磯貝龍乎、ギャップを生み出す“表現”への思い【演出家・吉谷光太郎 連載コラム】
連載コラム「吉谷光太郎のマチソワタイム」vol.11
演出家・吉谷光太郎さんが若手俳優をランダムに紹介していく連載コラム。第11弾は磯貝龍乎さんの魅力に迫ります。
ミュージカル「ヘタリア」シリーズ、ミュージカル「AMNESIA」、ミュージカル「ハートの国のアリス」、舞台「RE:VOLVER」、舞台「カレイドスコープ」に出演してきた磯貝さん。吉谷さんは自身の師の言葉を引用してメッセージを贈ります。
* * *
磯貝龍乎について
繊細なのに存在感がある。サービス精神が旺盛なのに芸術家気質。ダイナミックなのにスピーディ。俳優にとっての希少で貴重な要素が彼には詰まっている。
コメディからシリアスまで様々な役を演じられる俳優、それが磯貝くんだ。
本来、彼のような体躯の持ち主は役を限定させられていてもおかしくないのだが、実に様々な役をお見受けする。
それは天性の器用さと繊細な表現力の賜物ではないかと思う。また、第三者的な視点を持ち、観客にとって演出家にとって自分が何を求められているかを察知出来ているからなのだと思う。
以前少しだけ気になっていたのが、磯貝=コメディ俳優のような立ち位置というイメージを、彼自身で持っていたような気がしたこと。
確かに面白いし器用だし、観客に喜んでもらおうと結果をきっちり残しているからこそのイメージと思うのだが、コメディ俳優という枠のみに収まらないのではないかと思った。
とはいえ「イケメンなのに面白い」という、“イケメン俳優”というカテゴリーの中でそのように立ち振る舞えるものまた貴重ではあるし希少でもあるのだけど。
いい仕事をする結果、そういった固定のイメージが強かったので、現場でもっと彼の本質を見てみたいと思い注視した。
結果、内面は深く表現について思い悩みながらこの世界を生きているのだと思った。
最初に書いた「○○なのに××」。
浅そうに見えて実は深い(ちなみに浅そうに見えるのは彼のSNSの発信の仕方に起因する)。このギャップ効果は彼の魅力を押し出すのに一役買っている。
最近自身の固定イメージの脱却からか、溢れ出るイメージの爆発からか、彼は最近脚本家や演出家の顔も持つ。そこでも才能を広げている。アイデアがとても面白い。
ともすれば徐々に自分のフィールドをクリエイター側にシフトしていくのかもしれない。
すべからく若手から中堅どころになっていくタイミングでそういうことも考えるものだ。
経験というものは物作りのリーダーとして皆を引っ張ることも出来る。
僕は劇団時代に師匠に「俳優のことがわかる演出家になりなさい」と言われ、できるだけ長く俳優という役割を務めていた。
磯貝くんもそういうパフォーマーでありクリエイターになってもらいたい。俳優にとっていい兄貴のような存在が演出家であることは、とても心強いことなのだから。
俳優の苦悩を知っているからこそ、俳優として喜びを感じる舞台作りをしてもらいたい。
かつて師匠に言われた言葉をそっくり伝えよう。僕は師匠に背いた形になってしまっているが、磯貝くんにはぜひ実現してもらいたいと思う。
「君は俳優をやり続けて下さいね」
マチソワとは――昼公演という意味の「マチネ」と夜公演を意味する「ソワレ」を組み合わせた言葉。マチソワ間(かん)はマチネとソワレの間の休憩のこと。
関連記事
-
「REAL⇔FAKE」続編が21年6月放送、新キャストに猪野広樹・笹森裕貴 ポスタービジュアル公開2.5ジゲン!!
-
阿久津仁愛・TAKA・小坂涼太郎が曇天の下で佇む、「怪奇物件探偵X」キービジュアル解禁2.5ジゲン!!
-
桜庭大翔×髙﨑俊吾、梟谷キャストとして過ごした日々…演劇「ハイキュー!!」から学んだこと2.5ジゲン!!
-
猪野広樹×伊崎龍次郎の譲れない“正義”とは… 舞台「双牙〜ソウガ~」新炎に懸ける想い2.5ジゲン!!
-
“悪には悪のルールがある”ドクタケ忍者隊が初の主人公に、忍ミュ第11弾「春のファン感謝祭」開催2.5ジゲン!!
-
あんステ「Meteor Lights」総勢9人のキャラクタービジュアル公開2.5ジゲン!!
「ニュース」カテゴリーの最新記事
-
<明日のおむすび>橋本環奈“結”&佐野勇斗“翔也”、麻生久美子“愛子”に呼び出され、お好み焼きパーティーに参加するWEBザテレビジョン
-
【漫画】嫌なことがあった日は、お風呂でこうなっちゃう…ぽっちゃり可愛い”もちくま”のあるある漫画が話題に「あるよね」「汚れと一緒に流れてけぇ!って念じてる」WEBザテレビジョン
-
赤楚衛二、30歳で大学生役も童顔ではない男顔 最大の魅力は“セクシーチン”:顔相鑑定Sirabee
-
黒嵜菜々子、お腹チラ見せ大人かわいいコーデでファン悩殺!WWS channel
-
<熱血司祭2>キム・ナムギルがランプの魔人“ジーニー”に「ツッコミどころ多すぎ!」絶妙な緩急で韓国では自己最高視聴率更新WEBザテレビジョン
-
岡田紗佳、花柄タイトワンピースの衣装ショット披露「天使降臨」ENTAME next
-
みもれもん、美肌チラ見せもこもこコーデが可愛すぎる!!WWS channel
-
イチローと松井秀喜による夢の対談が新春に実現 イチロー「人は松井を好きになりますよ。それがよく分かった」WEBザテレビジョン
-
佐々木希、2025年1月期「地獄の果てまで連れていく」でTBSドラマ初主演 渋谷凪咲は主人公と敵対する“モンスター女”を怪演WEBザテレビジョン