眞栄田郷敦、見る者を虜にする存在感…成長著しい23歳「プロミス・シンデレラ」では“色気ダダもれ高校生”を好演

2023.01.12 18:10

2022年10月期に放送された「エルピスー希望、あるいは災い－」(フジテレビ系)でテレビ局の新人ディレクターを演じ、時折見せるワイルドさと“弟分”的なかわいらしさのギャップも相まって、主役級の存在感を放った眞栄田郷敦。2021年7月期に出演したドラマ「プロミス・シンデレラ」(TBS系)では主演・二階堂ふみの相手役としてあふれる色気で見る者を虜にし、度々トレンド入りするなどSNSでも大きな反響を呼び、2019年のデビュー以来急成長を遂げてきた。2023年には「どうする家康」(NHK総合ほか)で大河ドラマデビューも果たす、日本の演劇界で頭角を現す眞栄田に注目する。

キャリア3年半で“主演級俳優”に

眞栄田の俳優デビューは2019年5月公開の映画「小さな恋のうた」。人気バンド・MONGOL800のヒット曲をモチーフに、沖縄の高校生たちがバンド活動を通じて成長する姿を描いたこの作品で、ギターを担当する高校生・譜久村慎司を演じた。

以来、現在23歳でキャリアはまだ3年半ほどだが、デビュー直後に出演した日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」(2019年、TBS系)で期待のラグビー選手・七尾圭太を演じたのをはじめ、「私の家政夫ナギサさん」(2020年、TBS系)、「教場II」(2021年、フジテレビ系)といった話題作に次々と出演。さらには主演ドラマ「キン肉マン THE LOST LEGEND」(2021年、WOWOWプライム)や「カナカナ」(2022年、NHK総合)など、一足飛びでステップアップしてきた印象だ。

中でも話題を集めたのが、1月4日からディズニープラスでも配信が始まった「プロミス・シンデレラ」。主人公・早梅(二階堂)が夫に離婚を切り出され、スリに遭って無一文に。眞栄田はホームレス同然となった彼女の前に現れ、「泊めてやるから、代わりにゲームしようぜ」と持ち掛ける茶髪の生意気なボンボン高校生・片岡壱成を演じた。

ギャップ萌え！な性悪のボンボン高校生役

老舗旅館「かたおか」を経営する片岡家の次男である壱成は、家が金持ちであるのをいいことに友達と豪遊三昧の放蕩ぶりで、態度もデカい。早梅との出会いのシーンでは万札をヒラつかせ、「ただで泊めてやるんだから、俺を楽しませろよ」と自分の楽しみのために早梅に“リアル人生ゲーム”を提案するなど、性悪キャラだ。

一方で、なんでもできる兄・成吾(岩田剛典)にコンプレックスを抱くピュアな面も。早梅に引かれ始めるとぶっきらぼうながらも彼女を真っすぐに思い、早梅のピンチには体を張って助けに入るいちずさを見せる。やがて2人は、10歳の年の差を乗り越えロマンスを繰り広げていく。

そんな壱成の魅力の一つが、憂いを含んだ色気あふれるまなざしだ。

早梅を熱っぽく見つめる瞳はいつもちょっと潤んでいて、なんとも色っぽい。当時21歳、俳優デビュー2年にしてこの表現力。ドSなキャラとすがるような熱っぽいまなざしの塩梅が絶妙で、視聴者からも「ギャップ萌えすぎる」「可愛いとかっこいいのバランスがいい」と好評。最終回はTwitterのトレンド1位を獲得する反響で、「早梅と壱成の今後が見たい」と続編を熱望する声も続出した。眞栄田の色気あふれるまなざしがクセになる作品だ。

新米ディレクターの人間的成長を表現した「エルピスー」

役によってまったく違う顔を見せる眞栄田の、引き出しの多さにも驚かされる。真実を伝える使命を持つ“メディア”の役割という社会派なテーマを扱った話題作「エルピスー」では、裕福な家庭で育った新米ディレクター・岸本拓朗を演じた。

ボンボンだった岸本が“真実を伝えること”に目覚め、一人のジャーナリストとして泥臭く“忖度”に立ち向かっていく。無精ひげを蓄え、人間としてひと皮もふた皮も向けた岸本には、序盤のボンボンな新米ディレクターの面影はない。その成長ぶりには目を見張るものがあった。

俳優デビュー以前にはサックスでプロの演奏家を目指していたという眞栄田。「キン肉マン THE LOST LEGEND」では、毎話のエンドロールで「キン肉マン」のテーマ曲を演奏し、その腕前を披露した。

そして1月8日に放送が始まった「どうする家康」では、最強大名・武田信玄(阿部寛)の遺伝子を継ぐ若き猛将・武田勝頼を演じる。父の知略・軍略の才も受け継いで武田家史上最大まで領地を広げ、三方ヶ原の戦いで壊滅的な打撃を負わせた徳川をさらに追い詰める、という役どころだ。初の大河ドラマ出演で、ますます活躍の場を広げていくであろう眞栄田のこれからに興味は尽きない。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部