cover interview 志田彩良
「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から志田彩良さんのインタビューをお届けします♪
cover interview 志田彩良
人気作家・窪美澄氏の短編集「水やりはいつも深夜だけど」に所収された同名小説を今泉力哉監督が映画化。家庭環境の影響で早く大人にならざるを得なかった主人公の高校生・国木田陽を演じるのは志田彩良さん。
今泉監督映画作品では「パンとバスと2度目のハツコイ」「mellow」に続き3度目となる志田彩良さんにお話を伺った。
Profile
1999年生まれ。2013年~15年、ティーンファッション誌『ピチレモン』の専属モデルとして活動。2014年、(短編)映画『サルビア』で主演を務め女優デビュー。その後2018年『チア☆ダン』(TBSテレビ)『パンとバスと2度目のハツコイ』(映画)、2020年『だから私はメイクする』『ゆるキャン△』(テレビ東京)など、数々のドラマや映画に出演。TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』で秀才女子、小杉麻里役を演じて脚光を浴び、今、一番期待される若手女優として大注目されている。
家族の大切さや相手を想う気持ちその大切さに改めて気付かされた作品です
「こんなにも早く夢が叶うとは想像もしていなくて、喜びと感謝でいっぱいでした」
キャスティングのオファーが来た時の気持ちを伺うと、嬉しそうにそう答えてくれた志田さん。今回で映画3度目のタッグとなる今泉監督。その今泉作品で主演を演じることは、志田さんの密かな夢だったという。
「まだまだ先の話だと思っていたので驚きました。そして所属事務所の設立25周年記念の大切な作品。出演させて頂けるだけでもありがたいのに、主演という大役で…。クランクアップした時にはとてもホッとしました。撮影中は実感がなかったのですが、きっと気づかないうちにプレッシャーを感じていたのだと思います」
志田さんが演じた主人公・国木田陽は、幼い頃に母が家を出てしまい、父とふたり暮らし。そこへ父の再婚相手と連れ子がやって来て、戸惑いながらも新しい生活を始める…という、複雑な家庭環境の女子高生。
「陽も私も話の聞き役側というのは似ている気がします。だからあまり深くキャラクターを作り込んだりはしなかったのですが、まずは『家事をこなさねば!』と(笑)。実家暮らしなので、お恥ずかしながらこれまで洗濯機を回したこともなくて…。撮影前が自粛期間ということもあったので、これを機に実家で家事を担当することにしました。そして偶然にもその期間にちょうどいとこに赤ちゃんが産まれてお世話することができたので、タイミングよく役作りに活かすことができました」
料理は前から好きでよくやっていたという志田さん。
「中学生のとき家庭科部部長でした。得意料理はバターチキンカレー。お水を一切使わずにスパイスも自分で配合して作る本格派です。でも好きなものを作って食べるのと、毎日献立を考えて作るとでは全く違いました。母親の大変さを実感しました」
陽は家庭環境のせいで早く大人にならざるを得なかった高校生だが、小学生からこの仕事をしている志田さんはご自身にかぶる部分があるのでは?
「うーん、早く大人にならないといけないとは思わなかったです。ただ撮影現場に行くのを楽しんでいる無邪気な子供だったと思います。『仕事』として自覚したのは高校を卒業してからでした。友達が大学に進学する中、私はこの仕事で食べていくと決めてから今以上に頑張らないといけないと感じました。それから仕事に対する意識や取り組み方が変わった気がします」
今回の撮影現場でも父親役を演じる井浦新さんをはじめ、たくさんの先輩たちから刺激を受けたという。
「みなさん立ち振る舞いが素敵な方ばかりで、その姿に一歩でも近づけるように毎回勉強させていただいています。今回は井浦さんとの親子シーンを先に撮影したのですが、撮影最後の日に『これまでの撮影で陽の真の部分が見えたと思うから、明日からの友達とのシーンはとにかく楽しんでおいで。同級生といるときの陽そのものを気楽に楽しんだらいい』とアドバイスを下さって。とても気持ちが前向きになりました。現場でプレッシャーを感じずにいられたのも井浦さんの言葉に救われたからかもしれません」
同級生役の陸を演じたのはドラマ『ドラゴン桜』でも共演した鈴鹿央士さん。現場での様子を伺うと「実はほとんど話してない」と意外な答えが。
「ドラマの撮影よりこの作品の方が前で、ふたりとも人見知りでなかなか話せませんでした。お互い気を使い合っ てしまって。まさに陽と陸みたいな関係性だったと思います(笑)。でも、この作品のおかげでドラマで再会したときには何でも話せる関係になっていて、今では戦友です」
劇中では陽と陸が絵画を見に行くデートシーンも。そこで理想のデートを聞いてみると「工場の夜景が見たい」とのお答えが。てっきりどこか展望台や高層ビルから眺めるのかと思いきや続けられた言葉に驚いた。
「新湘南バイパスから一瞬だけ見える工場の夜景が好きです。運転しながら見るのも好きですし、助手席から眺めていても綺麗。運転を交代しながらドライブデートしたいですね」
意外にもアクティブな一面を見せてくれた志田さん。今後の目標を聞くと。
「『志田彩良といえばこんな役』ではなくて、どんな役でも演じられる女優になりたいです。役作りで太ったり痩せたりと内面も外見も毎回変えて、視聴者を驚かせたいです。志田彩良だと気付かれなかったら勝ちだと思っています」
そういたずらっぽく笑顔を見せてくれた志田さん。これからどんな姿を見せてくれるのか今から楽しみだ。
『かそけきサンカヨウ』
(c)2020映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会
監督/今泉力哉
出演/志田彩良/井浦新鈴鹿央士、中井友望、鎌田らい樹、遠藤雄斗、石川恋/梅沢昌代、西田尚美/石田ひかり 他
公開/10月15日(金)テアトル新宿ほか
Photo / Hirohiko Eguchi(Linx.)
Styling / Takashi Yamamoto(style3)
Hair&Make / Ai Sasaki
Text / Satoko Nemoto
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