＜進路の不安＞【前編】娘が工業高校に行きたいらしく心配。メリット・デメリットを教えてほしいです

今回の取り上げるトピックは、「工業高校に進学したい」と希望のある娘さんについての相談です。
『娘が工業高校に行きたいと言いだしました。理由は、資格をとり手に職をつけたいとのことです。高校のときに専門の知識を学び、将来は経営者というか社長になりたいみたい。2つ目の理由は、女子が少ないから女子同士のトラブルがなく平和に過ごせそうだから。旦那は賛成していますが、私は怪我をしないかなどが心配です。実際にお子さんを通わせている方、通っていた方どうですか？』
工業高校とは、ものづくりに関する知識・技術を身に付け、次代の地域産業を支え、発展させる人材を育成することを目的につくられた専門高校です。

工業高校は男子が多く、危険な機材をたくさん使うイメージを持っているという相談者さん。工業高校について無知であるため、心配だと話しています。ジェンダーフリーの機運が高まっているとはいえ、まだまだ男性の方が多い学校や仕事は存在します。

ママスタコミュニティでは、実際に自分が工業高校の出身の人や、お子さんが工業高校に行っている・行っていたという人が、相談者さんの質問に答えてくれました。

参考：文部科学省「専門（せんもん）高校とは？」

実際に工業高校に通った経験談・メリット

まずはママスタコミュニティに寄せられた「実体験を通して知った工業高校に通うメリット」をご紹介します。
『娘が現役工業生。学年人数の1割が女子。娘は男女仲良くやっているよ！』
相談者さんのお子さんが言う通り、女子が少ない分結束力が働いて、女子同士のトラブルが少なくなる場合もあるのかもしれませんね。もしかしたら「いじめ」「仲間外れ」などが少なくなる可能性もありそうです。
『いいと思うよ。将来を見据えて工業高校を狙うならめちゃくちゃしっかりした娘さんだと思う。工業系はレベルにもよるけれど就職には有利だし、どうせ行くなら工業でも上位の高校を狙った方がいいよ。卒業後の待遇（就職でも資格取得の面でも）かなり差がでるので』
『娘が工業大学卒。高校から工業の女子がいたって。高校のときに資格を取って、その上を極めにきた感じ。大学に進学する子も多いんだよね。娘では取れない資格をたくさん持っていたって』
工業系の仕事とひとくくりに言っても、その分野には機械や電子機械、自動車、電気や電子、情報技術、建築や設備工業、土木などさまざまなものがあります。将来工業系の仕事を考えているのなら、早いうちから資格がとれれば就職に有利でしょうし、知識を広げて選択の幅を広げることもできそうです。
参考：文部科学省「工業科」

実際に工業高校に通った経験談・デメリット

続いて「工業高校へ通ったときのデメリット」になりそうなものをご紹介します。デメリットは、女子の少なさが原因のものがほとんどでした。
『女子が少ない分、喧嘩すればすごく学校へ行きにくいとも聞きます。クラスに女の子が1人しかいないのもザラで、クラスに女の子が2人しかいなかったとしてその子と性格が合わないと地獄とか。学年通して10人くらいしか女の子がいない年もあるみたいだから、その子たちと相性悪かったらと思うとちょっと怖い部分もありますね』
女子が少なかったとしても、トラブルが皆無となるわけではないでしょう。クラスに女子が2人しかおらず、その子と気が合わないということも。仲の良かった女友だちがどんどん辞めていき、友人関係で悲しい思いをすることだってあるでしょう。
『入学する女子の人数によるけれど、クラスに女子1人になるときはあるよ。女子トイレや更衣室が少なくて遠いこともある』
高校にもよりますが、女子の少ない高校だと、トイレや更衣室が遠い・狭いといったこともあるようです。そのほかにも体育が女子3人だけで行って授業内容が限られたなど、女子の少なさから起こるデメリットがいくつかありました。
『わたし自身が工業高校出身だけど、就職率100％っていう理由で進学した。家が経済的に厳しかったから。クラス関係なく、「○○科の誰に手を出そう」みたいな計画が一部の生徒から、日常的にあがる学校だった。わたしは一見弱々しいタイプだったからターゲットにされやすかったのかもしれないけれど、お子さんを危険に晒してほしくない』
年齢とともに異性に目が行くのは共学でも自然なことですし、女子校でも他校の生徒とお付き合いをすることはあるでしょう。もちろん愚かな計画を立てたのはほんの一部の生徒。しかし女子としては、万が一のときのために身を守ることも知っておかなければならないのかもしれませんね。ほかに、男子が多いからこそ人気が高くなる女子もいて、それゆえに勉強よりも異性と遊ぶことに夢中になってしまったという実体験などもありました。

自分のやりたいことが明確で、将来のことを見据えて選択できる相談者さんのお子さん。そんな素晴らしいお子さんの選択を尊重しながらメリット・デメリットを伝えてみると、お子さんの高校生活でのイメージも、より固まりやすくなるのではないでしょうか。

後編へ続く。

文・物江窓香　編集・古川純奈　イラスト・Ponko