写真◎NHK

朝ドラ『あんぱん』いきなり“別れ”を描いた第1週、潜む「アンパンマン」の原点にも注目

2025.04.06 13:03
提供:ENTAME next

3月31日からスタートした2025年前期の連続テレビ小説『あんぱん』(総合・月曜~土曜8時ほか)。第1週「人間なんてさみしいね」には、これでもか、というほど「アンパンマン」の原点となるものや、やなせたかしの思いが詰め込まれていた。

今作のモデルは、「アンパンマン」の作者・やなせたかしと暢の夫婦。第1話は、北村匠演じる嵩の「正義は逆転する。信じられないことだけど、正義は簡単にひっくり返ってしまうことがある。じゃあ決してひっくり返らない正義って何だろう。おなかをすかせて困っている人がいたら、一切れのパンを届けてあげることだ」という語りから始まり、まるで絵本の1ページ目をめくったかのようなスタートとなった。

子ども向けアニメとして知られる「アンパンマン」だが、仲良くなった友達が消えてしまったり、助けたはずの幻の鳥が行方不明になってしまったりと悲しい結末を描いたエピソードも多くある。『あんぱん』第1週でも、“別れ”という重いテーマが取り上げられた。

嵩(北村匠/幼少期:木村優来)は父・清(二宮和也)と死別し、母・登美子(松嶋菜々子)と伯父・寛(竹野内豊)の家にやって来るも、登美子は嵩を置いて家を出てしまう。なんでも他の男性と再婚するという噂だが、嵩は「すぐに戻ってくる」という母の言葉を信じて、一人待ち続けている。

一方、嵩が父親と死別していると知ったのぶ(今田美桜/幼少期:永瀬ゆずな)は「お父ちゃんにもう会えんらあって、どんな気持ちなんやろ…」と胸を痛めるが、間もなくして自分の父とも別れがやって来た。のぶはしばらく言葉も涙も引っ込みぼんやりと過ごしていたが、嵩が描いてくれた自分と父の絵を見て涙をポロリとこぼす。

その後、“ヤムおじさん”こと屋村(阿部サダヲ)が悲しみに暮れる朝田家の人々にあんぱんを差し出す場面は、まさに「アンパンマン」のワンシーンのよう。私たち大人も童心に帰ったような気持ちで、のぶと共に涙し、のぶと共に笑い、思わず駆け出したくなるそんな一週間だったのではないだろうか。

週タイトルの「人間なんてさみしいね」は、やなせたかしの詩集『人間なんてさびしいね』から引用したものだと思われる。第5話では、屋村が「たった一人で生まれてきて、たった一人で死んでいく。人間ってそういうもんだ」「人間なんておかしいな」と嵩に語りかけたが、これもやなせたかしの書籍『人間なんておかしいね』が元になったセリフだろう。同じく第5話、のぶの父・結太郎(加瀬亮)の死を「何のために生まれてきたがやろう」と嘆く祖母・くら(浅田美代子)のセリフも、「アンパンマンのマーチ」の一節「なんのために生まれて なにをして生きるのか」とよく似ている。

また、登場人物の名前にも「アンパンマン」の要素がちりばめられており、ヤムおじさん=ジャムおじさん、母・羽多子(江口のり子)=バタコさん、幼馴染・うさ子(志田紗良)=ウサこなど、楽しい仕掛けがいっぱいだ。

“ひっくり返らない正義とは”というずっしりした主題を構えつつ、幼少期に誰もが親しんだ「アンパンマン」という絶対的な存在が物語に潜んでいることで、やなせたかしの世界観にじっくり浸るもよし、子どもたちと一緒にライトに楽しむのもよし、自由な角度で視聴できる朝ドラになっているのではないだろうか。

2作ぶりの子役スタートで、「これぞ朝ドラ!」と期待値が高まった視聴者も多いはず。史実をベースとしつつも、これからどのように物語が進んでいくのか。“はちきんのぶ”に置いて行かれぬよう、楽しみに視聴したい。

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