＜娘の志望校選択＞高校を選ぶ理由が「制服」って、アリ？どうでもよくない？

多くの子どもにとって、高校選びは人生のなかでも大きな決断です。大人であるママからすれば、その選択を危なっかしく感じたり、疑問に思ったりすることもあるでしょう。学力や校風、部活動、通いやすさなど選ぶときの重要なポイントはいろいろありますが、そのなかに「制服」は入るでしょうか？

制服で選ぶのは、大いに「アリ」。実体験が続々と！

娘さんの高校選びに不満を感じる、あるママからの投稿がママスタコミュニティにありました。
『うちの娘が「今は中学校でセーラー服を着ているから、高校はブレザーがいい」と言い出した。「制服が可愛い・カッコいいから、この高校にする」なんて、アリ？　制服なんて、どうでもよくない？』
投稿者さんが住む地域では、偏差値が高い高校はセーラー服と学ランが多いのだとか。娘さんはブレザーを着たいがために、本来の偏差値よりもワンランク下の高校を受けたいと言い始めたそうです。

制服を理由に、進学先の高校を選ぶ。投稿者さんにはその感覚がまったく理解できないようですが、集まったコメントは圧倒的多数で「理解できる」。自分自身が制服を理由に高校選びをしたという体験談も、次々に集まりました。
『私も制服で選んだ。有名デザイナーによるもので、可愛くて清楚。お気に入りだった。モテたわよ！』
『高校選び。私は可愛いセーラー服と、きれいな校舎という理由だったよ。卒業して20年以上経つけど、母校の制服は今もすごく人気。入試の倍率も高い』
今現在も、制服を理由に高校を選ぶ子は少なくないようです。
『女の子は多いよね。うちのほうは紺ブレザーに青系チェックと、どこも似たような制服ばかり。でもわが子によれば「あそこはネクタイが選べて可愛い」とか、いろいろあるんだそう』
可愛い・カッコいい洋服を着たい、おしゃれしたいという気持ちが強い年頃の子どもたち。当然、制服は高校を選ぶ大きな理由になりますよね。「私も可愛い制服の高校に通ったおかげで、楽しい3年間だった」というママもいました。
『偏差値が低かった近所の高校。制服を変えたら、偏差値も上がったよ』
実際こうした話も、よく耳にしますよね。人によってはあまり意味のない部分でも、気になる子にとっては大きなポイントになるようです。

「制服」が選択肢に入るのは、トップではない中堅高校だからこそ？

投稿者さんと同じように「理解できない」という声も、ごく少数ながらあります。
『選択肢には入りません。偏差値で受験しただけなので』
『ナシ。制服が可愛くてラッキーとか残念とかは、合格が決まってからかな』
高校を選択する際に「一番の理由になるのは偏差値」という意見です。できるだけ偏差値の高い高校に入るため、猛勉強する。勉強熱心な子たちにとっては、制服などおそらく大した問題ではないのでしょう。
『そりゃあトップ校を目指すような子は制服なんか二の次だろうけど、中堅高校レベルだと制服も大事な要素だよね』
目指す高校がはっきり定まっていないからこそ、制服で選ぶという子もいそうです。

こんな意見もありました。
『どうせ同じものを着た集団の中で毎日過ごすんだから、どんな制服だろうが変わらんでしょ。それとも可愛い制服を着て可愛いヘアメイクをして、行き帰りに駅でナンパ待ちでもすんのかな（笑）』
可愛い・カッコいい格好をして、異性に魅力的だと思ってほしい……。年頃の子であれば、キラキラした青春への憧れもたしかにありそうです。ただ、「制服が素敵な高校に行きたい」という大多数の子は、異性受けを狙いたいのではなく、自己満足のためではないでしょうか？

気分が乗らなかったり疲れていたりで、「今日は学校に行くのがイヤだなぁ」などと思う日もあるでしょう。しかし、可愛い・カッコいい制服はそんな日も「よし、行くか！」と、自分の気分を上げる大きな要素になります。少しでも楽しい気持ちで高校生活を送れるのなら、それも十分「アリ」ですよね。

「制服だけ」で選ぶのは「ナシ」かも？総合的に比較してみよう

ただ、投稿者の娘さんで気になるのは「制服に惹かれているのが、ランク下の高校」というところです。
『うちの子も制服で選んだ。ランクを落として入ったよ。高校3年生の受験時になって、「やっぱり塾の先生たちが言っていた○○高校にしておけばよかったな」とは言っていた。学校行事や制服で行くテーマパークなんかは、3年間満喫していたけどね』
逆パターンで「制服の可愛いランク上の高校に行きたいがために、うちの子は必死で勉強した」というコメントも、たくさんありました。制服をモチベーションにして勉強を頑張れるのなら、理想的です。ただ地域によっては可愛い・カッコいい制服が、偏差値の低い高校しかない場合もありますよね……。
『理由はなんでもいい。とにかく子ども自身の「ここがいい」という理由が必要だと、先生が進路説明会で言っていた』
『世のなかには「修学旅行先が〇〇だから」って高校を選ぶ人もいるからね。制服で決める気持ちもわかる。何が決め手になるかなんて、その子次第じゃない？　そのへんをうまく言いくるめるのも、親の仕事だよ』
「制服で選びたい」という娘さんの気持ちは大切にしたいですよね。しかし高校選びのポイントは、他にもたくさんあるはず。たとえば学校の雰囲気や行事の楽しさなどを、数校の候補で比較してみるのもおすすめです。可能であれば学校見学にも、積極的に参加しましょう。

そして何よりママとしてもっとも気になるであろう、偏差値。大学進学率や進学先、授業のカリキュラムなど、「この高校に行けば、こういう未来につながりやすいよ」と教えてあげてはどうでしょうか？　高校生活3年間も大切ですが、その先にはまだまだ未来が続いています。娘さんが「制服」よりも大切だなと思える、他の「理由」が見つかるかもしれませんよ。

文・鈴木麻子　編集・千永美　イラスト・Ponko