上田竜也「決断は間違いではなかった」今語る執筆再開の真意 初小説にグループ活動のリアル反映【「この声が届くまで」インタビュー】
2025.06.27 07:00
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上田竜也が、初の小説「この声が届くまで」(KADOKAWA)を6月27日に刊行。インタビュー前編では、作家挑戦のきっかけや執筆秘話、本作を通して伝えたいことなどを語った。
著・上田竜也「この声が届くまで」
本作は、上田が長年にわたり温めていた書き下ろし小説。構想から約10年、仲間を想う心を小説にのせた。幼馴染とバンドメンバー、それぞれと交わした約束を胸に、仲間たちとの絆を深めながら武道館を目指す青春ストーリーとなっている。上田竜也、作家挑戦のきっかけ語る
― 執筆には10年かかったそうですが、改めてきっかけと当時の心境教えてください。上田:10年前にメンバーが1人抜けるタイミングで、自分がグループに何か貢献できないかと考えたんです。その時、こういう話を作って、主題歌とかをKAT-TUNに持ってこられないかなと思ったのがきっかけです。「これに出たい!」というより、自分で作った方が早いだろうなと思って。
― 10年という歳月は長かったと感じますか?
上田:すごく長かったと思います。もし10年前に完成していたら、違った未来があったのかもしれないので。色々思うことはありますけど、この10年を無駄にしないようにとポジティブに考えるしかないです。
― 執筆の再開を直接事務所に交渉したとのことですが、上田さんの中で何か原動力があったのでしょうか?
上田:あまり深くは言わないですけど、自分の中で原動力は確かにありました。事務所の状況が変わったり、仕事環境が変わったりして、好きなことができる機会も増えてきたので、再開しました。
― 執筆することが好きだった?
上田:というよりは、自分のやってきたことは間違ってなかったと自分の中でも言い聞かせたいのかもしれないです。自分がとった決断は間違いではなかったってことを、事務所やファンの子に証明したかったのかもしれない。今本当にパッと思ったことなので、自分でもよくわからないんですけど…(笑)。
― 物語の中でも、メンバーの脱退があり、それでも目標を成し遂げようとする姿が描かれていますよね。“証明したい”という思いが通ずるのではないかと思います。
上田:僕の思考のまま、龍(主人公)は動いています。僕の分身みたいなものがフィクションの中で動いている感覚です。
上田竜也、小説は“漫画脳”で執筆
― 小説という形になる前は脚本のように書いていたそうですね。上田:去年から書き直しました。最初はドラマの脚本みたいに、カギ括弧の前に“龍”ってト書きで書いていたので、そこから小説になるようにどんどん足していったんです。
― 筆が止まったことはありましたか?
上田:基本的には打ち合わせをして「こういうイベントしようか」となったら結構進むので、あまり止まることはなかったです。“どういったきっかけで「zion(シオン)」をバズらせよう”とか、方向性は考えましたけど、1回書き始めたらそこまで悩むことはなかったです。
― 今携帯で文字を打つジェスチャーをされていましたが、携帯で書いていた?
上田:そうです(笑)。携帯のメモで書いていました。区切りのいいところで送るというのを続けていたので、自分でもこんな量になっているのは知らなかったです。
― どのようなタイミングで執筆していましたか?
上田:特に時間や場所を選ばずに書いていました。ツアーの帰り道の飛行機とか新幹線での移動中に書いていました。執筆に集中すると、あっという間に2、3時間が過ぎてしまうこともありました。
― 最初からバンドがテーマとしてあったのでしょうか?
上田:最初はバンド系とスポーツ系、2つのテーマがあったんです。編集の代表に見せたとき、スポーツ系は「つまらない」って言われて(笑)、バンドの方が「続きが気になる!」ってなったので、バンドのテーマで進めました。
― ストーリーの組み立てに漫画の要素も感じましたが、ストーリーの構築やキャラクターを作る上で、意識したことはありますか?
上田:おっしゃる通り、漫画の要素もあると思います。僕は漫画をずっと読んできたので、キャラクターの選別にはあまり苦労しませんでした。本来だったら優等生、チンピラ、大人しい子…って種族の違う人間でバンドは組まないじゃないですか。でも漫画だから成立して面白かったりする。たぶん、漫画脳なんでしょうね(笑)。だからあまり苦労することなく、キャラクターを作ることができました。
― わちゃわちゃしたやり取りなどもイメージが湧く?
上田:そうですね。漫画脳なので、漫画が映像として頭に出てきて、それを文字化してく作業をしていました。
― 物語には音楽が深く関わっていますが、執筆中にイメージした音や曲などはありますか?
上田:音楽はずっと頭の中で鳴っていました。龍が絶望するシーンは、自分の中でオルゴールが鳴っていましたね。もし実写化されたときに、こういう音にしてほしいっていうのは明確にあります。
上田竜也、自身を投影した作品で伝えたいこと
― アーティスト、俳優に加えて“作家“という新たな顔が加わりましたが、執筆はこれまでの活動とどう違いましたか?上田:時間がかかるかなと思いました。音楽は最短で1ヶ月でリリースすることもあるんですけど、小説は書籍化が決まってから1年くらいかかりました。
― 他の仕事もあって、大変ではなかったですか?
上田:不思議と切り替えができるタイプなので、他の仕事をしている時は、全く本のことは考えていませんでした。
― 執筆の楽しさはどんなところにありましたか?
上田:大事なシーンを書くときも楽しいですけど、個人的にはギャグの部分が1番楽しかったですね。バカなやり取りを書くのが好きでした(笑)。頭の中ではイラストも浮かんでいるので、SNSとかでギャグ部分をイラスト化して届けられたら面白いんじゃないかなと思っています。
― 今作の発表時に「グループ活動をしている人や応援している人にも届いてほしい」と話していましたが、今改めて読者に伝えたいメッセージがあれば教えてください。
上田:この本を読んでいただければ、今推しているグループをもっと応援したくなると思います。グループにはグループそれぞれの悩みがあって、その悩みを乗り越えて1つの幸せを掴むという物語です。それを経験してきた僕が書いているから、リアリティがあると思います。グループ活動をしている人にも読んでもらいたいですね。もう1度、メンバーのありがたさと、仲間の良さっていうのを感じてもらえたらいいなと思います。
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上田竜也(うえだ・たつや)プロフィール
1983年10月4日生まれ。神奈川県出身。2006年3月デビュー。2025年3月までKAT-TUNのメンバーとして活動。個人としては、2024年10月に自ら演出を務めるコンサート「MOUSE PEACE Fes. 2024 1st Bite」を開催。俳優として数々のドラマや舞台に出演するなど、自分だけのスタイルでエンターテインメントに取り組んでいる。あらすじ
世間から注目されないまま10年、そんな中でメンバーの1人・マサが脱退。学生時代からの仲間である龍、ヒロト、誠一郎、毅志で組んだバンド「zion(シオン)」は窮地に立たされていた。マネージャーの光、幼馴染の七海とともに最後の望みをかけてメンバーは一念発起、売れるために団結力を高めていく。しかし、彼らの前にさまざまな困難が立ちはだかる。「ここで諦めたくねぇんだ! まだ自分の夢を諦めたくねぇんだ。俺はお前らと…他の誰でもねぇ!お前らと!やっぱりテッペン目指したい」
バンド活動に全力で立ち向かい、憧れの武道館を目指す物語。
【Not Sponsored 記事】
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