「逃げ恥」新春SPは「“ラブコメ”ってる場合じゃない」 脚本・野木亜紀子が語る見どころ・新垣結衣&星野源の魅力とは
2020.12.28 12:00
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新垣結衣が主演を務め、星野源が共演するTBS系新春スペシャルドラマ『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』が2021年1月2日よる9時から2時間25分スペシャルで放送される。脚本の野木亜紀子が取材に応じ、脚本に込めた思いを語った。
新垣結衣&星野源「逃げるは恥だが役に立つ」
『逃げるは恥だが役に立つ』は2016年10月期に火曜ドラマ枠で放送。原作は海野つなみの同名マンガ。「職ナシ」「彼氏ナシ」「居場所ナシ」の主人公・森山みくり(新垣)が、恋愛経験のない独身サラリーマン・津崎平匡(星野)と「仕事」として契約結婚。「夫=雇用主」、「妻=従業員」の雇用関係で恋愛感情を持たないはずが、同じ屋根の下で暮らすうち、妄想女子とウブ男は徐々にお互いを意識しだす…というラブコメディ。今回のスペシャルドラマでは、原作の10巻と11巻をもとに、契約結婚から生まれた恋を経て、みくりと平匡がついに本当の“結婚”を決めた連続ドラマのその後を描く。みくりと平匡は次々と起きる人生の転機や、どうにもならない困難に立ち向かい奮闘。甘いだけではないリアルな結婚生活に悩んだり、苦しんだりしながらも、明るく2人らしく乗り越えていく。
野木亜紀子、偶然の再放送が好機に
原作を読んだときのリアルな感想を「話は大体聞いていたので『なるほど、こう来たか』というのを含めてやっぱり海野先生は今このときに必要なものを描かれる方なんだなと思いました」と振り返った野木。前作ドラマが大ヒットを飛ばしただけに今作にかけるプレッシャーも大きかったようで、「愛された作品だと思うのでファンを裏切ることはできないし、海野先生が続編を書いて下さったことも含めてなかなか荷が重いなとは思いました」という本音も。
そんな中で突然降り掛かってきたコロナ禍で自粛期間に同じ火曜10時から再放送『逃げるは恥だが役に立つムズキュン!特別編』が行われブームが再燃。現在のキャスト陣がそれぞれリモートで恋ダンスを踊る映像が新たに公開され、大きな話題となり、「あのタイミングで再放送があったのは単なる偶然ですが、エンディングで現在の新垣さんや源さんが恋ダンスをしたことがシームレスに受け取られたような気がして、これはもしかして大丈夫かなと脈絡なく感じて書く気持ちのハードルは下がりました」と背中を押されたという。
野木亜紀子、星野源の“志摩”から”平匡”へのギャップに衝撃
撮影現場での新垣と星野は4年間の空白を感じさせないほどすぐにみくりと平匡になっていたといい、「変わってない2人はすごいなと思いました。新垣さんは最初は『私みくりになれるかしら』って言っていたけれどみくりでした」としみじみ。星野とは同局ドラマ『MIU404』、映画『罪の声』とタッグが続いていたが特に『MIU404』で演じた警察官・志摩とのギャップに衝撃が。「最初に前室で話していたときは普段通りだったんですけどメイクに行って帰ってきたら完全に平匡で『志摩どこ行ったの?』って爆笑してしまいました。分かってはいたんですけど目の当たりにするとびっくりしますね(笑)」と感心していた。改めて2人の役者としての魅力を聞かれると、「実はそれぞれ“普通”が上手い」と回答。「新垣さんは前から思っていたんですけど、あんなに可愛くてキラキラしているのに、普通を演じられるし、細かいお芝居が上手い人。星野さんは前は平匡だけ見てたから分からなかったんですけど、その後色んなところでお仕事したり、ポップスターとして『星野源です』と歌っているのを見ると、よく普通で素朴な役を自然に演じるなと思って。見過ごしがちだけど2人の持つ“普通力”は当時の『逃げ恥』でも活かされていたと思いました」と脚本家の視点から語った。
野木亜紀子「逃げ恥」新春SPは「“ラブコメ”ってる場合じゃない」
先に行われた取材にて金子文紀監督は「キュンキュンするところはほしいけど、キュンキュンするためにやっているわけではない」と話していたが、野木は「キュンということではなく人間と人間のディスコミュニケーションの話だと思っていて、“隣にいても分かり合えない“とか、“別々の人間だから近づこうとするけど上手く行かない”とかその距離感が結果的にキュンとするとか結果的に切なくなるとかそういうことでしかない」と“胸キュンドラマ”と言われることへの困惑を口にした。今作は“結婚”を決めてから母となり父となった2人に起こる様々な人生の転機をどう乗り越えていくのかを描くため、「連ドラの逃げ恥は確かにラブコメではあったんですが、今回は妊娠・出産の話なので“ラブコメ”ってる場合じゃない。ラブコメより先の家族の話なのでそういう意味でキュン要素が減ったといえば減ったかもしれない。でも“逃げ恥らしさ”はキュンだけとは思っていないので、これまで通りといえばこれまで通り」と自身の変わらないスタンスを語った。
『逃げ恥』といえば様々なテレビ番組のパロディも見どころ。「今回も多少あります。でも何も言えないですよ。見てのお楽しみです」とだけ予告してくれた。
野木亜紀子、現実も反映したサブタイトル「ガンバレ人類!」に込めた思い
今作は2020年の現実を反映された内容に。野木にとって2020年はどんな年に映ったか。「2011年の震災も転換期で、10年経つのにその清算ができていない。何も解決できていないことが気持ち悪いし、いかがなものかと思っていたらその節目をふっとばすかのような2020年になってしまった。さらに世界の転換点が来て、良くも悪くも考えなきゃいけない年になりました」
そんな野木がつけたサブタイトルは「ガンバレ人類!」。多くは説明せず「タイトルの意味は見ればわかると思うので、ぜひ見てください」と呼びかけた。(modelpress編集部)
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