植草克秀「コンサートは、お客さんにお腹いっぱいになって帰ってほしい。死ぬ手前まで全力で頑張る」
1985年に“少年隊”のメンバーとして、シングル「仮面舞踏会」でデビューして以来、ドラマ、声優、ミュージカル、コンサートなど多岐に渡って活動し、今年、“デビュー40周年”を迎える植草克秀。近年では、演出家としても手腕を発揮するなど、様々なシーンで活躍している植草だが、やはり主軸は彼の原点でもある“歌手”。2023年にはソロとして初のミニアルバム「Polaris」を発売し、コンスタントにコンサートやディナーショーを行っている。
「チャンネルNECO」では、『【2ヶ月連続】植草克秀 特集II』と銘打ち、そんな植草の公演の中から、2024年6月に開催した3度目となるソロコンサートツアー『KATSUHIDE UEKUSA 2024 MOVING ON〜3rd Season〜』と、2022年に開催された“盟友”錦織一清とのディナーショー『ふたりのSHOW&TIME「Song for you」』の模様を、1月と2月に放送。この特集は2023年9月に続いて第2弾となる。「また!?何で2度も!?と思った」と笑う植草に、コンサートへの想いや錦織について聞いてみた。何度も「楽しい」というワードが語られ、ポジティブオーラが溢れたインタビューとなった。
毎年違う構成を考えるのが、楽しい
――まず1月に放送されるコンサートは、3度目のソロツアーですね。
植草:最初のコンサートは前の事務所を退所してからだったんで、皆さんが「どういう事をするのか」と思ってる中で、自分なりに1人でどこまでやれるかというのはもちろんありました。その期待に応えられたのかどうかは自分ではわかりませんけど、うまくみんなと盛り上がれたからこその2回目、そして3回目に繋がってるんじゃないかなと思います。
――ツアータイトルがずっと「MOVING ON」でシーズンを重ねてますが、繋がりを意識して構成を考えたりされてるんでしょうか。
植草:同じモノをやる事は、僕、あんまり無いんですよね。非常に失礼な言い方になっちゃうかもしれないけど、例えば舞台とかを1カ月、2カ月ずっと演るのが、どうも性に合わなくて…。「PLAYZONE」でも毎年内容が違いましたし、その方がやっぱり楽しいんですよ。だから、コンサートも毎年いろんな構成を考えるのが楽しいです。スタッフがいいアイデアを出してくれる事もあります。ずっと一緒にやってきたスタッフだから、スゴくやりやすいし、「コレ、こうしといたよ」って先にやっておいてくれたり…。良くなるようにいろいろ考えてくれて、ありがたいです。
お客さんにお腹いっぱいになって帰ってもらいたい
――「3rd Season」はどういうポイントで構成されたんでしょうか。
植草:1回目の時は、ヒット曲のオンパレードだったんです。で、2回目はファンクラブでリクエストを募って。「何でその曲が好きなのか」「してほしい事」とかもリサーチして、その回答を見ながら、これ面白いんじゃないかとか、こういうのがあったらこれができるな、とか考えながら作っていきました。毎回、楽しむ事しか考えてないですね。今回オンエアになる3回目のツアーでは、過去のCMのタイアップ曲や昔の曲のコーナーを入れてみたりしてます。
――デビュー前の曲が次々に飛び出して本当に驚きました。「あいつとララバイ」(正式デビュー前の少年隊の同名主演映画の主題歌)とか。ずっと応援してる方には胸熱すぎる選曲でした。もちろんヒット曲も満載で、どんな方も楽しめるように考えられた構成だなと思いました。
植草:毎回、大変なんですけどね。大変なんだけど、楽しい。だからやってるんだろうなって感じですよね。セットリストを考えなきゃいけない時期になると、家にこもり始めるんです。で、ずーっと曲聴いて並べながら、これとこれを繋げたいけどちょっとカッコ悪いなとか、この曲は入れよう、いや次にとっておこう、ってギリギリまでやってんですよ。で、普通はだいたい20曲ぐらいだと思うんですけど、30曲ぐらい入れちゃったりして…(笑)。
――大サービスですね!
植草:「できねぇ!」ってスタッフに言われたりしますけれど、やっちゃうからね(笑)。その“やりきった感”が無いと面白くないですよ。昔もそうだったんですけど、お客さんにお腹いっぱいになって帰ってもらいたいんです。腹すかしたままで、まだ腹8分目で帰ってもらうよりも、「もうお腹いっぱい!もういいよ!」ってぐらいのモノばっかりやってたんで、どうもそれがクセになってるんでしょうね。だから、今もその気持ちで構成を考えてるんです。
――公演中、1つ1つのコーナーも長くて、ほぼ休みナシでした。年齢を重ねてくると、3曲ぐらい歌ってMC、みたいに刻むアーティストも多いですよね。
植草:僕は、ごまかしたくないんですよ。体力があるうちは、やらなきゃいけない。やれるのにやらないのは、ダメだ!って、自分をイジメてるんです(笑)。これまでは、他のメンバーに甘えちゃってたけど、1人になったからこそ、自分でやらなきゃいけない、と。
――ソロになってからで、違いはありますか?
植草:全然違います。例えばコンサートで歌詞を間違えた時に、メンバーが居ると助かったり(笑)。
――(笑)。歌詞と言えば、植草さんのコンサートはセットのLED画面に歌詞が出てますよね。
植草:あれは、みんなが歌えるように。曲を知っていて一緒に歌いたい人はいっぱい居るので。みんな歌ってくれてて、それでいいと思いますし。でもありがたいのが、昔からのファンの方たちって、見るとこは見よう、聴くところは聴こう、って姿勢を持っていてくれてるんです。だからずっと歌ってるわけじゃなくて、スゴくいい感じですよ。
――でも歌詞が出てる事で、間違えると、それこそお1人だし、スグわかっちゃいますね。
植草:間違えたら間違えた、で。ヘンに緊張すると弾けらんないから。間違えた後に何をするかを考えるのが面白い。だから、ハプニングの方が楽しかったりします。
死ぬ手前まで頑張る
――植草さん、全曲ナマで歌ってるのもスゴいと思いました。最近は、音源を被せたりする方も多いですよね。
植草:そもそも“口パク”っていう考えが全く無いんですよ。最初の打ち合わせの時に、演奏を生バンドにするのか音源にするのかって話が出たんですけど、僕は「当然コンサートはバンドを入れてやるモノだろう」と。で、そうなったら、絶対口パクなんてありえない。
――いい意味で、オールドスタイルですね。
植草:そうですね。昔と変わったのは、イヤモニを使うようになった事。自分の欲しい音以外、全く他の音が聞こえなくなるんで、最初はスゴく使いづらかったんです。でも、今では無いと逆に歌えなくなっちゃいました。
――踊りながら歌うのは、体力もかなり必要ですけど、どんな鍛え方をされてるんですか?
植草:全然やってないです。昔からストレッチとかしないんですよ。
――本番前もですか!?
植草:しないしない、1回も無い。だって、疲れちゃうもん(笑)。普段走ったりも全くしないです。稽古やリハーサルをする中で徐々に体力を上げていって、本番でMAXになる。言い訳でも何でもなくて、それが自分のやり方、スタイルなんです。
――本番で、何も残ってないほど出し切って。それが快感でもあるんですね。
植草:文字通り「死ぬ手前まで頑張る」。コンサートが終わると、本当に動けないですから。全部出し尽くして帰るんです
――スポーツ選手がよく「ゾーンに入る」って言いますけど、植草さんもコンサート中にそうなる事ってありますか?
植草:ありますよ。体力的な部分で言うと「アレ?今、疲れてねえぞ?イケんじゃない?」って時があって、「イケるイケる。もっと行っちゃえ」って。で、行きすぎちゃうと疲れちゃうんですけど、そういう“ゾーン”っていうのはやっぱりあるんだなって思います。アドレナリンってのは絶対出てくるから、やっぱり普段の自分とは違いますよね。
――どのくらいで回復します?
植草:かかる時は、かかりますね。1週間…下手すると1カ月…(笑)。
――(筋肉痛が)遅れてきますよね。
植草:遅れてくる、遅れてくる(笑)。(コンサートの)翌日は普通に過ごしてるんだけど、だんだん…何かダルいなぁ…まだ疲れが取れてないなぁって。
――ファンの方もずっと立って応援してるから、体力必要ですよね。
植草:実は僕、皆さんが立ってる事に最初気付かなかったんですよ。舞台の上からだと、客席が暗い事もあるし、同じ高さに見えたんです。で、MCになって明るくなった時に「アレ?みんな立ってたの!?」って思って(笑)。「みんな、もういい歳なんだから。オレと変わんないでしょ?1回座りましょう」と(笑)。
夫婦や子供連れのお客さんが増えて、嬉しい
――皆さん(お客さん)、植草さんと共に年齢を重ねて、結婚して、お子さんといらっしゃる方も多いみたいですね。
植草:最近は旦那さんと来る方が増えましたね。ディナーショーは特に。公演後に握手会や見送りとかしてる時に、旦那さんが「頑張ってね!」「楽しかった!」って言ってくれたりして。昔はきっと不満を言ってたと思うんですよ。それがこの歳になると許せるようになって、「なかなかいいんじゃねえか?」ってなるんだよ(笑)。奥さんと一緒に来る良いきっかけになって、夫婦円満にもなるし、いいんじゃないかなと思いますよ。
――同世代の男性の応援は、励みにもなりますよね。
植草:はい。あと、まだちっちゃなお子さんが一緒になって踊ったりしてるのを見るとスゴく嬉しいよね。
――ある意味、英才教育ですね。植草さんとって、“コンサート”はどういう意味を持つモノですか? ライフワーク?
植草:そうですね。1番大事なのは、やっぱりファンファーストで考える事です。ファンの方にどこまで楽しんでいただけるかっていう。それは、実際にやってみないとわかんない。だから、やってみて「あぁ良かったぁ、喜んでくれた!」って感じられるように毎回作らなきゃ…って、いろんな事を考えてます。
――そうやって“コンサートをやる”という目標がパワーの源になってますか?
植草:はい。今、お客さんが来てくれてる事自体もスゴくありがたいですし、その方たちを大事にする事が、一番の目標です。
ニシキは、友達以上の人
――2月には、2022年の錦織さんとのディナーショー『ふたりのSHOW&TIME「Song for you」』が放送されます。錦織さんと2人で、というのは、また格別な思いがあるのでは?
植草:皆さんそう言うんだけど、ステージで一緒に歌うのが久しぶりというだけで、オレはアノ人と居る事がもう日常だから。2021年の12月12日に僕の初めてのディナーショーがあって、その日は僕たちのデビュー日なんで、ニシキに「出てくれない?」って声をかけて、出てもらったのが2人で演った最初だったんですよ。その時は、やっぱ感動した。「来たかー」みたいな感じで。
――今回放送されるのは、その翌年の公演ですね。
植草:だから、懐かしいっていうよりニシキもオレもいつもの感じで普通にやってましたね。自分のソロの時もですけども、MCの内容は事前に準備しないんですよ。いつも、歌い終わって、「MCか。何喋ろうかな?」って。ニシキと2人でMCの時も、楽屋で2人でフザケてて「今日、何話す?」って会話にはならないんです。
――完全にアドリブなんですね?
植草:全部。思った事喋ってるだけ(笑)。
――植草さんも錦織さんも演出をされますが、準備段階で、意見がぶつかったりはしなかったんですか?
植草:それは無いですね。やりたい事が違うから。もう友達以上だから、もうなんか喧嘩することなんていうことなんてないんですよ。
――植草さんにとって、錦織さんはどんな方ですか?
植草 もう友達以上の人。だから、もうケンカするなんて事も無い関係です。
“デビュー40周年”に何かするなら、1人よりも…
――今年、デビュー40周年ですが、アニバーサリーの企画は何か考えていますか?
植草:全く考えてないですね。別に40周年だからって何があるってところもあるし、たぶんその時にならないと思い浮かばないです。例えば、宝くじとか買っちゃって、想像ばっかしちゃうでしょ。「当ったらコレに使おう、アレをしよう」とか。そんな事考えたって、結局その時にならないと無理なわけじゃないですか。それと同じように、その時になったら、何か面白い事があるだろうから、それに応じた事を、いろいろできたらいいのかなと思ってます。半年後、1年後に何が起きるかわからないし。でも、40周年企画をやるんだったら、やっぱり1人でやるよりも…とは思ってます。問題はいっぱいありますけど(苦笑)。
――でも、コンサートは23年、24年とコンスタントに続いてるので、今年も「~4th Season」はありますよね?
植草:もちろん、毎年コンサートをやるのは確かです。チャンネルNECOさんで僕の特集があるかはわかりませんけど。「第3弾」をやってくれなかった場合は、評判が悪かったって事で。ハハハハハ。
――今日お話していて、すごくパワフルで元気をいただきました。毎日を楽しんでる感じでステキだなと思ったんですが、植草さん流の楽しく生きるコツがあったら教えてください。
植草:ただもう楽しく。この歳になると、悩むよりも楽しんだ方が健康にいいよね。だから、お酒も楽しく飲んで。ニシキに会っても、ずっとフザケてる話しかしないですよ。ボクの歳になったらわかると思う。イヤな話は聞きたくない、って(笑)。
◆取材・文=鳥居美保
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