「ヴィンチェンツォ」の武術監督「ソン・ジュンギはアクションが上手な俳優」

「ヴィンチェンツォ」の武術監督「ソン・ジュンギはアクションが上手な俳優」

2021.04.21 01:16

▶ この記事にはドラマ本編のあらすじやネタバレの一部が含まれています。『ヴィンチェンツォ』のソン・ジュンギが誕生させたアクション名場面がトキメキとスリルを与えている。

▶ この記事にはドラマ本編のあらすじやネタバレの一部が含まれています。

写真:tvN
『ヴィンチェンツォ』のソン・ジュンギが誕生させたアクション名場面がトキメキとスリルを与えている。

tvNの土日ドラマ『ヴィンチェンツォ』(演出:キム・ヒウォン、脚本:パク・ジェボム、企画:スタジオドラゴン)がダークヒーローとヴィランたちの対決を予告している。前回の放送では、ヴィンチェンツォ(ソン・ジュンギ)が母親の死を目撃し冷たく急変し緊張感を爆発させた。殺気立ったヴィンチェンツォがヴィランたちに銃を向けた強烈なエンディングに視聴者の熱い反応も続いた。

テレビの話題性分析機関であるグッドデータコーポレーションが発表した4月3週目の「話題性指数」(4月12日から4月18日まで)で『ヴィンチェンツォ』がドラマの話題性部門で1位を記録し出演者話題性部門ではソン・ジュンギが1位を守り底力を誇示した。

何よりも『ヴィンチェンツォ』は強烈でインパクト溢れるアクションで話題を集めている。ダークヒーローのヴィンチェンツォがヴィランたちを懲らしめる過程で多様なアクションシーンが加わり、キャラクターの魅力を生かしている。『ヴィンチェンツォ』のアクションシーンは人物がマフィアの本性を現す決定的瞬間であるため毎回カタルシスを極大化し好評を博した。

キャラクターのコンセプトを確実に生かし見る楽しみを与えたアクションシーンは、俳優と制作陣の完璧な呼吸が作り出した結果物だった。 ホ・ミョンヘン武術監督は、ヴィンチェンツォがマフィアという設定を重視しアクションシーケンスを構成した。「ヴィンチェンツォは銃を使い、人を無力化させる技術を持った人物だ。4話でヴィンチェンツォが電気ショック機を持った相手を制圧するシーンが出てくるが、ハンガーでかなり技術的なアクションを取る。難しくテクニカルな動作だが技術的にだけ見えればリアリティーが落ちるため人物間のぶつかりを加えるのが核心だった」とし、ヴィンチェンツォのアクションコンセプトについて説明した。ヴィンチェンツォが駆使するアクションの差別点は、他のキャラクターと共にするシーンでよりはっきり感じられる。ホ・ミョンヘン武術監督は「ヴィンチェンツォとチョ社長(チェ・ヨンジュン)が一緒に出てくるアクションシーンで2人の人物を変えたかった。 チョ社長は、「対外安保情報院出身なので、私たちがよく知っているテコンドー、合気道のようなコンセプトを与えた。その反面、ヴィンチェンツォは腰の上に蹴りを出さない。彼はマフィアで、それで足技はほとんど使わない。ヴィンチェンツォは打撃よりは制圧に熟練した技術を持っている。キャラクターに関する部分を設定に入れ、それを守ろうとした」とキャラクターのディテールな設定をアクションに溶け込ませたことを強調した。

ヴィンチェンツォというキャラクターが劇中で多様なジャンルを消化しているだけに、アクションもやはりシーンごとに違う雰囲気で差別点を置いた。愉快なシーンではそれに似合うディテールが追加され面白さを加えた。ホ・ミョンヘン武術監督は「レストランでヴィンチェンツォがパク・ソクド(キム・ヨンウン)の群れと対決する時に飛んでくるグラスを手でつかむシーンが出てくる。そのシーンで「これからは何気にではなく堂々とかっこいい」というソ・ミリ(キム・ユンヘ)のセリフが出てくるが、これを生かしてくれるシーケンスをどう作ろうか悩んだ末に入れたシーンだ。少しでたらめな感じもするが、不思議な技術ではないか。台本にはなくてもそんなディテールを作ってシーンを極大化させるのが私の役割だ」と説明した。話題を呼んだテーブルクロスアクションについても「テーブルクロスを道具に使うこともない話だったが、ヴィンチェンツォが武器を持っていなかったので、わざとチョン・スナム(イ・ダル)にテーブルをひっくり返させて自然につなげた」と明らかにした。

マフィアのヴィンチェンツォの怒りと本能が爆発した10話の銃撃戦、16話のエンディングはまた違う部分に重点を置いてアクションを構成した。 ホ・ミョンヘン武術監督は「第10話の銃撃戦はヴィンチェンツォがなぜマフィアなのかを見せなければならないシーンだった。銃を持った時にヴィンチェンツォ本来の姿が出てくるだろうし、ほぼ初登場の銃撃戦だった。準備過程で選択できなかったシーンなので個人的に残念だが多くの方がそれを大目に見てくれたようだ」と伝え「銃撃戦はもともと単純だ。銃を撃って避けるしかないが退屈になりかねないシーンに近接戦を入れて殺し屋とぶつかって制圧していくことまで起承転結を作らなければならない。ドラマ全体にも起承転結が必要だがアクションシーケンスの中でも起承転結が必要だ」とアクションシーンの流れに関しても説明した。

16話nエンディングでは、ヴィンチェンツォの感情を大切にした。「16話のアクションシーンはヴィンチェンツォが感情の最後に進むシーンなのでアクションの流れを異にしようと努力した。事実、ヴィンチェンツォは自分が相手する人によってアクションを異にする。感情のない人を制圧する時は打撃を与えたり単純な制圧が多く入るが、16話のエンディングは完全に違う。相手が自分を邪魔しないように腕を折る動作が多い。敵を完全に無力化させる技術を使うのだ」と説明した。特に彼は「私はそのシーンをアクションシーンというよりは感情シーンだと思う。私が要求したのはアクションをする時、眉をひそめずに表情を変えないでほしいということだった。ヴィンチェンツォが辛くて凄絶に戦うのもいいが、アクションよりは彼の感情表現に重点を置きたかった。ドラマの中でヴィンチェンツォの感情に重点を置いたシーンだから」とし最も記憶に残るシーンとして16話のアクションシーンを挙げた。印象深かったもう一つのアクションシーンとして、タク・ホンシク(チェ・ドクムン)が双剣派役を打ち破った「ハサミアクション」を挙げ「話題になりそうだった」とセンスのあるコメントを残した。

俳優のソン・ジュンギのアクションに対しても好評を博した。「アクションが本当に上手で習得力、理解力が速い。修正事項があればなぜ間違いなのかすぐに認識し修正する」と賛辞を惜しまなかった。「私が現場で要請する部分はアクションのインパクトよりもニュアンスやキャラクターを生かすためのものがほとんどだ。例えばチョ社長を助けにヴィンチェンツォが現れた時、相手から刀を奪ってそれを使わずに捨てるのはキャラクターの性格を表す部分だ」とし「もしチャン・ジュヌ(オク・テギョン)だったら、刀を奪って刺しただろう。しかし、ヴィンチェンツォはそうしない。自分とレベルが合わない人を認知し、それだけ自信がある。このような部分で、ヴィンチェンツォが完全な悪人ではないということも見せることができる。

知らない人が刃物で突いたからといって、それを突ける人ではない」とアクションシーンの中でキャラクターを見せるポイントを指摘した。ダークヒーローとヴィランたちの熾烈な接戦が続いているだけに今後の展開にもインパクト溢れるアクションシーンが続くと期待される。母の死から黒化したヴィンチェンツォが、ヴィランたちをどう戒めていくのか、残りの話にいつにも増して関心が集まっている。

一方、tvNの土日ドラマ『ヴィンチェンツォ』17話は、24日(土)夜9時から放送される。

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