BTS「Ma City」が伝える“5月18日”光州事件とJ-HOPEが刻む歌詞
2022.05.18 19:16
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今年の5月18日で、韓国光州市で多くの犠牲者を出した民主化運動「光州事件(5・18民主化運動)」から42年を迎えた。BTSのメンバーがそれぞれの地元について歌った曲として知られる「Ma City」に刻まれる、光州事件に関する歌詞を改めて振り返る。
メンバーが故郷の誇りを歌った「Ma City」
メンバー全員がソウル外の出身で有名なBTS。彼らのローカルなアイデンティティが垣間見える曲はいくつかあり、「Ma City」も代表的な1曲だ。2015年リリースのミニアルバム「花様年華 pt.2」に収録された同曲。メンバーそれぞれが故郷への誇りを歌うとともに、“どこに住んでいようとまた僕は走る”と、初心を思い出して自らを奮い立たせるような曲だ。
多くの若者・市民が犠牲になった「光州事件」から42年
ラッパーのJ-HOPEは、光州事件の傷跡がまだ残る光州の出身として知られている。1980年5月17日、全斗煥率いる軍部がクーデターで戒厳令を全国に布告し、全国に広がっていた民主化運動・労働運動を弾圧。
光州では戒厳令に抗議する学生や市民によるデモが起き、デモを鎮圧すべく投入された軍との間で武力衝突に。市民の蜂起は5月18日から27日まで続き、死者は約200人にのぼると言われている。
軍は市民に向かって一斉射撃などの残虐行為を行い、若い学生や一般人が多く射殺された。ソン・ガンホ主演の映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」(2018)で描かれているように、市民はタクシーやバスで突っ込んでバリケードを作り応戦した。
当時韓国内では情報統制のため光州事件の実態が大きく伝えられなかったが、市民らによって徐々に悲惨な実態が明るみになり、その後の民主化運動の礎となった。
光州事件へのリスペクトが込めたJ-HOPE
「Ma City」のJ-HOPEのパートは「난 전라남도 광주(俺は全羅南道光州)」と始まる。「내 삶은 뜨겁지(俺の人生は熱い), 남쪽에 열기 (南/全羅南道の熱気)이열치열(熱を以って熱を制す)법칙 포기란 없지(法を放棄することはない)」はまさに、民主主義のために戦った光州の人々を指しているのだろう。
「나 KIA넣고 시동 걸어 미친 듯이 bounce(俺はKIA入れてエンジンかけ狂ったようにbounce)」のKIAは、車の“ギア”と、全羅道の自動車メーカー“起亜自動車”をかけていて、光州事件で市民の盾になった自動車運転手たちの姿が浮かんでくる。
「다 봤지 열정을 담았지 내 광주 호식이다 전국 팔도는 기어(見ただろ、情熱を込めた俺は光州のホシギだ)」と胸を張って宣言したあとは「날 볼라면 시간은 7시 모여 집합(俺に会いたけりゃ7時に集合)」と呼びかけるJ-HOPE。
“7時”というのは、ソウルを基準にすると光州が時計の針の7時の位置にあることから、光州を卑下する意味で使われる。
最後の「모두다 눌러라062-518(みんな押せ062-518)」は、“062”が光州の市外局番、“518”が5月18日そのものの意味だ。
「062-518」の元になっているのは、メンバーのSUGAが高校生の時にプロデュースしていた楽曲「518-062」で、この曲も光州事件へのリスペクトがテーマとなっている。
J-HOPEはこれまでにも、SNSなどで光州事件について反応してきた過去がある。ダンスとラップに生きる青年の情熱と共に、自らのバックボーンに対する熱い思い、民主主義のために連帯した先人たちへの敬意が込められたこの曲を、5月18日に改めて聴いてみてはいかがだろうか。(modelpress編集部)
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