渋谷凪咲、佐々木希「地獄の果てまで連れていく」第1話より(C)TBS

佐々木希&渋谷凪咲、復讐劇で新たな挑戦「すごく怖くて」「観ていて泣けました」互いに受けた刺激語る【「地獄の果てまで連れていく」インタビュー】

2025.01.06 07:00

2025年1月14日から放送開始するTBS系深夜ドラマ枠・ドラマストリーム「地獄の果てまで連れていく」(毎週火曜よる11時56分~※一部地域をのぞく)に出演する女優の佐々木希(ささき・のぞみ/36)と渋谷凪咲(しぶや・なぎさ/28)。今回の取材では、お互いの印象をはじめ、撮影の裏話や見どころなどを語ってくれた。

佐々木希主演「地獄の果てまで連れていく」

本作は、高校時代に父を殺され、人生を壊された橘紗智子(佐々木)が顔を変え身分を隠し、自らを破滅に追い込んだ非情なモンスター女・花井麗奈(渋谷)へ壮絶な復讐劇を始める心理サスペンスドラマだ。同局ドラマ初主演となる佐々木と、同局ドラマ初出演となる渋谷が、復讐心を抱え葛藤する紗智子と狂気的で冷徹な麗奈をどう演じるのか注目が寄せられている。

渋谷凪咲、佐々木希の「取り合い」してた学生時代

佐々木希「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
佐々木希「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
― お二人は今まで共演されたことはありますか?

佐々木:1回あるよね?

渋谷:覚えてくださってますか!?「千鳥のクセスゴ!」(フジテレビ系)で…

佐々木:覚えてる!「クセスゴ」で共演させてもらいました。

― お互いどのような印象を持たれていますか?

渋谷:「クセスゴ」のときは、ゲストが私と佐々木さんの2人だったのでめっちゃ緊張していて。でも、バラエティだと共演したとしても、ご挨拶で「よろしくお願いします」ぐらいなんです。そこからこのお話をいただいたので、驚いたしすごく緊張しました。学生時代に友達と「生まれ変わったら誰になりたいか?」っていう話をしたときは絶対に佐々木希さんの取り合いになっていたので(笑)。

佐々木:取り合い(笑)!?

渋谷:でもお会いしたら本当に気さくで飾らない方でした。「自分が佐々木希だってことをご理解されてるのかな?」と思うくらい気さくな方で(笑)、いい意味で緊張感なくこうやって普通にお話させていただいているのが驚きなんですが、違和感なく自然にいられるのは佐々木さんの優しさなんだろうなと思います。

佐々木:嬉しい!私はテレビを観ていたらよく凪咲ちゃんが出ているので、「相当忙しいんだろうな」と思っていました(笑)。周りから勧められた凪咲ちゃんの面白い動画も観て「(自分が)笑いを取れるのか心配」と思っていたのですが、全くそんなことなかったです。それから私と仲のいいヘアメイクさんが一つ前の作品で凪咲ちゃんを担当していて「すごくいい子だよ」と聞いていたので「よかった~」と思っていました。会ったらすごくふわふわしているし、たくさんお話してくれます。

渋谷:私も喋りたくてたまらなくて(笑)!

佐々木:現場でもスタッフさんとちゃんとコミュニケーションを取っていて、本当に素敵ないい方です。みんなに好かれている方なんだなと思いました。

佐々木希&渋谷凪咲「自然体でいられる」2人の会話内容は?

渋谷凪咲「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
渋谷凪咲「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
― お二人ではどんな会話をされるんですか?

渋谷:お会いしたらピシッとなっちゃうかなと心配していたんですが、佐々木さんがそれを全部解き放ってくださいました。だから、何の会話をしているかも覚えていないくらい普通に喋っています。

佐々木:うん、そうだね(笑)。

渋谷:盛り上げるためにテンションを上げたり、無理矢理話題を作ったり…とか気を遣って話す感じではなくて、本当に普通なんです。「お腹空いちゃった」「今日お昼何だと思う?」「やっぱお腹鳴るのって体が悲鳴上げてるんですかね?」とか(笑)。自然体でいられるのが有り難いなと思います。

佐々木:いつも楽しいです。

渋谷凪咲、佐々木希との共演は「夢のようなお話」

佐々木希「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
佐々木希「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
― この作品の出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?

佐々木:復讐劇やこういった役をあまりやったことがなかったので、30代で特殊な役柄を演じさせていただくことは大きな挑戦になるなと思いました。台本を読んでいたらすごく面白くて止まらなくなって、オファーをいただけてよかったなと思いました。

渋谷:佐々木さんと一緒に演じられるなんて、もう夢でも想像してないくらい夢のようなお話でした。復讐劇って今までもたくさんあって流行りでもありますが、その中でも違う怖さと面白さが詰まっている作品だなと思います。大きな挑戦にも大切な経験にもなりそうで本当に胸がワクワクしていますし、めちゃくちゃ頑張りたいと思っています。それから怖いお話ではありますが、すごく綺麗な映像になりました。芸術的なセンスが詰まっていて、作中でドビュッシー等のクラシック音楽も出てくるんですが、音楽の美しさや、美しいのにその音楽が響き渡る怖さもありました。そういうものを想像すればするほどワクワクします。

佐々木:そうそう。「今撮っているものに音楽が足されたらどんな感じになるんだろう?」と思うよね。

渋谷:はい。綺麗だからこそ怖いんだろうなと思いますし、そういうセンスに胸がときめきました。

渋谷凪咲、時間をかけて撮影したシーン

(右)渋谷凪咲「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
(右)渋谷凪咲「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
― 役柄についてはどう感じていらっしゃいますか?

佐々木:私が演じる橘紗智子は凪咲ちゃん演じる花井麗奈に復讐する役どころなんですが、紗智子は本当に普通の人間というか。人間らしい心を持っているので復讐するにあたってもやっぱり怖さを感じていて、麗奈を目の前にするとドキドキしているんです。でも麗奈はニコっとした顔でイタズラっぽいことを言ってきたりするので、復讐する側の紗智子がずっと麗奈に振り回されているのが新しい復讐劇だなと思います。その復讐を果たせるのか楽しみにしてほしいですし、紗智子を応援してほしいなと思います。

― 渋谷さんはなかなか狂気的な役ですが、演じる上ではどう切り替えていますか?

渋谷:オファーをいただいたときに「渋谷さんの今の感じのまま、喋るリズムやトーン、表情、雰囲気は変えずにモンスターを演じてほしい」と言っていただきました。インパクトのある役なので「気合いを入れてやらなきゃ」と思っていたんですが、気合いを入れて仕掛けるところが見えてしまったらつまらないので、ちょっといたずらを仕掛けるような感覚でやっています。自分の人生では経験できないようなことができるのは麗奈を演じている今しかないので、楽しんでやっていますね(笑)。

あと、第1話にすごいシーンがあるんです。なぜ紗智子が麗奈に復讐をしようとしたかわかる決定的なシーンで、麗奈の学生時代なのですが、かなり攻めた内容になっています。自分が絶対にしないようなひどいことでも、麗奈はすっごく笑って楽しんでいて天使のような笑顔が悪魔に見える。怖がらせようとしていない怖さがあります。絶対に観ていただきたいと思うくらいすごい撮影でしたし、このシーンに1日かかりました。

佐々木:あのシーンそんなに長く撮ってたんだ!

渋谷:そうなんです。でも、各部署のみなさんがやっていくうちに楽しくなって「もっとこうしよう」「こうした方がいい」とアイデアがどんどん膨らんでいった上での長時間撮影だったので、このドラマの要となるすごくいいシーンになりました。だからこそ最終回まで面白く駆け抜けられるんじゃないかなと思いました。

井上祐貴、渋谷凪咲「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
井上祐貴、渋谷凪咲「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
― 人を刺す場面もありますよね。

渋谷:はい。

佐々木:それを昨日観させていただいたのですが「過去にこんなことがあったら紗智子もそれは復讐するよね」と思えるくらい本当に怖いシーンでした。

渋谷:佐々木さんは紗智子の整形後の役なので学生時代は別の方が演じられているんですが、刺された箇所の傷は残っているんです。ここが刺されたと分かるシーンを佐々木さんと一緒に観ていたんですけど、佐々木さんが紗智子というのを忘れて、一緒に観ながら「もうぐぐぐっと刺しちゃったんですよ」って言っちゃって…(笑)。そのとき私の中に麗奈がいると思いました。

佐々木:かなりライトめに言ってたね(笑)。私は顔をこわばらせて観ていたのに、凪咲ちゃんを見たら普通に喋っていました。でもあのシーンは大事だから、みなさんがこだわる気持ちもわかります。

佐々木希&渋谷凪咲、撮影中に感じた“怖さ”とは?

渋谷凪咲「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
渋谷凪咲「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
― 撮影が始まって、感じた悩みはありますか?

佐々木:基本的に私はずっと張り詰めていてドキドキしています。紗智子は復讐のために戸籍を買って整形までするので、それが周りにバレたら復讐できなくなるし、麗奈が怖いことを言ってくるので、そういう状況から私自身もずっと張り詰めた感じはあります。

渋谷:じーっと顔を見るなど「麗奈が持つ間」というのがすごく怖くて。このドラマは間を大切にしているので、どうやったら紗智子を振り回せるか監督とアイデアをお話させていただきました。麗奈がじっと見つめる間は気持ち悪さもあり、そのシーンで佐々木さんの顔がピクピクピクって震え出してきて「すごい!」と思いました。

佐々木:紗智子は復讐を仕掛けにいってるのに逆に「大丈夫かな、私」となってしまうような仕返しをされるのでドキドキします。監督がこだわった間が絶妙で「すごいな、怖いな」と思っています。

渋谷:佐々木さんの怯えている表情がもう素晴らしくて。画面で見たときに「ドラマとして面白くなるんだろうな」と思いましたし、紗智子が仕掛けてるのに「ちゃんとやれよ!」「バレるぞ!」って視聴者の方から怒られるんじゃないかなみたいな(笑)。

佐々木:そうそう。監督も視聴者から「紗智子、頑張れ!」「もうバレてるよ」と思われるようなギリギリのラインを攻めたいみたいです。

佐々木希「泣けました」心動かされた瞬間

佐々木希「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
佐々木希「地獄の果てまで連れていく」第1話(C)TBS
― 話ごとに台本の色が違うんですね。

渋谷:そうなんですよ。だんだん血が混じっていくイメージで、最終話の台本はもう真っ黒。お話も本当にこういう感じなんです。

佐々木:生まれつきの麗奈の恐ろしさが奥深くて。「日々辛かっただろうな」とか、麗奈の人生を考えてしまう瞬間もあります。「麗奈は人の痛みが全然わからないからそれっぽく見えるように生きてきてたのかな」とか考えてしまいます。

渋谷:麗奈は自分のことを「化け物」と言うんですが、化け物になってしまう所以がちゃんとあるんだろうなと。だから最初は紗智子を応援していても、後半から麗奈にも気持ちを持っていかれると思います。

佐々木:観ていて泣けました。絶対にしちゃいけないことをしているのですが、その「化け物」に心を動かされる瞬間があり、すごい話だなと思いました。

渋谷:復讐劇なのに切なくて。

佐々木:観ている側が揺れ動く瞬間があります。

― 最後に、視聴者に向けて見どころやメッセージをお願いします。

佐々木:復讐を果たせるのか、また紗智子の協力者が1人いるのでそれが誰なのかを推理しつつ、ハラハラしながら観ていただければと思います。

渋谷:残酷なところや刺激的なところもあるんですが、すごく映像が綺麗で音楽も美しいので楽しんでいただきたいです。人の気持ちが揺れ動くシーンもたくさんありますし、登場人物それぞれにキャラクターの色があるので麗奈がその人ごとに向ける顔や表情にも注目してほしいです。麗奈がどういう風に人をコントロールして生きてきたのかという面白さや、気持ちの悪い間、緊張感も一緒に味わっていただきながら、この世界に入った感覚で観ていただければ嬉しいです。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

佐々木希(ささき・のぞみ)プロフィール

1988年2月8日生まれ、秋田県出身。2006年芸能界デビュー。以降映画やドラマ、CM、雑誌など多岐に渡り活躍。2025年3月14日公開の映画「お嬢と番犬くん」への出演も決定している。また、自身がプロデュースを行うワンマイルウェア「iNtimite(アンティミテ/※eはアキュートアクセント付き)」も好評。そして2024年7月にはYouTubeチャンネル「佐々木希(仮)」を開設。

渋谷凪咲(しぶや・なぎさ)プロフィール

1996年8月25日生まれ、大阪府出身。2012年、NMB48のオーディションに合格し、第4期メンバーとしてグループに加入。2023年12月までグループメンバーとして活動した。卒業後も活躍の幅を広げ、ドラマ「だが、情熱はある」(日本テレビ系/2023年)や「離婚弁護士 スパイダー」(日本テレビ系/2024年)での演技も話題を呼んでいる。
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