

異例のヒロイン不在、『おむすび』第16週で再び描かれた歩(仲里依紗)の“傷と前進”
現在放送中の連続テレビ小説『おむすび』(総合・月曜~土曜8時ほか)。1月20日(月)~24日(金)放送の第16週「笑え、ギャルズ」は異例の“ヒロイン不在”週で、結(橋本環奈)の姉・歩(仲里依紗)の傷がフューチャーされた。
歩が抱えている傷やギャルになった経緯は、既に第5週「あの日のこと」や第6週「うち、ギャル、やめるけん」で詳しく描かれている。阪神・淡路大震災で親友・真紀ちゃんを失ったこと、周囲に馴染めなかった糸島での中学時代、真紀ちゃんを投影したギャルデビュー…ずっと確執があった結と和解できたことで、歩の心の傷は塞がったように思えていた。神戸に移り住んでからは、真紀ちゃんの父・ナベさん(緒形直人)と二人でお墓参りに行く仲になり、少しずつではあるが確実に前に進んでいるように見える。
しかし当然だが、過去の傷は完全には消えてはくれない。何かの折に触れて疼いたり、突然傷口が開いたりすることもあるものだ。第15週で東日本大震災が発生すると、歩の古傷もズキズキと痛み始めてしまった。「何かしなければ」という衝動に駆られ、一年間にわたって被災地に物資やギャル服を送り続けるも「本当にこれでいいのか」と不安感が拭えない。さらには「想像もできなかったことで普通の生活が奪われて、今を楽しめない人はじゃあどうしたらいい?」「そういう人に、ギャルだから前を向けなんてさ…私は言えないよ」と、自分を突き動かしていたはずのギャル魂にも否定的になってしまっていた。
人助けや支援は意義のあるものではあるが、一方で“いい気分になれる”という危うさもある。人助けによる“いい気分”中毒になると、受け取り手が本当に求めている支援を見失ったり、いつの間にか見返りを求めてしまうようになる。歩はきっと、そんな人助けの危うさにも気づいていたのではないかと思う。「支援物資を送る」「ギャル服を送る」だけで満足してしまっていいのか。自分の行動は本当に被災者のためになっているのか。前を向こうと軽々しく言っていいのか。震災で傷ついた経験があるからこそ、自分の行動に慎重になっていたのだろう。
そんな歩の心をほぐしたのが、岩手で被災したギャル仲間・アキピー(渡辺直美)だった。今も仮設住宅で暮らしているというアキピーだが、歩たちが送ったギャル服のおかげで自分も娘も元気を取り戻せつつあるのだという。「ギャルの服いっぺえ送ってくれて、どんだけありがたかったか」と、被災者であるアキピーの率直な言葉を聞いた歩は、自分の行動は間違っていなかったとホッとしたような表情を見せた。
歩は“真紀ちゃんを投影して生きてきた”という過去があるからか、自分自身の言動にやや自信がなさげなことが多い。昔から口にしていたという「辛いときこそ笑おうよ」「笑ってればなんとかなる」という言葉も、半分は周りを励ますためで、半分は自分自身に言い聞かせていた言葉だったのではないだろうか。思えば歩が妙にハイテンションだったのも「糸島に帰ってきた時」と「神戸に戻ってきた時」で、どちらも自分の傷に向き合わなければいけないタイミングだった。本来前向きな意味を持つ「辛いときこそ笑おう」という言葉に囚われすぎて、「辛いけど笑わないといけない」と強がったり、傷を見て見ぬふりをしていたのかもしれない。
それでも第80回で改めて「私は笑おうと思う」と力強く宣言した歩は、泣きながら笑っていた。傷に無理やり蓋をするのではなく、笑ってごまかすのではなく、傷を抱えたまま笑えばいいのだと気づけた瞬間だった。
『おむすび』はすごろくみたいなドラマだなと思う。順調に前進したかと思えば、ふいに何マスか戻らされたり、意図せぬタイミングで“一回休み”を強いられたりする。でも戻ったマスから再びサイコロを振れば、新たな出会いが待っていることもある。結が一回休みのマスに止まっている間に、歩は何マスか戻り、また何マスか進むことができた。来週からは足並みを揃えて、きっとまた一緒に進んでいけるはずだろう。
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