小出恵介主演「酒癖50」に小池徹平が出演

小出恵介主演「酒癖50」に小池徹平が出演! 「M」や「奪い愛―」などABEMA“癖強”ドラマに期待

2021.08.10 17:01
小出恵介主演「酒癖50」に小池徹平が出演

小出恵介主演、鈴木おさむ主演のABEMAオリジナルドラマ「酒癖50(フィフティ)」(毎週木曜夜10:00~、ABEMA SPECIALチャンネルにて全6話)で、8月12日(木)放送の第5話と、8月19日(木)放送の第6話に、小池徹平が出演する。2人の共演が学園ドラマ「ごくせん」(日本テレビ系)以来、15年ぶりなのも話題だが、今や狂気に満ちた演技で人々を魅了する小池が今作にどんなスパイスを加えるのか、見逃せない。

なぜなら今作は、題材や物語のアクの強さ、キャラクターの濃さ等において、相当、攻めている作品である。ABEMAには、ぬるいドラマ作品に物足りなさを感じているような視聴者も、うなる作品が並ぶ。一度見たら忘れられない程のインパクトを残してきた「奪い愛、夏」(2019年)や「M 愛すべき人がいて」(2020年)といった作品は、出演者も制作陣も振り切って“本気”で作っていることが分かる、言わば“癖の強い”ドラマたちだ。

酒野(小出)と親友・武山(小池)の過去が明らかに

小池は主演の小出恵介演じる酒野聖(さけのせい)の親友・武山健太役としてクライマックスを盛り上げていく。昨今の小池は「大恋愛~僕を忘れる君と」(2018年、TBS系)や「ギルティ~この恋は罪ですか?~」(2019年、日本テレビ系)、「奪い愛、夏」(2019年、ABEMA)など、ドラマ出演のたびに「うわ、小池くん怖い、怖い」「狂気に満ちている…」「怪演キターー」などと、SNSを席巻して視聴者を震撼させており、ここに来ての登場は重要なキャラに違いない。

本作は、お酒によってあぶり出される人間の本当の弱さや愚かさ、現代社会の闇を描くオリジナルドラマ。酒野は、とある企業の社長から“酒癖の悪い50人”の社員を集め、彼らの更生を任される。しかし、酒癖の悪い参加者は、懲りることなくお酒を飲み続けることで衝撃の結末が降りかかる。いよいよ第5話(8月12日放送)からは酒野の、知られざるお酒にまつわる過去も明らかになっていく。

ベンチャー企業を起業した酒野と、中学の同級生で親友のBar経営者・武山は互いの門出を祝いあった仲。しかし、酒野の会社が急成長し、次第に酒の飲み方も傲慢な態度に変わった酒野に対して武山は「人が変わることは悪いとは思わない。だけど、格好悪く変わってると寂しい」と苦言を呈すこともあった。しかし、酒野の酒の飲み方は悪化の一途を辿り…。これまで描かれなかった酒野の壮絶な人生を描いていく。

酒によって転落していく社員たち…

「酒癖50」で、酒野が更生を促してきた社員たちの飲み方は、相当、ひどいものだった。部下に一気飲みを強要する青田(浅香航大)は“アルハラ”を繰り返していたし(第1話)、お酒を飲むと態度がひょう変する営業部・下野(前野朋哉)は酒乱そのもの(第2話)。お酒を口にしたときだけ“無礼講”をさく裂させる部下・口山(犬飼貴丈)や(第3話)、美人社員に強い酒をすすめて女性を口説く色川(村上純・しずる)ら(第4話)は、酒によって自分が大きくなっていることに気付いていない愚か者たちだった。

彼らに待ち受けているラストはどれも、息を飲むほど衝撃的で強烈なシーンになっている。酒におぼれて人生を棒に振った者たちの悲惨な姿には、ハッとさせられるに違いない。「あのときやめておけば良かったのに…」といった失敗のきっかけや、人間の弱い部分も逃げずにしっかりと描くドラマだからこそゾッとするほどの衝撃が得られるのだろう。

突き抜けた“衝撃”を体感できるABEMAドラマ

ABEMAの配信ドラマは、“衝撃作”を量産している。例えば、歌姫・浜崎あゆみ誕生秘話をドラマ化した「M 愛すべき人がいて」では、激動の音楽業界を駆け抜けるアユ(安斉かれん)とマサ(三浦翔平)の愛と葛藤を描いたが、脚本の鈴木おさむが紡ぎ出したのは激しいドロ沼の世界。嫉妬に狂うマサの秘書・礼香(田中みな実)は、終始、粘っこくアユとマサの周りをうろついており、芸能の世界でライバルたちからいじめられるアユが涙をこらえるシーンなどは、昭和のスポ根ドラマのようであった。

同じく鈴木おさむ脚本の「奪い愛、冬」(2017年、テレビ朝日系)の続編である「奪い愛、夏」は、水野美紀、小池徹平、松本まりかといった“豪華怪優陣”がそろい踏みで、危険な愛の駆け引きに狂っていく様子が話題となった。目を見開く水野美紀が「ここにいるよー!」と迫ってくる姿を思い出す人もいるのではないか。

「そこまでやる!?」「その顔スゴいわ…」といった声が寄せられる程、とにかく“癖が強い”作品は、見ている方の心も忙しい。キャラクターも、物語の面でも予想もつかない展開をツッコみながら見たり、登場人物たちの悲惨な姿にあ然とすることもあるが、ドキドキやワクワク、恐怖や不快感なども含め、ドラマを見たことで得られる最上級の体験が待っている。映画でも地上波ドラマでも味わえない、ちょうどいい“癖強”ぶりは一見の価値あり、である。

文=中田蜜柑

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