ドラマ『リボーン』が呼び起こす2010年代の記憶 次に描かれるのは「トランプ現象」か「逃げ恥婚」かそれ以外か
高橋一生主演のドラマ『リボーン~最後のヒーロー~』(テレビ朝日系)は、令和で成功を収めたIT社長が、平成を生きる庶民として人生をやり直す"転生"ヒューマンドラマ。物語としての面白さはもちろん、作中には懐かしいフレーズや当時を思い起こさせる出来事が盛り込まれており、ノスタルジーの面でも多くの視聴者を惹きつけているようだ。
例えば第1話で主人公・根尾光誠(演:高橋一生)が転生した先は、2012年12月。作中でも触れられている通り、この時代はアイドルグループAKB48が全盛期を迎えていた頃である。
当時の絶対的エース・前田敦子が卒業を発表したのは、同年3月のこと。彼女がAKB48として参加した最後の表題曲「真夏のSounds good !」は、180万枚を超える売り上げを記録し、2012年度オリコン年間ランキング1位を獲得した。ドラマ内では"今年のヒットソング"と銘打たれていたが、まさに2012年を象徴する一曲だった。
そして物語の進行に伴い、時間軸も徐々に現代へと近づく構成となっており、第2話ではソチ五輪をはじめとする2014年頃の出来事が取り上げられる。光誠が活躍を予言した羽生結弦選手は、ソチ五輪唯一の日本人金メダリスト。フィギュアスケート男子シングルにおいても日本初の金メダルとなった。日本中に歓喜をもたらした出来事として記憶している人も多いだろう。
また、第2話冒頭で登場した「獺祭(だっさい)」は、日本酒ブームをけん引した銘柄として知られる。当時の安倍晋三元首相が、外交の場でバラク・オバマら各国首脳に贈ったことでも注目を集め、その人気に火が付いた形だ。
対して4月28日に放送された第3話でも、消費税8%への増税といった時事ネタが満載。さらに物語は2015年へと進み、同年11月13日に発生したパリ同時多発テロまでもがストーリーに組み込まれている。時代の流行だけでなく、実際に起きた事件も密接に関わってくるようだ。
では、今後ドラマで描かれるであろう時代には、どのような出来事があったのだろうか。ここからは、2016年以降のトレンドや世界情勢などを振り返り、作品に取り入れられそうな要素を探っていきたい。まず2016年は、4月に熊本地震が発生した年。最大震度7を複数回観測するなど、甚大な被害をもたらした。多くの犠牲者を出した災害とあってドラマで直接的に扱うことは難しい題材だが、過去には東日本大震災や阪神・淡路大震災が描かれた作品もある。熊本を主舞台とする作品ではないとはいえ、何が物語に影響を及ぼすのか予測つかないのが『リボーン』の特徴だ。
一方、「2016新語・流行語大賞」のノミネート30語を見ていくと、「君の名は。」「SMAP解散」「都民ファースト」「PPAP」「ポケモンGO」「トランプ現象」「EU離脱」など、当時を象徴するワードが勢揃いしている。イギリスがEUを離脱し、ドナルド・トランプ氏が大統領選で初勝利。日本では東京初の女性知事が生まれ、国民的アイドルグループSMAPが解散する――と、2016年はまさに話題の途切れない年だった。
さらに同年10月には、「逃げ恥」の愛称で社会現象を巻き起こしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)が放送を開始する。言わずもがな本作で共演した新垣結衣と星野源は、その約3年後に結婚を発表し、"逃げ恥婚"として大きな話題を呼んだ。
『リボーン』では英人に転生した光誠のセリフとして、大ヒットドラマ『下町ロケット』(TBS系)の名が登場したこともある。そうした流れを踏まえれば、『逃げ恥』に触れる場面が描かれても不思議ではない。テレビを見ていた光誠が、「この3年後に、ガッキーと星野源が結婚するんだよなー…」としみじみ思う、なんてことがあってもよさそうだ。
そのほか、2017年にはプロ棋士・藤井聡太四段(当時)が歴代最多となる公式戦29連勝を達成し、平成の歌姫・安室奈美恵が引退を発表。2018年には平昌五輪でのメダルラッシュや大坂なおみ選手の全米OP優勝が話題となり、2019年には「平成」から「令和」への改元が行われた。
果たしてこれらの出来事は、『リボーン』のストーリーに関わってくるのか。そしてどのような影響を及ぼしていくのだろうか。ドラマ本編を楽しみつつ、ぜひ当時の懐かしい空気を味わってほしい。
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