

『VIVANT』破格のスケールで作られたドラマが最後に辿り着いた、家族の愛
遂に最終回を迎えた『VIVANT』。<敵か味方か、味方か敵か――。>というキャッチフレーズが踊るドラマが最後に辿り着いたのは、家族の愛だった。(以下、ネタバレがあります)
別班の任務としてテントに潜入していたことが明らかとなった乃木(堺雅人)。黒須(松坂桃李)をはじめ工作員たちにもこのことは一切伝えられておらず、唯一司令官の櫻井(キムラ緑子)のみが知る極秘ミッションだった。やはり、例の「手に持った物の重さが正確に分かる」という謎の特技が伏線になっていたか!
そしてベキ(役所広司)に対し、乃木は「フローライトの採掘権を得られれば、テントは孤児たちを救済するという目的を達成できる。つまりテロ活動を行う必要がなくなる。日本の安全を守ることが使命の別班としては、テントに助力した方が良いと考える」という理屈によって、一時的にテント側につくこととする。
もちろんボスが実の父親であったにせよ、テロによって数え切れないほど罪のない人たちを死に追いやってきたテロ組織と手を結ぶというのは、若干、いやかなりモヤる展開。かつてアメリカ元大統領ドナルド・トランプがアメリカ・ファーストを唱えたように、“日本にとって国益となるか、否か”のジャパニーズ・ファースト精神が行動原理となっている。逆に言えば、一大エンターテインメント・ドラマとして、ここまで自国利益主義を徹底した作品も珍しいのでは。
そして乃木は、外務大臣のワニズ(河内大和)が、バルカ政府主導でフローライト採掘権を獲得できるように画策していることを、超人的洞察力で見破る。あとは、テント潜入編ではすっかりお馴染みとなった半沢直樹的展開。密かに駐バルカ大使の西岡(檀れい)をこちら側に引き込んで、逆転劇を演じてみせる。貴重な地下資源を巡る国家の争いもまた、リアルな戦争なのだ。
この交渉の席に公安の野崎(阿部寛)が参加し、堺雅人(『半沢直樹』)、阿部寛(『下町ロケット』)、役所広司(『陸王』)、二宮和也(『ブラックペアン』)の“日曜劇場アベンジャーズ”が一列に並んだ絵面は圧巻の一言。この光景だけで、ご飯が何杯でも食べられそうだ。
個人的には、バルカ警察のチンギス(Barslkhagva Batbold)を始め、警察官のほとんどが孤児院出身という設定が胸アツ。ワニズを外務大臣の座から引き摺り下ろそうと、バルカの高官たちと交渉まで行なっていたのだから、その行動力はハンパない。はじめは乃木や野崎たちを地の果てまで追いかけるだけの悪役で、バルカ脱出後は出番がないだろうと思っていたら、ここまで深くドラマに関与するキャラクターだったとは。逆に、前半はあれだけ大活躍を見せていたドラム(富栄ドラム)が、後半になるとただニコニコしているだけなのはちょっと残念だった。
そしてクライマックス。ベキたちが公安の手を逃れ、自分を裏切った元公安外事課課長の上原(橋爪功)の自宅に押し入るという展開。それこそ『相棒』のように、1話丸ごとかけてサスペンスを盛り上げることができる状況にも関わらず、乃木があっという間に現場に駆けつけ、ものの数分で事態を収拾してしまう。やや消化不良の感は拭えないが、おそらく制作サイドが、手に汗握るサスペンスを見せることよりも、父と子の愛を見せることを選択したゆえなのだろう。
ラストで乃木は、SNS界隈では別班説も囁かれていたが本当にただの医療従事者だった薫(二階堂ふみ)とジャミーンと再会し、熱い抱擁を交わす。破格のスケールで作られたドラマ『VIVANT』が最後に辿り着いたのは、家族の愛。これこそが、“日本で最も視聴率を獲得できるドラマ監督”福澤克雄の、必然的ラストだったのだ。
SNSでは、乃木が語った「皇天親無く惟徳を是輔く」というセリフが「天は公平で贔屓せず、徳のある人を助ける」という意味から、実はベキたちは生きているという考察で溢れ返り、早くも続編を期待する声が殺到している。このスケールのドラマを、しかもこれだけ主演級の役者を揃えて制作するのは至難の技だとは思うが、筆者もいつか訪れるかもしれないPART2を期待して待ちたい。
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