全国の高校生が対象のミクスコンテスト「ベストオブティーン」京都府代表に千原創太郎さん「ジェンダー平等ついて考え、行動しています」
全国の高校生の中から日本一を決めるミクスコンテスト「ベストオブティーン」。同大会の京都府代表に、高校2年生(4月から3年)の千原創太郎さんが決定した。千原さんは京都府の代表として、5月5日に開催される「2022ベストオブティ―ン日本大会」に出場する。
■「ベストオブティーン」京都府代表・千原創太郎さん
――参加のきっかけについて教えてください。
「昨年夏に参加したLGBTQ啓発イベントで知り合った方に、“こんなのがあるよ”と紹介され、私のような人が出ることは、それだけで意味があるのではないかと思って参加しました」
――京都府代表に選ばれたときはどんな気持ちでしたか?
「まさか自分が選ばれるとは、という驚きと喜び、また県代表であると同時に他のマイノリティの方の代表でもあるんだという、少しの不安と責任感の重さを感じました」
――あなたを一言で表すと、どんな人でしょうか。
「うさぎとカメのカメのような人です。私は小学校一年生から野球をしてきましたが、ようやく主力になれたのは8年目の中学2年生になった頃でした。やりたいことは結果が出なくても出来るまで頑張れると思います」
――小さい頃のあなたはどんな子でしたか?
「小さい頃はとにかくマイペースで、恥ずかしがり屋な子どもでした。いつも一人で砂場にトンネルを掘ったり泥団子を作ったり、部屋の中では工作やレゴをしてずっと一人で遊んでいるのが好きでした。物を作るのは今も大好きです」
――あなたの“心の美の秘訣”について教えてください。
「私の心の美の秘訣は『相手のことを色々な方向から見る』ということです。これは、どんなに苦手な、合わない人でも視点を変えたり、細かく見れば良いところをみつけられるということです。例えば私の周りには勉強が苦手な子、嫌いな子が多くいます。しかし彼らはそれぞれにそれぞれの特技を持っていて、そんな彼らはとてもかっこよくて美しいなと思います。色々な方向から見るというのは自分自身にも言えることで、日々自分の良いところを探しています。そうして周りの人や自分の良いところを見つけていくことで、心の美は創られていくのだと思います」
――あなたのチャームポイントを教えてください。
「私のチャームポイントは笑顔です。みんなで写真を撮ったりするといつも一番良い笑顔をしているねと言われます。自分でも自分が笑っている顔が一番好きです」
――今までで一番頑張ったことを教えてください。
「一番最初に母にカミングアウトをしたことです。実際その話をした時間は2時間も経っていないくらいでしたが、時が止まっているように感じたし、『私の心は男ではない』ということを伝えるのには、本当に物凄い勇気が必要でした。それ以降、私は以前よりやりたいことをやりたいとはっきり言えるようになりました」
――憧れている人を教えてください。
「モデルの井手上漠さんです。私と同じように自らの性について長い間悩んできた先輩とも言えるような人で、いつも意見に共感しています。そしてSNSの自己紹介欄に書かれている『いでがみばくです。性別ないです。』という言葉に、自分らしく生きる信念を感じ、とても尊敬しています」
――SDGsや社会貢献に対しての考えや、実践していることを教えてください。
「ジェンダー平等についてです。これは男女平等ついての目標ですが、同じ性についての問題として、私は自身も当事者であるセクシャルマイノリティについてよく考えています。同性婚についてや、戸籍上の性別の変更にかかるお金やリスクの問題、海外で当事者が沢山殺されていること、いじめや自分への嫌悪感などによる自殺、より身近な問題では、トイレの使い方や制服について等、まだまだ多くの問題があります。私は男女平等と同じように、セクシャルマイノリティ含むさまざまなマイノリティも平等であるべきだと思います。当然差別されるべきではないし、また過度に守られる必要もないと思います。その実現に向け、私は小さなことですが、周りの同じような悩みを持つ友達の相談に乗っています」
――高校生だからこその、社会に伝えたいメッセージはありますか
「新しいことを考え、やり続けてほしいと思います。自分が成長すればするほど、新しいことに挑戦することは難しくなると思います。自分の価値観ができていくとその範囲に収まらないものは受け入れられなくなっていくように思います。だからこそ世の中を仕切っている大人が、またこれから大人になる子供たちが新しい挑戦を辞めなければ必ず社会は良くなり、SDGsの実現に繋がっていくと思います」
――将来の夢、今後について教えてください
「プロダクトデザイナーになり、自分自身やその他のマイノリティを助ける後世に残るようなモノを作りたいです。そして一生自分が面白い、楽しいと思えるなにかを考え続けたいです」
――ベストオブティ―ン日本大会へ向けての意気込みをお聞かせください。
「私は体が男性で、他のファイナリストの方とは違った責任があると感じています。特にSDGs5、10の実現を助けるため私のような人間がいて、それが他の人となんら変わらない同じ人間で、差別されるべきではないということを伝えるということです。もちろん京都府の代表に選んでいただいたので、京都代表としても頑張りますが、それと同じくらいに数多ある少数派の代表として、大会へ向け努力したいと思います」
■千原創太郎
学年:高校2年(2022年4月から3年生)
誕生日:3月2日
出身地:大阪生まれ、兵庫育ち
身長:166cm
血液型:A型
趣味:本、野球、写真、ものづくり、包丁研ぎ、古いもの(レコード、レトロな路地、古い看板…)、映画、アニメ、読書
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