

映画監督の顔も持つ女優・辻凪子「監督としても女優としても、自分オリジナルのシチュエーションコメディーをテレビ番組でやりたい」

テレビ東京系で放送中のドラマ「晩酌の流儀」(毎週金曜深夜0:52-1:23ほか)では、8月5日(金)の第6話で主人公・伊澤美幸(栗山千明)の職場の後輩・富川葵がメインとなるエピソードが放送される。
葵を演じているのは女優・辻凪子。辻は1995年生まれで大阪出身、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の映画学科俳優コースを卒業し、女優としてだけでなく映画監督としても活動を行っている。
今回はそんな辻にインタビューを行い、今作のことだけでなく、これまでの経歴や女優を志したきっかけ、さらに今冬に公開を控える活弁映画「I AM JAM ピザの惑星危機一髪!」などに関する話を聞いた。
大学在学時に“朝ドラ”に出演 監督した短編映画が海外映画祭で上映も
――WEBザテレビジョンでは初インタビューですので、まずは辻さんご自身のお話から伺いたいと思います。プロフィールには東住吉高校芸能文化科(大阪)のご出身とありますが、小さい頃から女優を志していたんですか?
小さな頃からテレビが大好きで、留守番してるときは幽霊が怖くて背中を壁につけてずっとテレビの前にいる子供でした(笑)。大阪生まれということもあってコメディーが好きで、お笑い芸人さんとMr.ビーンが好きでしたね。
人前に立ったら恥ずかしくて泣いてしまうような内気な子供だったんですけど、“人を楽しませる人”に憧れがあって、中学校のときに何でかは忘れましたけど、全校生徒の前で「桃太郎」の犬役をやったことがあったんです。
恥ずかしいかなと思いながら着ぐるみを着て、でも役に入ったら全然恥ずかしくなくて。600人くらいの前で堂々とセリフを言ったら、私のその一言で会場に爆笑が起こって、それがきっかけで、内気な性格だけど役をかぶったら人前に立てるんだっていうことに気付きました。
それで、女優になりたいということはみんなには内緒のまま、芸能文化科があった高校を受験しました。決めたのは受験1カ月前で、何とか受かりました(笑)。普通の高校とはちょっと違って、授業の1/3は芸能のことを学ぶ高校で、同級生も芸能の世界を目指してたり、裏方を目指す子もいましたね。
お芝居以外にも落語とか三味線の授業があって、落語は専攻して3年間学んで、実際に大阪の寄席に出たりもしました。あと、性格もお芝居を始めてから見違えるように変わって、めちゃくちゃ行動力が出て、休みの日は映画とか舞台を見に行ったり、すごく活発になりました。
――その後、京都造形芸術大学の映画学科俳優コースに進学したんですよね。
高校までは舞台しかやってなかったんですけど、テレビを見たら同い年の女優さんがめちゃくちゃ活躍してて「何で?」と思って。今のままだと私はそこに行けないんだ、もっと先に行かないといけないんだって気付いて、映像も学ばなきゃいけないと思ったんです。
でも、「高校を卒業したら東京に行きたい」ってお母さんに言ったら、「お金ないからあかん!」って言われて(笑)。それでいろいろ調べたときに、京都造形芸術大学の映画学科を見つけて、オープンキャンパスに行ったら黒木華さんが卒業生だということを知って。
年に1回プロと学生が本格的に劇場公開作品を作るっていうプロジェクトもあって、それなら私もここでいろいろできるかなと思って受験しました。
――在学中には監督兼主演でショートフィルムも作っていたということですが。
お芝居は授業で学んではいたんですけど、私が入ってからプロと劇場作品を作るっていうプロジェクトが中止になってしまって、「(作品に)出たい!出たい!」って焦っていたんです。授業を受けるだけで物足りなくて、ゼミで企画を出すのは誰でもできたので、自分で出したら通ってしまって(笑)。
それが自分が一番やりたかったコメディーで、友達は誰もコメディーを作ってなかったから、じゃあ自分で監督をして主演も自分でしたいなって思ったんですけど、そこもなかなか言い出せなくて。
でも、そのとき教授をしていた映画監督の青山真治さんが「どっちも自分でやりなよ」って言ってくれて、それで初めて「ゆれてますけど。」っていう短編映画を撮りました。
それが思ったよりも評価を頂いてしまって(笑)、ロンドンの「クリスタルパレス映画祭」で上映され300人くらいの海外の方に「ブラボー!」って言っていただいて、そのときに「俳優だけじゃなくて、作りたい」って思ってしまい、そこからどっちもやるようになりました。
自分の書いた1行が、カメラさん、照明さん、衣装さん、役者さん…全員の力で1つの映像になって、想像をはるかに超えたものが出来上がる喜びを知ってしまうと、いつも作る過程は大変なんですけど、「また作ろう」って思ってしまいますね。
――今も女優だけでなく監督業もされていて、今冬には監督・主演を務めた活弁映画「I AM JAM ピザの惑星危機一髪!」が公開されるんですよね。
私も大学まで活弁を見たことなかったんですけど、初めて見たときにこんな娯楽があったんだって、日本に昔からある文化なのに、私にとってはすごく新しい娯楽に感じたんです。無声映画と生の語りと生のピアノ演奏、この3つが重なったときにすごく感動しました。
見た人が誰でも面白いって思ってもらえる娯楽なので、ぜひ見てほしいと思います。活弁って名前は知られてきたんですけど、まだ見たことがない人がたくさんいると思うので。
みんな大人になって忙しくなっていくけど、子供心に戻れるような作品を作りたいなと思って、本当におもちゃ箱をひっくり返したみたいな、今まで見てきた楽しいものをこの映画に詰め込んだので、ぜひ見てほしいです。
――活弁映画ということは、活弁士さんと一緒に映画館を回っていくんですか。
そうですね。ロングランではなく1週間ずつ地方を回っていくというのを企画しています。できるだけスクリーンの近くで見てほしいので、ミニシアターで上映したいと思っていて、東京は12月3日(土)にポレポレ東中野で上映します。
――これまでいろいろな作品に出たり、作ったりしていらっしゃいますが、特に印象に残っている作品は何ですか?
一番見てもらえたのはやっぱり“朝ドラ”の「わろてんか」(2017年NHK総合)ですね。在学中だったんですけど、ドラマで初めて頂いた大きな役で。1カ月稽古して1カ月撮影っていう2カ月を過ごして、そういうふうにドラマに携わることがなかったので、一番印象に残ってます。
「晩酌の流儀」に出演した感じた“俳優としての醍醐味”
――では、現在出演されている「晩酌の流儀」についてお伺いしたいと思います。栗山千明さん演じる主人公・伊澤美幸の後輩・富川葵役で出演されていますが、演じるうえで準備したことなどはありますか?
連ドラに最初から最後まで関わらせてもらうのが初めてだったから、自分の個性もその中で出せたらなと思って現場に行ったんですけど、最初に監督さんから「違う」「ちょっと癖が強過ぎる」って言われてしまいました(笑)。
監督さんには「真面目な役で」って言われていたので、自分の個性を出しながら真面目にいこうと思ってたんですけど、「もっと都会の女の子っぽい役でお願いします」って言われて、しゃべり方から姿勢からしゃんとして(笑)。本当に素直に美幸さんに憧れて、美幸さんについて行くっていう姿勢で演じるようにしました。
――葵が登場する会社のシーンは栗山さん以外にもおかやまはじめさんと武田航平さんがいらっしゃいますが、現場はどんな雰囲気ですか?
おかやまさんには「姪っ子に似てる」って言われて、娘みたいな感じで話していただいてますし、武田さんとは奥さんの話とかわんちゃんの話をして、すごくお幸せそうですね(笑)。皆さん初対面だったんですけど、お芝居をしていると息が合うというか、空気感が同じ感じがして、すごく優しくてめちゃくちゃやりやすかったです。
スタッフさんも撮影の合間にいろいろな部署の方とお話できましたし、同世代のスタッフさんもいて、めちゃくちゃ親しくなりました。今回連ドラに最初から最後まで携わったことで、一緒に作品を作れたってことが俳優としての醍醐味なんだなって思ったので、これからそれをまた感じるために、メインで出られるようにならないとなって思いました。
――出来上がった作品をご自身でご覧になってみていかがでしたか?
栗山さんのビールの注ぎ方、うま過ぎませんか?(笑) 実際、「美幸は私です」って言うくらい性格も似ているらしいんですけど、あの注ぎ方は完璧ですよね。
あと、食事をおいしく見せるためのこだわりもすごくて、何回もリテイクを重ねて撮影されていたので、それがちゃんと画面を通して伝わる作品になっているなって思います。
――「晩酌の流儀」というタイトルの作品ですが、辻さんはお酒はお好きですか?
打ち上げとかでみんなと飲むのは好きだったんですけど、前まではジュースの方がおいしいと思ってたから、あんまり日常からお酒を好んで飲む方ではなかったです。でも、このドラマに出てから、ビールが本当においしくなって飲むようになりました。
――ビールに合わせる好きなおつまみは?
最近ハマっているのは「メンマ」です。あとはお刺身とか。日本酒もあんまり詳しくないんですけど好きで、地方に行ったら日本酒は絶対に飲みますね。
――なかなか渋いチョイスですけど(笑)、メンマに行きついた理由は?
前からラーメンのメンマが、絶対に追加するってくらい好きだったんですよ。近所で一番おいしいメンマも探したりして、その結果、お肉屋さんのメンマが一番おいしいと気付きました(笑)。
――最後に、今後出演したい作品や演じてみたい役はありましたら教えてください。
コントをやりたいですね。テレビでコントをやりたいです。
――シットコム作品ではなく、バラエティー番組でのコントですか?
どっちもやりたいです。でも、世代は違うけどドリフターズとか「ダウンタウンのごっつええ感じ」(1991~1997年フジテレビ系)を見てたので、芸人さんとコントをしたいですね。自分オリジナルのシチュエーションコメディーを、監督としても女優としても、クリエイターとしてテレビ番組でやりたいという気持ちもあります。
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