数原龍友(左)、関口メンディー(右)に自身のオーディションの思い出や“LDHらしさ”について聞いた

GENERATIONS数原龍友×関口メンディーが“地獄の合宿”を振り返る「一度、敗者の景色を見ている」<インタビュー>

2021.04.24 12:00
数原龍友(左)、関口メンディー(右)に自身のオーディションの思い出や“LDHらしさ”について聞いた

世界で戦えるファイターを選び出す、殴り合いのサバイバルショー「格闘DREAMERS」(毎週(土)夜9:00、ABEMA SPECIALチャンネル)。LDHとABEMAがスタートさせたビッグ・プロジェクトで、現在、合宿形式の二次オーディションを勝ち抜いた強者12人が、マーシャルアーツCEOの高谷裕之、UFC日本人最高2位の岡見勇信の指導の下、LDH所属のプロ格闘家を目指して、最終オーディションで真剣勝負を繰り広げている。

挑戦者たちをサポートするのは、GENERATIONS from EXILE TRIBEとTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE。現在、選手はドラフト形式で選ばれたTeam GENERATIONS、Team RAMPAGEに分かれ、チーム戦で対決中。メンバーは各6人で、Team GENERATIONSは宇佐美正パトリック(20歳)、高木オーディン祥多(24歳)、齋藤奨司(26歳)、柳田龍彌(25歳)、山内 渉(21歳)、そして、#6にて道場破りで名津井を倒した平本丈(17歳)。Team RAMPAGEは、中村倫也(26歳)、鈴木崇矢(16歳)、岡田達磨(20歳)、漆間將生(23歳)、安永吏成(26歳)、八木敬志(25歳)。

今回はTeam GENERATIONSを見守る数原龍友と関口メンディーの2人に、チャレンジャーへの思い、そして、自身も経験してきたオーディションへの思いを聞いた。

人間性も格闘経験も十人十色の場所。それがオーディション

――まず、お二人は、格闘技はお好きですか?

数原「はい。僕は子供の頃から大好きで、『PRIDE』とかも見に行ってましたし、16歳からボクシングを始めて、今も続けていて。オーディションに参加している皆さんと一緒に練習することもあって、見るのもやるのも大好きです」

関口「僕はそこまで詳しくないですが、子供の頃からテレビで放送しているとずっと見ていましたし、格闘技のゲームも好き。オーディション参加者が練習しているEXFIGHT(トレーニングスタジオ)でも、何回か一緒にやらせてもらって…」

数原「一緒にサンドバッグ、蹴ってましたよね」

関口「楽しかったです!」

数原「狂ったのかと思うぐらい蹴りまくってて、心配になりました(笑)」

関口「次の日、めちゃ脚、腫れました」

――(笑)。一次審査からハイレベルの選手が集まりましたが、お二人はどんな気持ちでご覧になっていましたか?

数原「いろんな選手がいるなと思いました。お調子者みたいな子もいれば、すでにLDHに所属しているレスリングU-23 世界王者の中村倫也くんもオーディションに参加しているので、彼と対戦したいというレスリング出身の人がいたり、格闘技の経験はないけど、自分でやってきたものが通用するか試したいという子もいたりして、これこそオーディションだなと思いました」

関口「普段、近くで格闘技を見ることはあまりないですが、この番組で間近で見て、迫力や音、息遣いにとにかく圧倒されました。みんな、オーディションに掛ける思いが強いので、魂と魂がぶつかり合う音が聞こえるんですよね。それがすごく感動的で、刺激も受けます」

刻一刻と増していく、挑戦者たちの本気度

――お二人は二次審査の合宿にも行かれましたが、1日のスケジュールがすごいんですよね? 1日目から1600m×2本ダッシュ後、スパークリング2時間、昼食と休憩を挟んで、寝技1時間半後、全員でジャンピングスクワット50回の後にキックボクシングのスパーリング…。印象的だったシーンは?

数原「エグいスケジュールでしたよね(笑)。自分は(那須川)天心くんがみんなを指導してくれた3日目が印象的でした。指導する姿を見て、彼は本当にトップ選手なんだなということを痛感しましたし、彼から学ぼうとするみんなの姿勢も印象的でした。精神的にもかなり疲れていたと思うんですけど、みんなの目がキラキラしていて、本当に格闘技が好きなんだなって思いました」

関口「僕は合宿審査で久々にみんなに再会した時の表情が印象的でした。一次審査から二次の合宿審査まで少し時間が開いたので、それぞれに準備をしてきていたのですが、全然表情が変わっていたんです。格闘家としての姿勢が出てきていたので、年齢問わず、みんなの本気さを改めて感じて。身に纏うオーラもレベルアップしているなと感じました」

――そうして見守っていると、一人一人に情が湧いていくのでは?

数原「そうなんですよね。僕はボクシングの練習でみんなに会った時にどうして格闘技を始めたのか、どうしてボクシングからMMA(総合格闘技)に転身しようと思ったのかなど、それぞれのパーソナルな話も聞いているので、応援したくなる気持ちがどんどん大きくなっています。でも、話したりしているときにふと思うんですよ。そうだった、こいつら、まだオーディション参加者だった!って」

関口「そうなんだよね…」

数原「全員が合格できるわけではなく、これからもどんどん落とされる。だからこそ、今、自分たちにできることは全部教えてあげたいなと思います」

――メンディーさんも挑戦者たちにアドバイスしたりすることはありますか?

関口「僕は格闘をしていないので、話すのは番組の収録だけですが、例えば、天心くんが来たときに、自分から天心くんに声を掛けて学ぼうとする姿を見て、『その姿勢めっちゃいいね!』と声を掛けたり、なかなか声を掛けられずにいる子には『今、チャンスだから行った方がいいよ』と教えてあげたりしていました」

求めるのはLDHらしい人間力のある選手

――現在、12人の挑戦者が日々切磋琢磨していますが、気になる選手はいますか?

数原「父親のDVがきっかけで格闘を始めた漆間(將生)くんは、やっぱり覚悟がすごいですね。一回、寝技を教えてもらったらすごい上手で、倫也くんとやりたいと最初から言っていただけあるなと思いました。彼はストイックさが本当にすごいんです。父親への怒りを燃料にして一瞬でバッと力が入るのを間近で見ると、この子、化けるんじゃないかな?と感じて、気になります」

関口「面白い人もいますね。マッチョ・バーの店長をやっている八木(敬志)くんとか。元ラガーマンの八木くんは異例の経歴の持ち主。親孝行するのが夢で、ピュアな選手のなかでもめっちゃピュアだと思います」

数原「いろんなバックボーンがありますよね。安永(吏成)くんも昔やんちゃしていて、格闘家の人と戦ったときに意外に大したことないなと思って格闘技を始めたら、強い人にコテンパンにやられたことで格闘技の魅力に気付いて、タイまで武者修行に行ったとか。かと思えば、(鈴木)崇矢みたいなちんぷんかんぷんな子もいますし(笑)」

関口「僕は彼みたいな人、好きです。いい意味で、おバカな人って強いと思うので」

数原「崇矢はウザかられながらも、結果を残してますしね」

――オーディションに合格した選手は、最終的にLDH所属になります。強いだけでなく、LDHにふさわしい人物が求められると思いますが、LDHらしいハートのある人というのはどんな人物だと思いますか?

数原「LDHらしいハートのある人というのは、人間力のある人だと思います。強くても、芯のない人だとブレてしまって続かないと思いますし」

関口「人間力って、何かな?」

数原「人として当たり前のことが当たり前にできることとか? 普通でいられる感覚ってすごく大事だと思います。もちろん勘違いする時期があってもいいと思うんですけど、人に見られる人間としての自覚を持ち、明日に親に合わせても恥ずかしくない人とか(笑)」

関口「そうだねー。人間力でいうと、LDHってアーティストの夢を応援してくれる会社なんですね。会社にジムがあったり、スタジオやレコーディングスペースもあったり、自分たちがやりたいことをものすごくサポートしてくれるんです。それはある意味、僕たちを認めてくれているということで。つまり、LDHらしいハート=人間力というのは、人を認める力を指すのかなと思います。いろんな人を認めて受け入れると自分の視野を広げることができるから、他人を認められる人は強いなって思います」

蘇る、かつてのオーディションの厳しい記憶

――このオーディション自体がまさにそうですね。

関口「そうですね。ここでいろんな人に揉まれて、自分の幅が広がっていきますからね。だから、オーディションの経験ってすごく大事だなって思います。自分らもオーディション経験者なので」

数原「この番組を通して、自分のオーディションをめっちゃ思い出しました。ボーカルを目指しているのに、何で山を走らされているんだろう?とか(笑)」

関口「ふふ」

数原「何でお寺で座禅を組んで叩かれているんだろう?とか、何で質素なご飯しか食べられないんだろう?とか思っていたことがフラッシュバックしてきました。でも、確実にあの場で試されていたんですよね。弱音吐いて逃げ出すやつもいるなかで、俺は必死で大人に食いついていきましたけど」

関口「うんうん」

数原「EXILEの新ダンスパフォーマーオーディション(14年)も過酷そうでしたね」

関口「そうだった」

――心が折れそうになった時は、どうやって乗り越えましたか?

関口「負けたくないという反骨精神ですかね? そして、EXILEになりたい。あと一歩でかなえられる。ここで頑張ったらなれる。だから、もうひと息頑張ろう!と、夢をかなえた自分を想像しながら踏ん張りました」

数原「僕らのオーディションと、『格闘DREAMERS』の体力の使い方は比にならないと思いますけど、経験があるから、ここで踏ん張らないと一生後悔するぞ!と思いますね」

――数原さんが参加された「VOCAL BATTLE AUDITION2」は2011年でしたから、そこから10年経ったんですね。

数原「あぁー。10年経ったかー! 当時、メンディーくんが距離を縮めようとしてくれて、ご飯に誘ってくれたんですよ。渋谷の道玄坂の『すた丼』に」

関口「まっちーもいたね」

数原「町田啓太くんもいました。メンディーくんと啓太くんは大学が一緒なので。あれから10年経ったんですよ…」

関口「あっという間だ…。ね?」

数原「(うなづいて)あ、すみません。10年と言われるといろいろ思い出してしまって(笑)。でも、オーディションという意味では、僕と片寄(涼太)は敗者なんですよね。『VOCAL BATTLE AUDITION2』で敗退したけど、そこで腐らずに絶対もう一度挑戦すると諦めなかった。一度、敗者の景色を見ているので、みんな、後悔のないようにやった方がいいぞ!と心から思います」

最終選考に向けて、変貌を遂げる挑戦者たち

――4月24日(土)配信の#7では、選手をイメチェンするんですよね?

数原「そうです。パトリックと山内がヘアスタイルを変えます。そういえば、パトリックは4年ぐらい前の『GENERATIONS高校TV』で大阪に行ったときに会ってたんですよ。あれからだいぶ経って、色気付いて(笑)」

関口「髪も伸びてたねー」

数原「バッサリ切って、男らしい感じにしました。これでテレビにたくさん映れるぞって」

関口「でも、誰かにしてもらうのはただの提案に過ぎないので、あとは自発的にやるようになるか否かが大切だと思います。僕も誰かに言われて、この髪型にしているわけではないですし。例えば、目立つためにはどうしたらいいか、もっとファンの方に応援してもらうためにはどうしたらいいか。このどうしたらいいかを考えることが大事で、その第一歩を龍友が提案してくれたという感じだと思います」

数原「でも、見た目って大事ですよね。2人ともカッコいい感じになってますが、女子ウケ悪いだろうなー(笑)」

関口「でも、格闘家のカッコいいはちょっと違うんじゃない?」

数原「確かに格闘技は強かったらモテるからね。でも、普段からカッコいい感じを意識してほしいよね、(総監督の)高谷さんみたいに普段から意識高くカッコよくあってほしいです。普段から、というところが大事だと思います」

――では、最後にこの番組を通して伝わったらいいなと思うことは?

数原「やっぱり挑戦する勇気が伝わったらいいなと思いますね。家庭環境はそれぞれ違いますが、それを言い訳にせず、覚悟を持って背負って挑戦しにくるのってすごいことですよね。その姿勢は格闘以外の仕事でも通用すると思いますし、夢が持てない子たちが一歩踏み出す勇気にもなると思うんです。挑戦する気持ちを駆り立てられたらいいなと思いますね」

関口「僕も龍友と同じです。家庭環境が奮起させる人もいれば、逆にごく普通の家庭で育って、俺には何もないと思う人もいるかもしれない。でも、どんな環境でも先に苦労するか、後に苦労するかの違いだけで、全部自分次第。環境のせいにしているうちは、人生つまんないと思うんです」

数原「マジ、そうだ!」

関口「そういうことも伝わったらいいなと思います」

※高谷裕之の高、正しくははしごだか

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