古川雄大、好きな場面は“胸キュン”シーン！相手役の山谷花純は「目から伝わるぬくもりを感じた」＜私の正しいお兄ちゃん＞

2021.10.13 06:00

影のある主人公を古川雄大、そんな彼を愛してしまうヒロインを山谷花純が演じる純愛ラブストーリー「私の正しいお兄ちゃん」が、10月15日(金)からFODで配信スタート。同作は、モリエサトシの同名漫画が原作である。

幼少期に両親の離婚で兄と生き別れになった木崎理世(山谷)は、バイト先で兄の面影を持つ内田海利(古川)と出会う。海利(かいり)は不眠症に悩まされているが、なぜか理世(りぜ)の肩を借りると眠ることができたことで、二人は急接近。

しかし、ある時、理世は、“彼は殺人者なのでは？”と疑いを持つ。しかも、その殺した相手が理世の生き別れた兄である可能性が浮上し、二人の関係は複雑化していく。

主演の古川自身、「ラブとサスペンスの融合がすごい」と自賛するほど、過去に秘められたパンドラの箱が一つずつ開かれるようにサスペンス要素もしっかりと描かれている「私の正しいお兄ちゃん」。最後まで息着く暇のない同作について、主演の古川とヒロイン役の山谷に話を聞いた。

古川「念願がかなって本当にうれしかった」

――最初にお話を聞いた時は、どんな印象を持たれましたか？

古川：僕はサスペンスが好きなので、「サスペンスに出られる！」という感覚でした。しかも主演で、初めて主題歌も歌わせていただけて。念願がかなって本当にうれしかったです。

山谷：私は今回、初めてヒロインをやらせていただいて。このお仕事を始めた当初から願っていたことがこのドラマでかなって、すごくうれしいのと同時に、ラブストーリーに関わることが少なかったのでたくさん勉強させていただきたいなと思いました。

――互いに過去を背負う役どころですが、人物像はどのように捉えていましたか？

古川：海利はすごく真面目で、人当たりも良く、みんなから信頼を得ている人物です。学生時代は生徒会長もやるような。父親が教育委員会の会長を務めていて、父の影響を強く受けていたのですが、あることで父親への信頼がなくなり、一気に孤独になる。とにかく孤独で寂しい人という印象で、頼るものを探していて、理世に出会った。なので、本当の意味での明るさを、理世を通して取り戻していくという印象です。

山谷：私は最初は、理世は明るく活発で純粋で、同性から好かれるような女性だなという印象を持ったんですけど、台本を読んだら印象が変わって。明るさや無邪気さはいろんな大変なことがあったからこそ、人に心配を掛けたくないゆえの表現なんだろうなと思いました。海利とはまた違った意味での孤独や、空いた部分を埋めてくれる存在を求めていたんだろうなと思います。

――そんな二人が出会って、恋に落ちていくわけですが、そこから二転三転…。感情の変化を表現するのが大変だったのではないですか？

古川：理世ちゃんは特に大変だったのではないかと思います。好きになった相手が兄を殺したかもしれないと思う感情って、計り知れないですよね。確かに僕の方も殺した相手が好きな子の兄だったかもしれないってすごいことですけど、衝撃は理世ちゃんの方が大きいのではないかなと思います。

山谷：涙するシーンがすごく多かったので、無我夢中でした。カチンコが鳴る直前まではいろいろなことを考えていたのですが、本番での感情はあまり覚えていなくて。でも、終わった瞬間にどっと疲れが来ていたので、すごく集中してお芝居していたんだろうなと思います。自分の経験だけでは収まらない役どころでしたし、想像するにも限界があって…。人を殺めてしまった人に会ったことはないですから。ただ、海利が殺人犯であるいう設定を考えすぎると気持ちが追いつかなかったので、ラブラブしたシーンは海利のバックボーンを意識せずに挑んでいたように感じます。

古川：それぞれの感情が見えるのは互いに一人の時で、一人のときと二人でいるのときの温度差をどう表現するかに悩みました。やり過ぎると違和感が出てしまうかもしれないですけど、海利がやったことは絶叫したくなるぐらいのことだろうなと思ったので、そこは監督に導いていただきました。

――常に二人の関係性がキーになっていく作品ですが、互いに古川さん、山谷さんでよかったなと思った点は？

古川：(山谷さんは)包み込まれる感じがすごくあって、触れ合い方がすごく上手なんです。例えば、海利の肩をさすったり、抱き起こして抱えたりしてくれるときの動きがすごくスムーズで、すごいなって思いました。

山谷：そうだったんですか？　知らなかった(笑)。

古川：温もりや守られていることをすごく感じました。

――海利は理世の肩を借りて寝ますが、よく眠れたのでは？

古川：はい。よく眠れました。

山谷：撮影中、ちゃんと寝てましたよね？

古川：演技とかじゃなくて、本当に寝てしまっていました(笑)。

古川：あとは向き合った時に、目がすごく印象的で。

山谷：ギョロ目ちゃんみたいな(笑)。

古川：そういうわけではですが、顔の半分ぐらいが目だなって。

山谷：ちょっとイジってますよね？

古川：してない、してない(笑)。みんなにうらやましがられない？

山谷：そんなことはないです。以前はアニメ顔だねと言われました。昔はもっとガッ！で。

古川：昔、もっとガッ！だったの？　落ち着いてきたの？

山谷：大人になるに連れて、ちょっとずつ(笑)。

古川：そうなんだ(笑)。見つめ合うシーンでは、目から伝わるぬくもりを感じたので、山谷さんでよかったなと思います。

――山谷さんは古川さんに対していかがですか？

山谷：ものすごく温厚で、温泉に浸かっているような気分になる喋り方をするので。

古川：あはは。

山谷：よく言われませんか？

古川：え？　「何を言ってるのか、分からない」とは、よく言われるけど(笑)。

山谷：あはは。話すスピードだったり、心地よく感じる空気感を作ってくださるので、海利との関係性をうまく表現することができました。それから古川さんは、漫画の海利に見た目がそっくりだったので、自然と理世としていられたなと思います。

古川：それは僕も思ったよ。理世ちゃんにそっくりだなって。撮影中にも2、3回言ったよね。1回でいいのに(笑)。

山谷：2、3回言われましたね(笑)。

古川：何度も言いたくなるぐらい、似ているなと思いました。

――では、お二人が好きなシーンは？

古川：基本的にキュンキュンさせるシーンが多いんですけど、その中で僕が女性として見たらここはキュンとするだろうなと思ったのは、後半の海のシーン。理世ちゃんにケアしてもらっている一連のシーンは、キュンとするところだろうなと演じながら思いました。

山谷：私は原作にもあるんですけど、海利のうるうる子犬の目のシーン。子犬のような目で、行かないでというシーンは古川さんファンだけでなく、女性なら誰でもキュンとするんじゃないかな？と思いました。古川さんはただでさえ大きな目をうるうるされて、すごく魅力的だと思ったので、ここはお薦めです！

古川：大きな目の方に、大きな目と言っていただけて、すごくうれしいです。

山谷：あはは。

――古川さんは主題歌を作詞作曲して、歌われてもいますが、終わってから制作されたんですか？

古川：ドラマの撮影に入る前から制作に取り掛かり、撮影と並行して進めて、撮影が終わった時点でレコーディングに入りました。ドラマに寄り添うような曲になっていて、自分が受け取った作品のメッセージを込めました。愛の可能性と、それと正反対の人間の弱い部分を取り入れています。映像と合わさった状態はまだ見ていないので、自分でもすごく楽しみです。

――最後にドラマを楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

古川：原作を忠実に再現しているので、原作がお好きな方にも楽しんでいただけるのではないかなと思います。もちろん原作を知らない方にも楽しんでいただけると思います。

山谷：今回の現場はスタッフもキャストもすごくいいチームで、とてもいい雰囲気のなかで撮影できました。現場の雰囲気がいいとそれが映像に反映されて、作り手の思いが届く作品になることが多いと思うのですが、このドラマもそういう作品になっているのではないかと思います。表に出ているのは私たちかもしれませんが、その向こうにはたくさんの方たちがいるので、その方たちの思いも届いたらいいなと思います。

古川：サスペンス要素がしっかりある上に、とてもピュアな恋愛が描かれていて、二人が互いに手を取り合って歩いていく姿に可能性を感じられる作品になっていると思いますので、ご覧いただけたらうれしいです。

取材・文＝及川静