ドラマ『しょせん他人事ですから』が描いた誹謗中傷の“身も蓋もない真実”と勝者なき哀しい結末
ネット上で誹謗中傷する人間は少なくない。いくらネット上とはいえ誹謗中傷されれば傷つき、場合によっては死を選ぶケースも決して珍しくない。ただ、7月から放送開始したリーガルドラマ『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』(テレビ東京系、毎週金曜20時~)を見ていると、ネットの誹謗中傷への対処が容易ではないことが嫌というほど伝わってくる。
本作は同名漫画(原作・左藤真通、作画・富士屋カツヒト、監修・清水陽平、白泉社「黒蜜」連載)が原作で、ネット関連のトラブルに強い弁護士・保田理(中島健人)が毎回様々な依頼に立ち向かう姿が描く。9月6日に放送された7話では、ネット上の誹謗中傷というトラブルの扱いにくさを痛感させられる内容だった。
中学生の西村優希(斎藤汰鷹)はゲーム配信者の安部彩子(瀧七海)の配信中に「セクシー女優でヤリまくり」「ここで脱げや」といった誹謗中傷のコメントを繰り返し、さらにはネットに落ちていた情報ではあるが彩子の家の住所まで投稿。このことを受け、優希は彩子側から「150万円支払い」 「直接謝罪」などを求められる。優希は理(中島健人)に泣きつき、理の説得を受けてこの条件を飲む。後日、優希は父親の和徳(勝村政信)と理と一緒に彩子の住む山梨県に出向く。
彩子と対面して優希は謝罪を口にするが、彩子は「何が悪いか、本当にわかってる?」と許す気は全くない様子。優希は動揺するが、彩子は気にせず「なんで誹謗中傷してきたの?理由を言って」とすごむ。「ノリっていうか……面白いと思って」と答える優希に、納得するわけもなく「私が何したんだよ!説明しろよ!」と激高。すると和徳は土下座して「こいつが反省してるのは本当なんです」と優希を庇う。ただ、やはり彩子は落ち着きを取り戻すことはなく「土下座されたら、私が悪いみたいじゃん」「私は『どうして?』って聞いてんの、私が何したっていうんだよ」と泣きじゃくり、敵役を前にしながらもやり場のない怒りを収められずにいる。
最悪な空気が流れる中、理は「差し出がましいのですが、一言よろしいでしょうか」と口を開き、「理由も何も、ただバカなんです」「身も蓋も無いんですけど、何も考えてないんです」と彩子が求めている答えを示す。続けて、「嫉妬をこじらせて歪んだ陰口をネットに書き込むものもいれば、ネットリテラシーの低さと相まって間違った正義感を暴走させるものもいる。単に日頃のストレスのはけ口として利用するものもいます。ただ、ほとんどみな、大した理由なんて無いんです」と誹謗中傷する人の心理を説明。そして、「『恨みを募らせていった』なんてことも意外と少ないし、被害者側に落ち度なんて無いことがほとんどです」「彼もそのうちの1人ということです」と語る。彩子は知りたくてたまらなかった理由を知ることができたものの当然納得できず、「『相手はただのバカでした』で、こっちは心療内科通いかよ」とやるせない表情を浮かべた。
彩子が必死に誹謗中傷した理由を聞き出そうとする様子が印象的だった。だからこそ、その答えが「ノリ」「バカ」だったことを知って落胆する姿は不憫でならなかった。終わってみれば彩子側の要望はおおむね通り、「彩子の勝利」という見方もできる。しかし、彩子は心療内科に通わなければいけないほどの傷を負っており、決して救われた終わり方ではない。一方、和解条項を詰めた結果、優希側は損害賠償金として120万円を払うことになった。決して安い額ではないが、それでもお金を払ってしまえば優希は許されてしまう。むしろ「優希の勝利」という考えも浮かび、いかにネット上の誹謗中傷の落としどころが難しいのかが伺えた。
加えて、「ノリ」「バカ」のために誹謗中傷する人は少なくないことから、いかに誹謗中傷を抑制することが容易ではないのかも感じざるを得ない。何か明確な理由があれば、対策ができ、なにより被害者も多少なりとも納得できる。しかし、実際は情状酌量の余地がある理由はなく、基本的には「身も蓋も無いんですけど、何も考えてないんです」なのだろう。
本作を通して、ネット上の誹謗中傷対策が一筋縄ではいかないことに気付いたからこそ、今後彩子のように不幸になる人、優希のように軽率に人を傷つけてしまう人を無くすための議論が活発になってほしいと思う。
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