AKB48 20周年武道館公演で高橋みなみセンター『根も葉もRumor』、指原莉乃の提案が生んだ挑戦

2025.12.08 18:03

提供：ENTAME next

12月6日（土）、AKB48は「AKB48 20th Year Live Tour 2025 in 日本武道館～あの頃、青春でした。これから、青春です～　Part2」を開催した。4日間6公演行われた武道館コンサートにおいて、大挙してOGが駆けつけるのは3公演。2公演目となるこの日は、本編の終盤にとんでもないサプライズが待っていた。

この日の1曲目は『RIVER』からスタート。OGからは高橋みなみ、小嶋陽菜、峯岸みなみ、柏木由紀、指原莉乃が登場。2009年、オリコンウイークリーチャートで初めて1位を獲得した、記念すべきシングルだ。高橋が「AKB～！」と叫ぶと、それは『RIVER』の合図。満員の観客も大歓声で応えた。5曲目はライブの定番曲『少女たちよ』。高橋みなみが間奏で「AKB～！」と叫ぶと、場内は“あの頃”を思い出して一体となり、「48！」と返す。OGは5曲連続で歌唱。久しぶりのステージというOGもいるはずだが、なんというスタミナだろう。

続いてはユニットブロック。柏木、倉持明日香、高城亜樹のフレンチ・キスは『カッコ悪いI love you!』を、北原里英、指原莉乃、横山由依に現役の伊藤百花を加えてNot yetの『波乗りかき氷』を披露。高橋、小嶋、峯岸は、後にノースリーブスを結成する原点といえる『純愛のクレッシェンド』を、柏木は現役の鈴木くるみ、田口愛佳を従えて劇場公演曲『口移しのチョコレート』で沸かせる。

峯岸は現役の大盛真歩、坂川陽香と『逆転王子様』を、指原はソロデビュー曲『それでも好きだよ』を現役の秋山由奈、八木愛月とともに踊り、小嶋は『ハート型ウイルス』を久保姫菜乃、長友彩海と歌う。

さらに、高橋、横山、向井地美音、倉野尾成美の歴代総監督で『愛しさのアクセル』を畳みかける。特に、総監督4人の揃い踏みはこの日にしか実現できないであろう組み合わせで大歓声を浴びる。

数曲を挟んで『ポニーテールとシュシュ』『涙サプライズ！』などのシングルを続けると、なんと『根も葉もRumor』を現役に混ざってレジェンドたちが踊ったのだ。

この曲は、レジェンドたちのほとんどが卒業した後の2021年にリリースされたもの。その頃、「自分たちの代表曲がない」と思い悩んでいた現役たちが、「この曲が私たちを象徴する曲だ」と、初めて胸を張れる楽曲だった。この曲はサビにロックダンスのウィッチウェイという振り付けを取り入れており、AKB48の歴代シングルの中でもトップクラスの難度を誇る。当時のメンバーたちは何カ月も前からこの曲用の特訓を積んでいた。『根も葉もRumor』用の練習は1日3時間あり、終わると激しい筋肉痛に襲われる。「階段を上る足に力が入らなかった」と、センターの岡田奈々は述懐している。そんな曲に、何年も踊っていないOGが挑戦するというのだ。

センターで踊る高橋もさすがにキツそうだ。ウィッチウェイの振りが間に合わず、小嶋は思わず笑ってしまっていた。峯岸は後半になるとスタミナが切れ、足が上がらない。隣にいる現役たちは慣れているのか、平然とした顔で踊っている。それでもOGたちは踊り抜いた。

終演後、Xにて指原はこの曲をセットリストに加えたのは自分だと明かした。高橋も「あの提案はまじ痺れた」、「7月から皆んなそれぞれ練習してました」とポストしている。

踊り終わると、息が上がるOGたち。その場にへたり込むと、いかに疲れる曲かを異口同音に語る。それほどの大きな挑戦だった。

彼女たちはもう現役アイドルではない。もう30代だ。それでも逃げずに挑戦することで、現役の後輩たちに背中を見せた。九段下駅へ向かうファンたちの話題は『根も葉もRumor』で持ち切りだった。

提案した指原もさすがだが、受けて立った高橋も立派の一語に尽きる。もちろんその他のOGも。

そんな先輩の背中を見て、現役は何を感じただろうか？