳優としての印象はどのようなものだったのでしょうか?

菊池 逆をいく役者さんだなと思いますね。お芝居に正解はないですけど、“だいたいこういうことするよね”みたいなものはあって。でも涼太郎はその逆をいくというか、ちょっと変わったところにフックを見つける感じがある。そういう意味では、人とは違うものを持っている凪役はぴったりだなと思います。

小坂 俳優としての印象か……ないなぁ(笑)。僕は共演して仲良くなった人のことを、仕事仲間だと思わないようにしていて。なんか学校の友達みたいな存在なんですよね。

菊池 この時点でもう変わっていますよね?(笑)

小坂 あ、でも修司は努力してる!稽古中、ふと「修司くんどこにいるんだろう」と思って見てみたら鏡の前で練習していたり。あとは演技のことを相談したら本音で話し合ってくれたり……うん、頑張っています。

菊池 何か嫌だな、その紹介(笑)。そりゃ頑張るだろ!(笑)

小坂 そうなんですけど……すごいしっかりしてるなって。

──お二人の関係が、そのまま凪と玲王のようですね。

菊池 確かに。実際、翻弄されることが多いんですよ。涼太郎がやってみたいと思っていることを、僕が「じゃあ、それやってみようか。これやってみようか」って聞く感じで。その関係性は、知り合ってすぐには作れなかったと思うので、初共演じゃないという有利さを生かした凪と玲王を見せられたらいいなと思っています。

凪と玲王っていわば“二人でひとつ”

──では、ご自身の役どころについてはどのように解釈して、どのように演じようと思っていますか?

小坂 正直、凪を演じるのってめちゃくちゃ難しいと思っていて。凪は「面倒くさい」が口癖ですけど、やることはしっかりやっているので、その加減をどう見せたらいいのかなって。動きの面でも、凪は天才だからその俊敏さも見せないといけない。演じる上で客観視が必要だなというのはすごく感じています。あとは、凪と玲王の関係を見せるポイントも今作では割と少なくて。どこでどう深みを出そうかなというのも考えているところです。

──ご自身と凪の共通点はありますか?

小坂 共通点はめんどくさがり屋なところですね。俺、サッカーしてるときもボールが来るまで、走らずに歩いていることが多いし。自分がしたいことだけしていますね。

菊池 確かにフットサル稽古のとき、ずっとゴール前にいて、ボールが戻っても取りに行かなかった!でも、ボールもらうと3点くらい決めてました。

──ちゃんと決めるんですね(笑)。

菊池 そういうところがやっぱ凪だなって。

小坂 へへへ(笑)。

──では菊池さんは玲王という人物をどのように解釈して、どのように演じようと思っていますか?

菊池 玲王は何でも器用にこなせて、バランスを重視している人。今回でいうとチームVで、凪と(剣城)斬鉄という強烈な個性を持つ二人の中で、玲王は二人のバランスを取りながらチームを引っ張っていて。そのバランスは僕なりにも考えながら演じようと思っています。あとはやっぱり凪との関係は重要で。凪と玲王っていわば“ふたりでひとつ”なので、その関係性が垣間見えるようにというのは心がけています。

──ご自身は玲王と似ていると思いますか?

菊池 僕もバランスを取るというか……周りを見るところは似ているかも。空気を読むと言うんですかね。あと「つまんねぇ奴は嫌い」というセリフもありますけど、僕自身も面白いことが好きです。

二人が見つけてきた、俳優としての強みと弱み

──「ブルーロック」では各人物が、ほかの選手とプレーする中で自分の弱点に気付き、克服していく様子が描かれます。お二人が、俳優という仕事をしていく中で、自身の弱点に気付いて開花したタイミングや、逆に自身の強みに気付いた場面を教えてください。

菊池 僕はあまり後ろを振り返らないタイプで。というのも、オーディションに落ちた通知を受け取ったときや、稽古や本番で失敗したり悔しい思いをしたとき、ものすごく落ち込むんです。何も手が付けられないくらい落ち込んでしまう。そうすると、その日のパフォーマンスに影響が出てしまって。オーディションに落ちることも失敗することも、役者をやっているとたくさんあることなので、落ち込んだとしても次の日には切り替えるようになりました。

小坂 僕は身長が高くて手足が長いので、ダンスをしていると「手が余ってる」とかよく言われるんです。でもそれが自分の弱みだと気付いてからは、他の人よりも素早く動くことを意識するようになりました。強みは、人の演技や技術を盗む吸収力。稽古場で、共演者のすごいなと思った技術を盗んで自分でも取り入れていて。そしたらある舞台で「どこでそんな技術身に着けたの?」「どこで勉強したの?」と言われたんです。他の人がやっていたことを真似していただけですが、僕がやると同じものにはならないということにそのとき気付いて。役者は一人一人、その人自体が個性なんですよね。

2次元と3次元を行き来できるのが面白い

──今作も含めて、お二人とも原作のある“2.5次元舞台”に多数出演されています。原作を読みながら「凪をやりたい」と思っていたというお話もありましたが、2.5次元作品の魅力や面白さはどのように感じていらっしゃいますか?

菊池 僕は原作やアニメがあることによって、作者さんや声優さんの解釈を知ることができるのが面白いところだなと思っています。オリジナル作品だったら自分での視点でしかその役を見られないけど、今回でいうと作者が描きたい玲王がいて、声優の方が解釈した玲王がいて、そこに僕の視点が乗る。その3人が合わさった玲王を舞台上で表現したいと思っています。僕が演じる玲王を見て、原作を読んだ方にも、アニメを見た方にも「あ、玲王だ!」って思ってもらいたい。もちろんそこは難しさでもありますが、いろんな人に見てほしいので、そこは諦めたくないし、そのために自分はどう演じるかを考えるのが面白いです。

小坂 僕は「この役は、小坂涼太郎にしか無理」と思ってもらいたくて。そのために自分にしかできない演じ方で、そのキャラに寄せるというのを目指しています。「2.5次元」というからには、2次元から飛び出して、キャラクターに似ていて、かつ人間味を感じさせる必要があると思うんです。そこに役者がやる意味がある。それを考えて演じるのが面白いですね。自分を出し過ぎたら「これは凪じゃないな」となるし、凪に寄せ過ぎたら「これはただの真似でお芝居じゃない」と思う。本当に「2.5次元」という言葉通り、2次元と3次元を行き来できるのが面白いです。

──では最後に舞台『ブルーロック』の見どころや、ファンの方に楽しみにしてほしいところを教えてください。

菊池 舞台上でサッカーを表現するという面白さはもちろん、凪と玲王を応援してくださっている方にはうれしいポイントも散りばめられています。そこは僕も台本をいただいたとき、実際に演出をつけてもらったときからワクワクしました。そういう細かいところも感じながら楽しんでいただけたらうれしいです。

小坂 開始直後から「あ、『ブルーロック』だ!」と感じると思います。その気持ちを最後まで保ってもらうためにも、熱量を持ってお客様を楽しませたいと思っています。ぜひ楽しみにしていてください。

舞台『ブルーロック』は2023年5月4日(木・祝)から5月7日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼにて、5月11日(木)から5月14日(日)に東京・サンシャイン劇場にて上演。また5月7日(日)17:30開演の大阪千秋楽公演、5月14日(日)17:30開演の東京大千秋楽公演が、DMM TVにてアーカイブ付きライブ配信される。

■取材・文/小林千絵

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