舞台“天才てれびくん”に出演の健人、「(子供の時)『“天てれ”に出ていたよね？』と言われていました」

2021.06.21 06:00

舞台「刀剣乱舞」の鶴丸国永役などで知られる健人が、次に登場する舞台は「天才てれびくん the STAGE〜バック・トゥ・ザ・ジャングル〜」。娯楽を楽しむと取り締まりにあってしまう世界で、監視人のモリノ役を演じる。“生で楽しむ”という娯楽を大きく制限されている現在、彼はどんな気持ちでこの舞台に向き合うのだろう。

――「天才てれびくん」(NHK)は多くの子どもが通る番組ですが、健人さんも見ていましたか？

幼少期、タイミングが合った時は見ていました。他の番組と比べて、出演者の年齢が自分と近かったので、楽しんでいましたね。いろんな要素…物語みたいなものもあればバラエティ的な企画もあって、本人が本人役で出演していることもあり、「僕もてれび戦士になりたいな」と思っていました。

――そして大人になり、舞台「天才てれびくん the stage〜バック・トゥ・ザ・ジャングル」の出演が決まりました。オファーが来た時の感想は？

誰と間違われていたのかわからないんですけど、ダンスを習いに行っていた小〜中学の時に、なぜか「『天才てれびくん』に出ていたよね？」とよく言われていたんです(笑)。舞台のお話をいただいて、本当はてれび戦士じゃない僕が出てもいいのかなって(笑)。台本をいただくまでは、どんな役回りなのか気になりました。

――その役回りは、ジャングルに住む娯楽監視人・モリノ。台本を読んでみて、いかがでしたか？

まだ稽古は始まっていないんですが(取材日時点)、今後がすごく楽しみになりました。ベースはいただいた台本なのでしょうが、これからいろんな要素が追加されていくだろうし、稽古場で生まれるアレンジでさらに面白くなっていくことを予感させる脚本・演出家・キャストです。

川尻恵太さん(脚本担当)とは昨年の舞台でご一緒させていただきましたが、今回もまた川尻さんらしさが詰まっている台本でした。

――モリノの相方的存在となるウギラ役の加藤将さんとは、他の舞台でも共演していますね。

大好きです！　僕の中では、ゴールデンレトリバーです(笑)。ビジュアル撮影で会いましたが、元気でした。

台本を読んで将ちゃんが相方だと知り、「これは本番で何かが起きるな」と思いました(笑)。彼のパワーが強い上に、ジャングルの村長・ハムラ役の伊藤裕一さんも、知的な笑いができる人なんですよ。

そして演出家の小林顕作さんは、僕が初めてお仕事でご一緒させてもらった10代の時に、「こんなに面白い人が世の中にいるんだ」と感じた人。しかも面白いことをやっている姿がかっこよくて、刺激を受けた先輩です。大好きな人たちと同じ舞台を作ることで、どんな化学反応が起こるのか、今から楽しみです。

――加藤さんとはコンビのような関係ですが、演技での対比を考えていたりはしますか？

考えなくても、自然と違いが生まれると思います(笑)。僕が将ちゃんになることは、まずできないので。めちゃくちゃうらやましいんですよ、将ちゃんのあのパワー。性格的に似たくても絶対に似ませんから、そこは安心しています。

――今回の舞台は、娯楽を奪われてしまった世界の物語です。実際に健人さんもこの１年間で出演予定の舞台が公演中止になったり、無観客での配信になったりと、ご時世的に重なるところもあるかと思います。現状に対する想いは？

同じ空間にいることで届けられる空気感や温度を感じてもらう楽しみもあれば、配信の映像だからこそ楽しめる作品もあると思うんです。先日出演した舞台は客席をあえてなくし、配信映像として楽しんでもらうために作り上げていました。そうやって新しいジャンルの発見があったり、必ずしも悪いことばかりではないと思っています。

ただ、もちろん以前よりは笑顔が少なくなっていると感じますし、僕も実際にヘコんだ時期があります。だからこそ僕の出演した作品が、みなさんの明日への活力になればいいなと考えています。

――緊急事態宣言期間に新たな娯楽を見つけた人も多いですが、健人さんはおうち時間をどのようにして過ごしていましたか？

緊急事態宣言が出ていなくても家にずっといるタイプで(笑)、ゲームが趣味なんです。ただあの期間中はいろんなことが中止になって家にいる時間が長かったので、ゲーム配信をやってみたくなり、ゲーム周りを充実させたいと思ったんですよね。ゲーミングチェアやゲーム機材などを通販で購入し、届いたものを次々に組み立てては配置していました。おかげで今は、充実しています！

――まさに有言実行で、現在はゲームチャンネル「Kent Channel」がOPENRECにて配信されています。こちらでは、どんな楽しみを届けてくれますか？

僕自身はプロゲーマーのようにめちゃくちゃゲームがうまいわけじゃないので、ガチガチにやるというより、ゲームをやったことのない人でも楽しめるものにしていきたいと考えています。みなさんに笑顔になってもらうために、いただいたコメントを拾いながら、一緒にゲームを楽しんでいきたいですね。

――さらにプライベートに迫ると、今回の撮影で使わせていただきましたが、最近は自転車にハマっているそうですね。

今の時期、混む電車に乗りづらいことと、たまたまこの自転車との出会いがあって、すっかりハマってしまいました。出会いは髪を切りに行った時、下の店が自転車屋さんだったんです。一目惚れして買って以降、電車には乗っていません。

これまで生まれ育った大阪でしか乗ったことなかったのですが、東京だと人と車の多さに改めて驚きます。自転車の交通ルールも、詳しく学びましたね。おかげで日々楽しみながら乗っていますし、フラッとサイクリングに行くことも。いろいろとカスタムできるので、好きなパーツをつけられるのが楽しいし、同じ自転車に乗っている仲間と一緒にちょっと遠出をするのが夢です。

――最後に、今回は娯楽監視人を演じますが、健人さん自身はエンターテイメントを届ける人です。ぜひ、メッセージをいただけますか。

なかなか厳しい世の中ですし、無理して舞台を見に来ていただいても、心から楽しめないと思うんです。無理のない範囲で見に来ていただけたら、僕たちは全力でみなさんを笑顔にするよう…、作品によっては涙を流させてしまうかもしれませんが(笑)、頑張って演じますので、何かしらの刺激を得てもらえたら嬉しいです。作品を見てワクワクする気持ちは、このご時世、とても大事なことだと思うので。