“自給自足アイドル”として再始動したBiS 撮影/大橋祐希

自給自足アイドルとして再出発したBiSが関東ツアーファイナルを開催、メンバーによる研究員への愛と感謝

2024.06.11 21:38
提供:ENTAME next

BiSが、6月9日(日)、東京・代官山UNITにて「We Gotta Go BiS TOUR」のファイナル公演を開催した。今年2月にアルバム「NEVER MiND」をリリースし、4月からは5人体制となり、かつ、メンバーがマネージャーも兼務する“自給自足アイドル”として再始動したBiS。約1か月かけて、関東のライブハウスを回った今回のツアーファイナルのチケットはソールドアウト。現体制のBiSの集大成と今後の方向性を示しながらも、研究員(ファンの呼称)と共に作り出す未来への期待値が高まる熱いライブとなった。

開演前の影アナで、クレナイ・ワールズエンドが「最高にアチアチな空間を作っていこうぜ!」と会場を煽ると、後方までびっしりと埋まった研究員から、大きな歓声が上がり、代表曲「STUPiD」でライブはスタートした。コールやジャンプ、サビで両手を上げる振りや肩を組むシーンなども見られ、1曲目から会場に一体感が生まれると、「BASKET BOX」、「LAZY DANCE」、「LOVELY LOVELY」と新旧の人気曲やライブ定番曲を立て続けに披露。今回のセットリストのテーマ「ALL of BiS」が、最初のブロック4曲で見事に表現されており、研究員の熱気も一気に高まっていく。

特に、松隈ケンタ楽曲の中に組み込まれた、DOPING PANDAのフルカワユタカによる「LAZY DANCE」は、BiSの新たな魅力を引き出し、ミラーボールが回る演出もあいまって、今回のセトリの中で、ひと際、輝きと存在感を放っていたのではないだろうか。

最初のMCパートで、トギーがツアーファイナルへの意気込みを語ると、「Olenimorph, Ole」から次のブロックへ。ナカコーこと中村弘二(LAMA、iLL、NYANTORA、ex. スーパーカー)によるプロデュースで話題となった最新アルバム収録曲。この曲もまた、これまでのバンドサウンドとは異なるサウンドで、BiSの新たな表情を引き出す1曲となっていた。研究員達もじっと聴き入っていたが、次の「DESTROY」からは、再びコールやクラップが加わり、さらに、「thousand crickets」では、スクワットの振りで一体感が生まれ、ナノ3の「踊れー!」という煽りから「teacher teacher teacher」へと続いていく。このブロックも新旧の人気曲が絶妙なバランスで組み込まれたブロックとなっていた。

続くMCパートは、ヒューガーが担当。改めて、今回のセトリのテーマ「ALL of BiS」について触れつつ、「ここからの後半戦は、体感的に“秒”だと思うので、楽しんでいきましょう」と語り、「DEAD or A LiME」から後半戦がスタート。まさに、体感“秒”という表現が相応しいような攻撃的なバンドサウンドのナンバー「FUCKiNG OUT」、「テレフォン」と続き、メンバーの魂の叫びのような歌声が会場中に鳴り響く。そして、「つよがりさん」のピアノの音色と美しいメロディーが会場を包み込んでこのブロックが終了すると、最後のMCパートへ。

ナノ3が、今回のツアーで研究員との一体感を感じ、最も印象に残っている1曲だと語り、「R.U.N」から最後のブロックがスタート。Age Factoryプロデュースのこの曲は、拳を上げて、シンガロングする研究員がいて初めて完成するライブ曲だ。メンバーがステージ前方から前のめりで、研究員にマイクを向けながら歌う姿も印象的だった。

そんな「R.U.N」から始まった本編最後のブロックは、「イミテーションセンセーション」、研究員がメンバーの名前を叫んで終わる「なまえをよんで」、ハートマークを作る振りなどBiSのチャーミングな魅力が詰まった「NO.CHOiCE」という人気曲を詰め込んで終了。まさに、全ブロックで「ALL of BiS」を感じられるセトリだったと言ってもいいだろう。

アンコールのMCでは、メンバーが1人ずつ、今回のツアーを振り返ったのだが、自給自足アイドルになったことへの不安を口にしながらも、メンバー5人でツアーを必死に駆け抜けて来たこと、そして、支えてくれている研究員への愛と感謝が、それぞれの言葉で一言一言丁寧に語られていたのがとても印象的だった。

そんな5人の真っ直ぐなMCを挟んで披露されたアンコール1曲目は「TOUCH ME」。「いつもそばに あなたはいたし」、「いつもそばで あなたを見てた」という歌詞からは、研究員への思いが強く感じられた。特に、イコ・ムゲンノカナタの落ちサビは、研究員の心にも響いたのではないだろうか。

続いて、最新アルバムから、こちらもAge FactoryプロデュースによるBiSの新境地とも言える「Sakura」へ。桜の花びらが散る様を表現した手の振りやクラップでの一体感、ラストのサビの転調からユニゾンで歌うエモーショナルな展開は、この日のライブのハイライトのひとつになったと言ってもいいだろう。

そして、アンコール最後の1曲は「CURTAiN CALL」。メンバー5人の全力のパフォーマンスと研究員からの全力のコール。まさに、この日一番の盛り上がりを見せて、全10公演のツアーは幕を閉じた。

「We Gotta Go BiS TOUR」としては、ファイナルを迎えたわけだが、6月24日からは、既に発表されていた「自給自足ライヴ」がスタート。これは、会場ブッキングを始め、企画・運営・パフォーマンスの全てをBiSメンバーが担当するというもの。さらに、アンコールの最後には、9月から全国5か所を回る新ツアー「ALL FOR BiS, ALL FOR YOU LiVE」の開催が発表されたほか、ライブから一夜明けて、配信アルバムのリリースも発表されている。

今回のツアーファイナルは、まさに「ALL of BiS」の名の通り、現体制のBiSの集大成を見せながらも、メンバー5人の絆、そして、メンバーと研究員の絆がさらに深まった、新たな一歩、かつ、大きな一歩となるライブだったと言ってもいいだろう。トギーが最後のMCで語ったように、BiSはまだまだ変化の途中である。自給自足アイドルという険しい道を選んだ5人が、今後どんな変化と進化を見せ続けてくれるのか…。是非、歩みを止めず、走り続けるBiSの動きにこれからも注目し続けて欲しい。

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