“プリンス・トクガワ”徳川昭武を演じる板垣李光人インタビュー!

板垣李光人、日常生活は「“プリンス”というイメージから遠いです(笑)」吉沢亮、草なぎ剛との撮影エピソードも語る!<青天を衝け>

2021.07.04 08:00
“プリンス・トクガワ”徳川昭武を演じる板垣李光人インタビュー!

吉沢亮主演で、現在放送中の大河ドラマ「青天を衝け」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。7月4日放送の第21回は、NHK総合での放送時間が15分繰り下げられ、夜8:15-9:00となっている。同作は、新一万円札の顔としても注目され、“日本資本主義の父”と称される渋沢栄一が幕末から明治へ、近代日本のあるべき姿を追い続け、時代の渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも高い志を持って未来を切り開いていく姿を描く。

7月4日の放送からは、板垣李光人演じる徳川昭武が本格登場。兄である徳川慶喜(草なぎ剛)が第十五代征夷大将軍に就任し、昭武の未来を託す場面が描かれる。そして、篤太夫(栄一=吉沢)は、昭武の随行でフランス・パリ万博へ同行することに。昭武、篤太夫の運命が大きく動き出す。

現在の年齢にして13~14歳という若さで、日本の代表としてパリへと渡った昭武。“プリンス・トクガワ”と呼ばれ、皇帝・ナポレオン三世との謁見、万博の主要行事終了後には、さらにヨーロッパ各国を歴訪、国際交流の先駆者としての役割を果たす。

そんな昭武を演じる板垣は、慶喜が大役を任せるほどの「品位やカリスマ性があったのでは」と語る。WEBザテレビジョンでは、板垣にインタビューを行い、役への印象や役作りについて、吉沢や草なぎへの印象などを聞いた。

板垣李光人インタビュー

――これまでの「青天を衝け」をご覧になって、どのような印象を持たれていますか?

大河ドラマは歴史あるものですし、特に若い方たちはハードルが高いと思っている人もいると思います。

ですが、第1回のカイコが躍っているように表現されたシーンや、幕末なのに徳川家康が「どうも徳川家康です」って自己紹介しながら出演するところが“新しい大河ドラマ”という印象を受けて、とても面白いなと思いました。

たくさんの人に、いろいろな世代の人に楽しんで頂ける大河ドラマだなと見ていて感じました。

板垣李光人「昭武の強さや覚悟をイメージしながら演じました」

――「青天を衝け」への出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?

以前、大河ドラマ「花燃ゆ」(2015年、NHK総合ほか)に出演させていただいて、その時は13歳で今は19歳なのですが、10代の間に2回も大河ドラマという大きな作品を経験させていただけて、とても贅沢なことだなと感じています。

オーディションが昨年の2月頃にありまして、昭武役として決定のお話をいただいたのが、昨年の10月ぐらい。日にちがあいていたこともあり、正直受けた事も忘れていたので、出演が決まった時はとても驚きました。

――演じる昭武はどのような人物でしょうか。

徳川昭武という人物を知らなくて、役をいただいてからたくさん調べました。

昭武の写真を拝見した時に、気高い人だなという印象を受けたので、演じるときには“気高い空気をまとった動き”や、“鋭く柔らかい人物”であることを表現しようと思いました。

昭武は現代だと、中学生ぐらいの年齢で、日本を背負ってパリに行くという大役を任されます。幼いですが、慶喜が任せようと思えるほど、昭武にはそれ相応の品位やカリスマ性があったのではないでしょうか。慶喜が昭武に日本の代表としてパリ行きを任せたいと思えるような話し方や、たたずまいを演じる上で大切にしたいなとお話しをいただいたときに思いました。

――13~14歳でパリに行くというイメージはどのように膨らませましたか?

ただパリへ行くということではなく、日本を背負って行くということ、これまでの日本の歴史も背負ってパリ万博に向かうということを意識しました。

「日本はこういうところで…」というのを皇帝・ナポレオン三世やフランスの方たちに伝えないといけないので、現代の13~14歳の人たちが感じることのないような圧力もあったと思います。

ですが、昭武はそれをも凌駕して、押しのけて堂々としていた人だと思うので、昭武の強さや覚悟をイメージしながら演じました。

――板垣さんご自身が、もし昭武のようにパリへ行くとなったら…

自分だったら考えられないですね。

国を背負ってパリに行く…僕には絶対ムリだなと思いながら演じていました。

――昭武が13~14歳でパリに行くのと、板垣さんが「花燃ゆ」に初出演したことが同じくらいの年齢で、通じ合っているなと感じたのですが、当時のことを振り返っていかがでしょうか?

今回「青天を衝け」で現場に入った時は、「花燃ゆ」の撮影を思い出して、懐かしいなという気持ちになりました。

大河は関わる人の数も多いですし、現場の空気感もとても独特なものがあるのですが、当時は幼かったこともあり、あまり緊張してなかったと思います。今回の方がより責任を感じながら演じることができていると思います。

そして、「花燃ゆ」の時は大河ドラマという作品の大きさもそうですし、せりふや所作なども、それまで演じてきた役とは違っていたので、とても新鮮だったことを覚えています。

13~14歳のころに大河ドラマに出演できたことは、大きな経験になったと思います。

板垣李光人「草なぎさんにも慶喜にもより敬愛の念が高まった」

――昭武を演じる上で準備したことはありますか?

昭武は、身分が高い役どころなので、決まった所作が多くあります。

ですが、その中でも自然に役を生きていかなければいけないので、そういう所作や動きを、自分の中で噛み砕いて、“昭武ならどのように動くか”を常に考えながら演じました。

台本を噛み砕きながら読み進めることは、やはり時代劇や大河ドラマならではだと思います。

――今回、昭武は“プリンス”と呼ばれますが、演じられる上で普段から“プリンス”を意識されていましたか?

日常生活は、“プリンス”というイメージから遠いです(笑)。

なので、撮影が近くなると、昭武をイメージして、歩き方などは意識していました。

――昭武がパリにいる間に大政奉還が起こります。その時の昭武をどのように演じましたか?

パリへ行く前に、慶喜から「あらかじめ事変が動いても…」と言われる場面があります。その時から頭が良い昭武は、“何か起こるだろうな”ということを、予見していたと思います。

そして、いざ日本から離れ、遠い異国の地で、情報が入ってくるのも何カ月かラグがある中で、日本の状態を知り、とても衝撃的だったのではないかと考えます。

でも、昭武はそんな混乱の中でも「自分はこれからどう動いていくべきか」、「どうしていかなければいけないのか」ということに考えを巡らせていたと思います。そのような昭武をイメージしながら演じました。

――兄である慶喜を演じる草なぎ剛さんの印象はいかがでしょうか。

慶喜を演じられているときの草なぎさんは、目の奥に闘志を感じる時もあれば、表情が優しく、柔らかい雰囲気を感じる時もあります。

斉昭(竹中直人)という厳格な父がいて、柔軟な慶喜がいて、その対照的な2人のコントラストも、昭武の考え方に影響を与えていると思います。昭武は、慶喜の柔軟さをとても尊敬していて、昭武は“自分もこうありたいな”と感じていたと思います。

いざ、草なぎさんと芝居をさせてもらった時には、慶喜を尊敬する昭武の気持ちが自然と湧き、草なぎさんにも慶喜にもより敬愛の念が高まったのを覚えています。

板垣李光人「とても目が素敵で、印象的な方だと思いました」

――主演の吉沢亮さんの印象はいかがでしょうか。

これまで、吉沢さんが出演されている作品をたくさん拝見してはいたのですが、実際にお会いして、芝居をさせていただいたときに、とても目が素敵で、印象的な方だと思いました。

栄一が、初めて見る世界に目を輝かせるような、子供のようなすごく澄んだ目をされているときもあれば、鷹のような鋭い目をされているときもあって、その変化を間近で感じることができてとてもうれしかったです。

芝居以外のところでは、僕が5月に情報番組のパーソナリティーをやらせていただいたのですが、その時に朝2時半に起きて、番組が終わってから「青天を衝け」の撮影に向かうことがありました。

以前に、吉沢さんも経験されていたので、朝早いことなどを心配してくださって、「大丈夫?」と声を掛けてくださり、優しい方だなと思いました。

あと、服の話もしてくださいました。僕は変わった服が好きなのですが、「今日は変な服?」「今日は普通ですね」っていう会話をしました。

――撮影で印象的に残っているシーンはありますか?

今回は、残念ながら実際にパリへ撮影に行くことができなかったので、事前に映像などを見せていただき、イメージを膨らませながら撮影しました。

ナポレオンに謁見するシーンでは、豪華絢爛な宮殿には、たくさんの人が並んで、正面にナポレオンがいて、宮殿に足音が響く、緊張感がある中で…ということを想像しながら集中して撮影に臨みました。

また、栄一と二人でセーヌ川の川辺を歩くシーンがあるのですが、残念ながらグリーンバックでの撮影で…その時も風だったり、川のにおいだったり、パリの景色だったりというのも全部想像しながら演じました。なので、完成した映像を見るのがとても楽しみです。

――パリ万博では、昭武と栄一との関係性が見どころかと思います。二人の絆をどのように感じられましたか?また、昭武と栄一の見どころはどこでしょうか。

昭武に近しい家臣ではありながらも、二人は身分が違いますが、パリで栄一の柔軟な考え方や聡明さに触れ、昭武は栄一に信頼を置いていきます。

父の斉昭は、とても厳格な人で昭武もその考えを受け継いでいるのですが、そんな中で、栄一の考え方や柔軟さに感銘を受けます。

パリでも水戸の侍たちと問題が起きたときに、栄一の考えに昭武は共感しますし、慶喜からの手紙が届いて自分はどう行動すべきかと迷ったときにも栄一の考えに心を打たれます。

昭武が身分を越えて栄一に心を動かされていくところは、今後の見どころの一つになると思います。

板垣李光人「信頼していることが伝わる場面だと思う」

――最後に、今後の昭武の見どころを教えてください。

やはり、先ほどもあげた、ナポレオンと謁見するシーンは、昭武にとって大きな仕事でしたし、そこはかっこいいシーンになっていればいいなと思います。

個人的に好きなのは、栄一とセーヌ川を歩いているシーンです。昭武が正直な思いをここまで伝えられる人は栄一しかいなくて、信頼していることが伝わる場面だと思うので、いいシーンになっていると思います。

第21回「篤太夫、遠き道へ」(7月4日放送)のあらすじ

篤太夫(吉沢)は、パリ万博に参加する慶喜(草なぎ)の弟・昭武(板垣)の随行でフランス行きを打診され、その場で快諾する。

一方、慶喜は第十五代征夷大将軍に就任。慶喜は篤太夫を呼び出し、昭武の未来を託す。その後、横浜で初めて勘定奉行・小栗忠順(武田真治)と対面した篤太夫は、このフランス行きに秘められた重要な目的を知らされる。旅立ちの前、成一郎(高良健吾)と再会した篤太夫。二人は牢に囚われている長七郎(満島真之介)と久々に対面するが…。

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