忘れられなかった人~真面目を脱ぎ捨てられなかった私~<真崎ゆか「Tokyo REAL Style」 Vol.49>

2012.12.05 19:14

2011年度「第44回日本有線大賞」にて「有線放送協会賞」を受賞、2011年レコチョク新人アーティストランキング第5位を獲得。2012年8月8日には詩音・SIMON・K.J.とのフィーチャリングで話題となった楽曲を収録した2nd ALBUM「Tears of Heart」をリリース。

せつなく・儚い…数々の叶わない恋をテーマにした真崎ゆかの世界観が共感を呼び、今多くの女性たちから注目されるR&Bシンガー「真崎ゆか」が放つモデルプレス連載「Tokyo REAL Style」Vol.49。

早いもので、2012年も残すところ1ヶ月を切りました。12月に入った途端、一気に肌に突き刺さるような寒さになりましたが、私はこの寒さが嫌いじゃない。。

夜はかなり寒いのだけれど、駅から家まで少し遠回りしてゆっくり歩いてみたり、公園に寄ってベンチに座ってみたり、自分の好きな音楽を少し大きめの音で聴きながら夜空を眺めるのが好きだな。。

忘れられなかった人~真面目を脱ぎ捨てられなかった私~

さてさて、今回は前回書いた「忘れられなかった人」の続きです。よければ前回のを読んでからこちらを見てみてくださいね♪→https://mdpr.jp/news/detail/1212653

Aとはね、ず~っと仲良くやっていくものだと思ってたんだ。相手もそう思ってくれているって、勝手に思い込んでいた。

一途になりすぎるとダメだね。“永遠”だと信じ込んでしまう。だけど、状況や環境が変われば人も変わる…永遠なんてなかった。

専門学校1年生の冬休み前、私は校内のオーディションを受けた。合格した上位2組は、学校のレーベルからCDを出せる…といったもの。

実は入学したすぐあとから喉の不調があり、それは慢性化していて、自分に全く自信が持てなかったこの頃、学校の先生の後押しによって受けたオーディションだった。

デモ審査を通過して、自信もなくて不安を抱えたままの本審査。。結果は………合格だった。

「え…?嘘…!?」って、最初は信じられない気持ちだったけど、徐々に嬉しさとやる気が込み上げてきた。

喉に不調を感じ始めた頃から、思い通りに声を出せない自分にいつもイライラし、私は何をするにも投げやりになっていた。授業も、歌うことすらも。

だから余計に、Aと遊ぶことで発散させようとしていたんだと思う。そんな頃のオーディション合格。私は自然と学校に、音楽に集中するようになっていた。

Aがこんな私をどう思うのか、考える余裕もなかった。初めてのCD制作に向けて、作詞やダイエット、そして普段の授業にもかなり気合いを入れていたし、それまで授業が終わるとすぐにAと学校を飛び出していたのが、昔の“真面目な私”に戻ったみたいに毎日毎日学校に残って作詞について分析してみたり、スタジオで歌の練習をしたり、ダイエットの為にダンスやヨガで体を動かしたり、とにかく必死になっていた。

やっぱり嬉しかったんだ。オーディションに受かるっていうことは。自信がなかった分、自分の歌や歌声をいいって言ってくれる人がいるっていうことが。

喉の調子が悪くても、自分に自信が持てなくたって、やっぱり諦めたくはなかった。このオーディションをきっかけに、歌うことへの志をそれまでよりもっと強く強く持ち始めたんです。

その頃からでした。Aが私を避け始めたのは…。学校で会っても目も合わせてくれない。私が近寄ろうとすると、スッと別の友達の輪の中へ入っていってしまう。「おはよう」っていう挨拶すらできなくなってしまっていたんだ。

“真面目な私”をAは好んではいないようだった。疎ましく思われてるように感じて、とても悲しかった…。だけどそれは、当たり前の結果だったのだと今になって思う。どれだけ都合のいいヤツだったんだろう、私は。

今ならそう思えるんだけど、あの時の私はどうだったかな…。Aの気持ちを考えているつもりでいた。“つもり”なんて当てにならないのに。結局私は、自分のことで頭がいっぱいだったんだ。

それでもAと距離が開いてしまったことが、毎日私の気持ちをどんよりさせていた。学校にいる時も家に帰ってからも気持ちが晴れる時なんかなくて、泣くほど悩んで、そして葛藤ばっかりしていたんだ。

せっかく夢への第一歩を踏み出せる嬉しい出来事が待ち受けているのに…。大好きな“友達”と自分が幼い頃からずっと追い続けてきた“夢”…この二つが毎日頭の中でグルグルと渦を巻いていた。

結局私は、自分の“夢”を無下にすることは出来ず、“悪い子”ではなく“真面目な私”を自然と選んでいた。天秤にかけることなんて本当はできないんだけど、優先順位ってものが既に頭の中に描かれてしまっていた。

制作が終わって一段落し気持ち的にも余裕ができたのは2年生の夏頃だった。ずーっと頭から離れずにいたAとのこと。Aとまた一緒にバカみたいに笑いたかった。

勇気を出してAに声をかけた。「遊びに行こう」って。そして、こんな私をまたAは受け入れてくれた。多少のぎこちなさはあったものの、そこからまた少しずつ少しずつ前までの二人に近づいていったんだ。

嬉しかった。また二人で一緒にいられることが。この時Aがどう感じていたのか私にはわからないけれど…。

そして数ヶ月後、また同じような状況に陥ってしまった時があった…二人の仲が元に戻ってしばらく経って、ギクシャクしていたことも忘れかけていた頃。不本意ながら卒業制作ライブ装飾班のリーダーになってしまった。

中学高校だったら率先してやっていたけど、専門時代はこういうリーダー的なことは真面目にならざるを得なくなるようですごくイヤだったんだ…。

案の定、自分に余裕がなくなる程真面目に取り組む私がいた。Aが離れていくことを感じながら、それでも“リーダー”という肩書きをもらったからには適当にやり過ごすなんてことはできない私だった。

慌ただしく過ぎていった卒業制作ライブまでの時間。嫌々ながらやっていた自分たちの学生生活の集大成としての大きなイベントは、最後には物凄い達成感があって、一つのイベントを作り上げることの大変さであったり、仲間と一つのことを成し遂げることの充実感を教えてくれた。

でも、2日間の卒業制作ライブが終わってしまえば、もう学校は終わる。私が一番辛かったのは、慣れ親しんだ学校生活に終わりがくることよりもずっと、友達との別れが辛かった。

Aとの別れ。前回関係が悪くなった時とは違って、学校が終わればAと顔を合わせることもなくなってしまう。ツライというよりも、悲しいというよりも…なんだか怖かった。色濃く私の中に存在し続けた友達を、思い出というありきたりな言葉で片付けなければいけなくなることが…。

こうして私の学生生活は、心にわだかまりを残したまま終わった。学んだことはたくさんあった。成長できた部分もたくさんあった。けれど、私の専門学生時代の2年間は、Aという友達の存在が思い出の大半を占めている。この2年間のことを話せって言われたら、何よりもAのことが一番に浮かんでくる。

この時期のプリクラや写真はAとのものがほとんどで、見返す度に胸が締めつけられるように痛くなる。それほどまでAのことが好きだったはずなのに…。想っていたつもりだったのに…。

今から6、7年前、今よりも随分と子供であまりにも不器用だった私。もっと容量良く物事を処理する脳みそがあったなら、もっと上手く物事を判断できる能力があったなら、もっと上手く人付き合いできる能力があったなら、Aとはもっと違う友人関係を私は築けていたのかな…。

“Aが居ての私”と言いながら、結局は“強くなって自立したい私”や“夢を叶えたい私”も心の中に存在していた。自分の都合のいい方に心が揺らぐ。身勝手な私の考えに、Aはどれだけ傷付いただろうか。どれだけ悲しかっただろうか。どれだけ憎かっただろうか。

“Aは強いから…”そんな風に勝手にAのことを解釈していたのかな…。大好きだったAに避けられることが悲しくて、どんどん離れていくことが辛くて、孤独だ孤独だ…って嘆いていた私よりも、もしかしたらAのほうが何倍も辛かったのかもしれない。こんな自分勝手で鈍感で弱虫な私のことなんか、早く忘れたいと思っていたかも…。

自分のわがままで一人の友達を傷付け、そして失った。卒業してから何年も音信不通だった。いつの間にか、メールアドレスも変わっていて、メールも送れなくなっていた。

Aはよく夢に出てきていたんだ。どこか私を責めてるようなそんな態度で。それから、渋谷の駅のホームでAとよく似た人とすれ違って、後を追おうとした時もあった。(何かが私を引き止めて出来なかったけど。。)

ずーっと、忘れようとしても、忘れられなかった。Aとのことで気持ちを吹っ切るのに、5年くらいかかったんだ。思い出しても胸が酷く痛むことがなくなったのは、ホント1、2年前くらい。

今年2012年の夏、私はいつものように朝起きてPCを開き、Facebookのページを確認する。何件かメッセージが届いてた。その中に、久しぶりに目にする名前があった。…Aの名前だった。(実は私がFacebookを始めた頃探したことがあったけれど、その時にはまだ登録はなかったんだ)

躊躇う余地もなく、すぐにAのメッセージを開いた。「久しぶり!覚えてる??今度ライブ行くよ~(^0^)/」

最初に、嬉しい気持ちがぶわぁ~っと溢れてきて、鼓動がすごく早くなった。その後、どんな気持ちでこのメッセージを送ってきてくれたんだろう、これまでどんな気持ちでいたんだろう…色んな思いが一気に込み上げてきて、PCを前にして私は一人で号泣してしまった。。

この約7年間胸の奥で張りつめていたモノが、プツンって切れてなんだか解放されたような気持ちになった。安心した感じ。

いつ会えるかはわからないけれど、会った時には少し成長した二人で会えるのかな。そして、「ごめんね」と「ありがとう」を伝えたいと思う。

今過去を振り返って考えてみると、当時と違った視点や捉え方で考えることができる。この事は私にとって本当に大事なことに気付かせてくれた出来事だったんだな…って思う。

たとえツライ思い出だとしても、自分が出逢う人たちはきっと何かを感じさせてくれ、気付かせてくれる。だけどその頃には気付かない。時間が経って振り返ってみた時に気付く。

そう考えると、どんな出逢いも別れも、自分の中で無意味なことなんかないんだよね。大切で大好きな友達を、あの頃のように失いたくない。

人間関係は私にとっていつでも難しいものなんだけど、とにかく、自分本意にならずに、相手の心と自分自身といつでも向き合いながら、逃げずにいたいと思う。

相手の喜びや幸せ、笑顔を思いながら付き合っていけるような、そんな友人関係をこれからも築いていきたい。

…かなり長くなってしまいました。最後まで読んでくれてありがとう!友達のこともそうだけど、専門学生時代のことをこうして話すのは初めてかも…。今までこの2年間のことは、自分の心の中に封印してたって感じなんですよね。。

もしみなさんの中にも心の奥底にしまったままの苦い過去があるとしたら、今現在の視点からもう一度見つめ直してみたら、当時とは違う答えが導き出せるかも…。

仕事だけではなくて人間関係も、きっとこうして悩みや失敗もありながら、それでも必ず成長していけるものだと思っています。それを信じて、今を、今自分の身近にいる人を大切にしていけたらいいですね!!

ではでは、またね☆


今週の真崎ゆか私服コーデ

テーマ「マニッシュコーデ」
テーマ「マニッシュコーデ」
ジャケット(インポート)…\11,340
フリルブラウス(インポート)…\6,300
テーパードパンツ(昔のMURUA)
ハット…(インポート)…\4,725

気になる太ももをカバーするのに最高のアイテムのテーパードパンツ。膝から下は細身になってるのでシルエットをすごく綺麗に映してくれます。

ハットをかぶったりシンプルな色味でマニッシュ感をUPさせつつ、フリルのブラウスと高めのヒールで女らしさも忘れずに…☆

(モデルプレス)

真崎ゆか(まさきゆか)プロフィール

真崎ゆか
真崎ゆか
生年月日:1986年3月4日、血液型:A型、出身地:埼玉県、特技:ダンス、ハンドボール、マッサージ

2009年、ユニバーサルJで行われた日韓共同オーディションでレコード会社の目に留まる。音楽活動と並行して自身もヘビーユーザーであった人気アパレル「MURUA」でビジュアルプレス/ショップスタッフとしての活動も開始。

新世代R&Bシンガーとして2010年11月、シングル「LOVE SONG」で念願のメジャーデビュー。雑誌「JELLY」、「BLENDA」などの人気ファッション誌でも特集が組まれた。

3rdシングル「Lady Luck」(2011年7月発売)は、日本テレビ系ドラマ「ゴシップガール セカンド・シーズン」エンディングテーマに起用。さらに、4thシングル「Change Myself」(2011年8月発売)はフジテレビ系ドラマ「明日の光をつかめ2」主題歌に起用された。

2012年7月4日には、R&Bシンガー「詩音」とのせつなすぎるガールズコラボソング「SWEET PAIN feat.詩音」をリリース。楽曲に注目が集まるとともに、女性誌「JJ」の専属ブロガーモデルが出演するミュージックビデオも話題を呼んだ。


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