錦鯉、子どもも大人も大爆笑 独演会『その男、バカにつき』で見せた“変わらない強さ”
『M-1 グランプリ 2021』チャンピオン獲得から、瞬く間にお茶の間の人気を獲得した錦鯉。5 月 23 日(土)東京・ヒューリックホール東京を皮切りに、全 10 都市 12 公演で上演される。大爆笑で幕を閉じた東京初日公演の様子をレポートする。
錦鯉独演会『その男、バカにつき』東京初日公演が23日に行われた。
言わずと知れたM-1グランプリ2021王者の錦鯉。会場に入ってまず驚かされたのが年齢層の幅の広さ。文字通り老若男女の観客でぎっしりと客席は埋まり、錦鯉の登場を待っていた。
大歓声の中、錦鯉が登場。オープニングトークで披露したのは、長谷川雅紀の加齢を感じさせる話から、妻に怒られたエピソードなど。還暦まであと5年に迫る長谷川の“老い”は真に迫るものがありながら、同時に妻には少し言われすぎていて気の毒にも映る。一貫しているのは、これまでテレビで築き上げてきたイメージとまったく相違のないエピソードだということ。開始早々から観客の心をつかみ、確実に会場を温めていった。
それからいよいよネタへ。行われた7本の漫才の題材は様々だが、基本的には漫才コントで、長谷川の何かを「やりたい(なりたい)」という希望に渡辺隆が付き合わされる形だ。コントの中で非日常に入り込むことはあっても、あくまで長谷川は長谷川のまま。ネタの中で多少“姿形”は変わっても、私たちの頭の中にある「長谷川=おバカ」というイメージは崩れないので、その乖離の少なさがとりわけ子どもたちの心を打ち抜いていたようだ。
ネタの中身で言っても、決して予想外のボケや凝ったワードツッコミをしているわけではない。それでも、期待通りの展開を忠実になぞり、そこに長谷川らしい動きや「ションベン」、「おしっこ」、「うんこ」などのワードを散りばめることによって、ガードの上から殴りつけるような笑いを提供することに成功。実際にコール&レスポンスや観客と触れ合う時間もあり、子どもたちにこれだけ支持されるのも納得の時間だった。
その一方で、その親世代を楽しませることも忘れていない。間違いなく令和世代を置いてけぼりにする固有名詞も使うことによって、昭和世代の野太い笑い声も獲得。錦鯉の2人からすればそんな戦略はなく単に言いたいから言っているのだと思うが、それが結果として大人の満足度にもつながっているように感じられた。
長谷川が何かと戦うような展開も多く、M-1グランプリで見せたようにこちらの想像力にある程度委ねるやり方も健在。変わらない良さをベテランとして提示し続けている姿に安堵感と横綱のような強さもうかがえる。
また、幕間のVTRでは「その男、バカにつき」というタイトルに沿ったことにも挑戦。普通の人であれば決して簡単には決心できないチャレンジに短時間で半ば強制的に挑むことになる。
ネタも含め、生まれ変わった新しい錦鯉が見られるのか。それとも、あくまで“変わらない”ことを貫くのか。いずれにせよ、その答えは劇場で確かめる価値がある。
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