<「介護は実子で!」と言うけれど…>現実は正論通りにはいかない!?夫婦で助け合うメリットは
2026.06.29 22:10
提供:ママスタ☆セレクト

「義父母の介護を押し付けてくる夫を『介護は実子でやるべき!』と一喝して家を出る」といったストーリー。SNSやWeb漫画で見たことがある方もいるでしょう。日頃の義実家への鬱憤を抱えるママたちにとっては、なかなか爽快な展開ではないでしょうか。しかしこれにあえて一石を投じたのが今回の投稿者さんでした。
『介護は実子がするのはたしかに当たり前。でも妻の実家のほうが大変なパターンだってある。どんな老後なのかはわからないんだから「自分の親は大丈夫!」って根拠のない自信は、自分の首を絞めるパターンもある』
投稿者さんは、義父の介護に寄り添って見送った後、今度は自分の実母が倒れてしまったのだそう。そのときに夫の献身的な助けに救われたといいます。投稿者さんは「あのとき、夫に『介護は実子でやってね!』と言わなくて、本当によかった」と振り返ります。それぞれが「実子」にばかり押し付けなかったからこそ、お互いがピンチのときに助け合えたのですね。
家事・育児に非協力的な夫に愛想を尽かした妻が介護を突き放して自立する展開は、同じような状況のママたちにとって「よく言った!」と胸をすく思いがするものでしょう。たしかに、血のつながった実子が責任をもつのは筋が通っていますし、法的な扶養義務を考えても間違いではありません。ところが介護はある日突然やってくるもの。それは妻側の親だって例外ではありません。そのとき夫の手を一切借りずにひとりで背負う覚悟はできているのでしょうか。
参考:e-Gov「民法第八百七十七条」
「スカッと漫画」はエンタメ?現実はそうもいかない
ママたちからは投稿者さんに共感する声が寄せられました。
『正直なところ、いわゆるスカッと漫画はいきすぎだと私も感じます。でもいろいろな日頃の鬱憤を、スカッと漫画を読んでキツめのコメントを書くことで発散させている人もいるのかな』
『介護関連の漫画として共感を得やすく、おもしろい話に仕立てやすいのが「意地悪な義両親」+「能天気な夫」=「介護は実子で!」だと思う。実際はそうもいかないことも多いよね』
『漫画は極端だからあまり気にしないほうがいいと思う。義父母だからってノータッチというわけにいかないしね。どちらの親が困ったときも助け合う。夫婦だから』
『看取られる側も含めて常識的な人たちなら、そんなお題目に固執しないし、義理の有無関係なく、できることは協力するし押し付けないからね』
ママたちの言う通り「実子介護論」が過激化している背景には、エンタメとしての「発散」という側面が強いのでしょう。物語のなかの「スカッと」をそのまま現実の夫婦関係にもち込むのは、ときに自分の首を絞めることになりかねません。介護は「誰がやるべきか」という正論だけでは到底立ち行かない、長期にわたる泥臭い共同作業だからです。
なぜ「介護は実子で!」と言いたくなる?
それでもなお、「介護は実子でやって!」という言葉に惹かれる人がいるのはなぜでしょうか。それは決して「わがままを言いたいから」という短絡的な理由ではないのでしょう。家父長制の名残から「嫁がやるのが当たり前」という無言の圧力や、実子であるはずの夫がすべての負担を妻に丸投げしようとする理不尽な現状があるからではないでしょうか。投稿者さんのように「協力し合いたい」と思える関係性ばかりではないのが、介護の難しさなのかもしれません。
『介護は実子で。この言葉はきっと、立場が弱くなる人たちを守るためのひとつの盾なんだと思います。自分は他人事なのに、妻の車を介護タクシー代わりに使おうとする夫もいる』
『長男や跡取りの嫁ひとりにすべて丸投げ、しかも行政の介護サービスを使用させずに自宅介護を当然と考える、時代錯誤な人に対する牽制の意味合いが大きい』
『スカッとしている話は、大体、義両親からいじめられている妻か、嫁やきょうだいにすべて押し付ける夫や義両親だから、あれは仕方ないと思う』
『実子たちが何もせず長男嫁にすべてを任せようとするパターンが多いですね。きょうだいや夫婦で協力できるのが一番いい。でも生死にかかわる決断だけは絶対に実子にしてほしい』
「実子介護」という主張は、不当な負担を押し付けようとする相手に対する正当な牽制としては機能するでしょう。特に義両親との関係が修復不可能だったり、夫が非協力的だったりする場合、この言葉は自分を保つための武器になりえます。しかし私たちが本当に目指すべきは、この言葉を「誰がどの役割を、どう責任をもって担うか」というフェアな分担を話し合うための、きっかけにすることではないでしょうか。
ひとりで背負えば共倒れ。でも夫婦で助け合えば……
介護をひとりの人間にすべて背負わせれば、いつか綻びが出てしまいます。ここで必要になるのが、日頃から培ってきた夫婦の信頼関係だとママたちは指摘しました。相手の親を助けることは、巡り巡って自分の親、そして自分自身を助けることにつながると考えられたのでしょう。ママたちが語る「お互いさま」という考えこそ、介護という長い戦いを乗り切るための究極の知恵なのかもしれませんね。
『私も義母の介護を旦那と一緒に行いましたが、やはり根底には私の親の介護が必要になったときに気持ちよく手伝ってほしいという思いがありました』
『夫婦仲がいいところは、ほとんどがちゃんと子育ても介護も支え合ってやっていく。旦那はうちの遠方の親の見舞いに付き合ってくれるし、私も義実家の通院や買い物を手伝ってる』
『「子どもに迷惑をかけたくない! 老後は施設に入ればいい!」って言うけど、そんな簡単な話ではないよね。結局はみんなで協力するしかない』
たとえ過去に失礼な態度を取った義父母であっても、できる範囲で協力しておく。それが将来自分の親が倒れたときに夫を動かす最大の動機付けになる、と話したママもいました。介護をひとりでこなすのは大変なことです。「夫を助けることで、将来の自分を助ける」という長期的な視点をもつことは、自分と自分の親を守るための賢い戦略ではないでしょうか。
「介護は実子で」という正論を振りかざすのは簡単です。しかし「お互いさま」と肩を貸し合える関係を少しずつつくることが、将来の貯金になるのかもしれません。自分の大切な親を、そして何より自分自身の未来を穏やかに守るための、確実な投資になるといいですね。
文・motte 編集・いけがみもえ イラスト・善哉あん
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