関ジャニ∞安田章大、死の恐怖・闘病中の苦悩や葛藤…写真集「LIFE IS」発表

安田章大、写真集のテーマは“生と死の輪廻”

同作は“写真界の芥川賞”と称される木村伊兵衛賞を受賞した、気鋭の写真家・岡田敦氏が撮影を担当。テーマは“生と死の輪廻”で、病を克服した安田だからこその生々しい世界観を表現。ロケ地には、美しくも厳しい自然が広がる北海道が選ばれた。

安田章大、闘病中の姿も伝える

2017年2月9日、脳腫瘍のひとつである“髄膜腫”の手術を受けた安田。MRIに写る大きな腫瘍がうまく切除できるのか、手術が無事済んでも、再び歌ったり踊ったりができるのかという苦悩や葛藤を抱えた。

しかし、1日も早く芸能活動に復帰することを決意。病のことは伏せたまま、アイドルとしてのステージに戻って来た。

そんな闘病中の自身の姿を見てもらうというのも、安田が伝えたかったことのひとつ。手術前後の病室でのありのままの姿や、腫瘍が映るMRIの画像からは、死の恐怖と闘う姿が浮かび上がる。

安田章大、写真家・岡田敦氏とタッグ

また死を身近に感じたことで、大きく意識が変わった安田。この経験を形にして伝えたいと思い立ち「経験したことを赤裸々に見せることも、大切なんじゃないのか。ラッキーなことに、届けられる仕事をしている。だったら、届けないでどうする」と行動。2018年末、対談企画でかねてからファンだった写真家・岡田氏にオファーをし、初対面が叶った。

そして10年に渡り、写真集や個展を通して、岡田氏の写真を追いかけていた安田と岡田氏は、お互いのクリエーションについて熱く語り合う中で、意気投合。その後、安田の中で、写真集の企画が具体的なものとして形になって来た。

そして安田は「伝えるためには？と思い立った時、即座に岡田敦さんが浮かびました。五感すべてで感じることが出来る写真家なんです。10年以上片思いをしてた岡田敦さんに、応援してくださっている大切な皆さんが見たことのない等身大の僕を写して欲しい」と交流を深めながら、何度となく、写真集の可能性についてディスカッション。こうして企画が2019年春に生まれた。

安田章大、北海道ロケ感謝

そして、雪の舞う北海道・根室でロケを敢行。スタイリストに袴田能生氏、ヘアメイクにヤマサキヨーコ氏と安田のことをよく知るスタッフが結集し、地元で活動するボランティア団体（根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会）の協力を得て、ハードな撮影をこなした。

この時のことを安田は「無償のご奉仕には感謝しかありません。人と人との繋がり、人の温もりの確かさ、ありがたさを心から感じました」とコメント。続けて「ままならない環境の中、現場にいた5人が五角形の形を自在に変えながら対応していく。それぞれのクリエーションを、存分に発揮できたと思います」と話している。

安田章大「LIFE IS」特殊な製本で完成

さらに安田と岡田氏のたっての希望で、中島秀樹氏にアート・ディレクションを依頼。そして岡田氏の写真を高く評価していた中島氏は、想定していた構成案を、大胆な発想で次々まとめ直し、見開きの写真の迫力を活かすため、綴じの部分が平たく開く“クータ・バインディング”という特殊な製本を採用。写真集としてのクオリティの高さを徹底的に追究。

生から死へ、そしてまた、死から生へと、1枚1枚の写真が、引き込まれるようなストーリーとして完成した。

そんな同作について安田は「経験値は独り占めしておくものではない、共有し共鳴してこそ意味がある」と言葉を寄せ「もし、安田章大という生き物にご興味が湧いた方は、僕に触れてみてください」と語った。（modelpress編集部）

安田章大コメント

命のこと、輪廻のこと、読み手によっては語れば語るほど押しつけがましくなるものだと感じています。

ただ、経験値は独り占めしておくものではない、共有し共鳴してこそ意味がある。

伝えたい信念は全て写真集の中に詰めました。「LIFE IS」が語ってくれています。

もし、安田章大という生き物にご興味が湧いた方は、僕に触れてみてください。

書籍編集部コメント

数々の写真集を出版してきましたが、今回は、「それらとは一線を画したメッセージ性の強い作品にしたい」という安田章大さんの強い希望で、まったくイレギュラーな制作過程を経ました。

企画の発案は、安田章大さん。判型をどうするか、タイトルは、帯の文章は……。すべてについて、安田さんが考えて決めました。写真集としての完成度をまず第一に考え、造本にもコストをかけました。現在の安田章大の生身の姿を感じてもらえるだけでなく、生きるとは何か、死とは何か、コロナ禍で予断を許さない今の時代にどう生きていくべきか、さまざまなことを考えさせられる写真集です。

何度も何度も、ページをめくってほしい。読者の皆さまにとって、一番大切な写真集のひとつに選んでいただけたらうれしいです。