“好きを仕事に”で20年、中川翔子が語る「絶望状態の自分を助けてくれたもの」
6月8日に芸能界デビュー20周年を記念した写真集『ミラクルミライ』(講談社)を発売する、歌手・タレントの中川翔子。ブログや「しょこたん語」などあらゆるブームを生み出してきた彼女に、これまでの足跡をたどってもらいながら、30周年を見据えての未来の進み方について聞いた。(前後編の前編)
──今、「好きなことを仕事に」という風潮が喧伝される中、中川さんはデビュー当時から、ブログを武器にし、絵やアニメ・ゲーム、昭和アイドル、カンフー、ブログ……と趣味性を活かし続け、その足跡残し続けてきました。まさに「時代の申し子」だなと、勝手ながら思います。
中川 ありがとうございます。いやあ、振り返ると本当に不思議な人間ですね。歌うことは大好きだけれど歌だけではこの世界にいられない。だからといってバラエティだけでもダメ。本当に色々な姿、色々なことをやって私なんです。……今思い出しました、デビューしてしばらくしたある日、私が何をしているか分からないからと、某大御所の方に「君、あと3年以内に消えるよ」と言われたんです。
──うわあ、面と向かってその一言は失礼ですね。
中川 いやあ、「やっぱそう思いますよねえ」って悔しくも、本当に「何をしているか分からない変な人」として出てきたので、一瞬で消えるだろうと私も思っていましたから。実際、デビューしてからしばらくは仕事が全くこなくて、これはもう辞めろと言われているのかな?と思ったり(苦笑)。
──そういう「辞めよう」と思う瞬間を救ったのは?
中川 やはり、私の好きなことを続けることでしたね。例えばブログを始めとしたSNSには随分助けられました。
──デビュー間もなくのブログは、イラストをガンガン投稿し、好きな漫画や特撮について熱弁を振るうなど、自由でしたよね。
中川 私が高校生の頃はオタクという生き物は、周りから煙たがられることが多くて。とにかく人前で絵を描こうものなら「キモい」と蔑まれる、そんな世界で。その学校では蔑まれるようなことも、ブログでは好き勝手、自由に発散できました。私、SNSって「好き」や「褒める」ことを楽しむゲームの場所だと思っていて。そうした「好き」を発信する力が、未来の自分を作ってくれたし、未来の自分を助けてくれたんです。ブログやSNSで「大好き!」と書きまくり、発信しまくっていたら、私が会いたかった方……ジャッキー・チェンさん、鳥山明先生、松田聖子さん……もう、全員にお会いできたと思うし、「ポケットモンスター」のお仕事など、想像にも及ばなかったやりたいこともやれて。もう細かいことも含めて、メチャクチャ夢が叶いまくったんですよ。今、20年を振り返ると、きっとその「楽しい」を集めてきたから、今もこうしてお仕事ができているのかなあって。そういう意味では私、昭和ならデビューできていなかったはず(笑)。
──SNS以外にも中川さんを救ってくれたものはありますか?
中川 はい。“歌”に出会えたことも、私の救いになりました。仕事もなければ何をやっても上手くいかなくて、もう人生真っ暗のドン底にいた22歳のころに『空色デイズ』をいただいたんです。芸能界に入る前、「アニソンを歌える人になりたい」とボンヤリ思っていたことが、まさか叶うとは……と感動しました。
──今や平成を代表するアニソンとなりましたからね、『空色デイズ』は。デビュー間もないライブアイドルの子たちが選ぶカバー曲の一つに『空色デイズ』は必ずと言ってもいいほど入っていて、ライブアイドルシーンでは非常に重要な1曲だと思います。
中川 へえ~~~!!! まさかアイドルさんのカバーの鉄板になっていたんですか! 嬉しいなあ、誰かの夢の階段の途中に『空色デイズ』があるって。アニソン好きだ!アニソン歌手は憧れだ!!と思っていた幼少期の自分が聞いたら、ビックリするでしょうね。『空色デイズ』、私もすごく大きな想い出があるんですよ。
──それはなんでしょう?
中川 2018年頃、本当に何もかもうまくいかず絶望状態になってしまったんですね。心は死んでいるのに、仕事では全力で臨まなければいけない……人間そんな風に出来てないよ!!って。もう、あまりにも無理を続けて、2019年に入ってすぐに『ジョジョの奇妙な冒険』5部の聖地巡礼も兼ねて、母とイタリアのヴェネツィアに行ったんです。もう、海外の異世界的空気を吸わなきゃやってられん!って。髪の毛はボサボサ、メイクもしないで、本当に何の気なしの時間を過ごして。ある日レストランでご飯を食べていたら、1人のウェイターさんが「あの『空色デイズ』を歌っている中川翔子さん?」と話しかけてくれて。
──まさか、イタリアにも届いていた!
中川 何で知っているの!?と聞いたら、彼女がアニオタで、一緒に見ているうちに僕も好きになったんだと言ってくれたんですよ。こうした地球の全く違うところで、私の歌が誰かの耳に届いているんだと知ったら、もう暗い気持ちでいるわけにはいかないなと思ったんです。『空色デイズ』だけじゃない、どの曲も本当に命を繋いでくれる曲に出会えたのは私の宝物です。
──「好き」を貫き続けることは非常に大変ながらも、やはり「好き」を貫き続けることが中川さんをここまで導いてきたんですね。
中川 そうですね。私が「好き!」と言うだけで、ネットで叩かれることもありますが、その一方で「好き」を発信することでネットに救われることも多くあったんです。そうなったらもう、やりたいことをやるしかない。そうしたらどんどん、私を信頼してくださる方が増え、歳を重ねるごとに仕事の幅も増えてきたんです。なんならすごく昔に発信したことを、10年後に見てくださり声をかけていただくこともあって。そこで「人って、私が思っている以上に見てくれているんだな」とわかったんです。この「誰かは必ず見てくれている」ということがすごく励みになったんです。私を信じてくれる方を信じようと思えたからこそ、今も私は中川翔子でいられるんですよね。
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(取材・文/田口俊輔)▽中川翔子(なかがわ・しょうこ)1985年5月5日生まれ、東京都出身。「しょこたん」の愛称で知られ、歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターなど、活動は多岐に渡り、多数のバラエティ番組にも出演中。芸能界デビュー20周年を記念した写真集『ミラクルミライ』(講談社)は2022年6月8日発売。Twitter:@shoko55mmtsInstagram:shoko55mmtsYouTube:中川翔子の「ヲ」
▼中川翔子写真集『ミラクルミライ』(講談社)発売日:6月8日(水)定価:2,970円(税込)判型:AB判内容:144ページ<特典>ポストカード1枚(全3種)amazon:
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